34話 国の発展 その1
「そうだったのですか、お辛かったでしょうね……」
「いえ、そのようなことは。ある程度、予想はしておりましたので」
「そうですか……」
シャーリー嬢は地下牢に閉じ込められているフリック様に会いに行ったようだ。その時の報告を私とアルゼイ様にしていた。まあ、端的に言うと結果は予想通りだったというか……。
「罵詈雑言の嵐だったようだな、シャーリー嬢?」
「はい、その通りでございます。もうそこには、以前のフリック様は存在していませんでした」
以前のフリック様、と言うとまるで彼が急に変わってしまったみたいな言い方だ。ただ、少なくとも私と婚約した後から彼は特に変わってはいないはず。本性を現しただけだ。シャーリー嬢はフリック様の幼馴染だから、もっと素直な頃の彼を知っている可能性は否定できないけれど。
素直だった頃のフリック様……ハッキリ言って想像できないわね。ああいうお方は自分の立場がとても高く、国民に対して常にマウントを取れると理解出来た時点で変わってしまうものだし。これは私の勝手な想像でしかないけれど……アルゼイ様やジェイド王子殿下はそんなことはなかったようだし。
「私は少しでも反省していただけるように諭したつもりでした。しかし、彼は最早、話すら聞いてくれない状態でございまして……」
「精神錯乱を起こしているのが原因かもしれんな。もうフリックは切り捨てる以外にはないようだ。私としても非常に残念だが仕方ない。サンマルト王国の今後の発展も考慮しなければ、ならないのだから」
「アルゼイ様……」
アルゼイ様の心中を察すると適切な言葉が思い浮かばなかった。今後はジェイド第二王子殿下と王位継承争いを行い、国王陛下になられる可能性もある。甘い言葉を言っている時期ではないのだろう。
「エラルド王国との友好関係の樹立も急務になっているな。ファブナー・エッセル公爵とのパイプラインの確保は非常に重要だと言えるだろう」
「そうですね」
エラルド王国とは早めに良き関係を築き上げ、エラルド側の反乱分子の掃討もしなくてはならない。キングダム侯爵のような輩が出て来る前に。私の妹シリカの役目も大きい。そして、私はしっかりとアルゼイ様をサポートしていかなければならないわね。
それがガーランド家の使命みたいなものなんだから……。
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