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31話 フリックへの罰 その1

「シャーリー嬢。あなたの協力のおかげで、フリックとキングダム侯爵の計画を未然に防ぐことが出来た。礼を言う」


「いえ、アルゼイ王子殿下……私はエリザ様に大変なご迷惑を掛けてしまいました……お礼を言われるようなことはしておりません。この程度のことで、私の罪が消えるなどとは考えておりません……」



 私達はアルゼイ様の私室で会話をしていた。フリック様を裏切った形になっているシャーリー嬢だけれど、その表情から後悔もしているようだ。彼女がフリック様のことが好きだったのは明白だろうし、当然と言えば当然だけれど。


「シャーリー嬢はフリック様のことが本当に好きだったのですね……なんだか、その気持ちが伝わってきます」


「エリザ様……はい、その通りでございます。私はフリック様のことが好きでした。昔からずっと……だから、エリザ様との婚約が破棄になり、彼が私を選んでくれた時はとても嬉しかったのです」


「そうでしたか」



 あの時はシャーリー嬢にも恨みの念を持ってしまっていたけれど、それはシャーリー嬢も同じだったのかもしれない。私とフリック様との婚約……彼女はそれをどんな気持ちで見ていたのだろうか?


「でも、シャーリー嬢の情報提供は非常に有意義だったと思います。アルゼイ様、彼女への罰というのはどうなるのでしょうか……?」


「そうだな、私達への協力と合わせても完全に無罪にはならないかもしれないが、相当に減刑されることは間違いないだろう。実際、国家反逆の計画が行われたわけではないからな」


「そうですね、それを聞いて安心しました」



 キングダム侯爵は無期懲役レベルの罰を課せられたけれど、彼女は巻き込まれただけだ。シャーリー嬢が重い罪になってしまうことは、私も望んではいなかった。変な考えかもしれないけれど、彼女には幸せになって欲しいと思う自分がいるから……。



「アルゼイ王子殿下、エリザ様……何から何まで本当にありがとうございます。感謝の言葉もございませんが……あの、フリック様はどのような罰になるのでしょうか?」


「フリックは……」



 アルゼイ様は言葉を濁している。それだけでも彼の罰がどれだけ重くなるのかを、物語っていた。

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