12話 サポート能力の差 その2
……フリック王子殿下視点。
「分かっているな、シャーリー? 今からの舞踏会……これは非常に重要な催し物になる」
「は、はい……承知しております……」
「決して、私に恥をかかせるなよ? しっかりと、事前準備はしてきたであろうな?」
「はい、私の出来る限りの努力はしてまいりました。それこそ、寝る間を惜しんで……」
「それなら良い、期待しているぞ」
「は、はい……フリック様……」
シャーリーはどうやら、相当の覚悟を背負って今回の舞踏会に臨んでいるようだ。これも、私の教育の賜物だな。2か月前のパーティーでは散々だったが……現在では比較的まともに仕事をこなせていると言えるだろう。本来であれば、私の指示なしに動いてもらわなければ困るのだが……まあ、そこまでの要求は今のシャーリーには酷だったか。
本日の舞踏会は他国の重鎮も参加している催し物になる……当然、我が父上であるボストン・サンマルトも来ることになる。失敗は許されない舞踏会ということだ……今後の王位継承権を考えるならな。
王位継承権を考えないのであれば、単に贅沢な暮らしだけを考えていれば良いのだが……まあ、王族に生まれた以上は頂点を目指してみるのも面白い。その為に、真の意味で心を通わせている幼馴染のシャーリーの方が良いかと思い、エリザを切り捨てたわけだが……早まったか?
しかも、エリザはその後にアルゼイ兄上と婚約を果たしているしな……う~む。
「どうかされましたか……? フリック様……?」
「いや、なんでもない。お前は私のことを気にする余裕があるのなら、ヘマをしないように最大限注意しておくんだな」
「か、畏まりました……!」
こんなことも言われないと分からない幼馴染だ……真実の愛、とは笑えてくるな。くそ……! エリザを手放したのは愚行だったのか……? 2か月以上経過してまさか、後悔の念に駆られてしまうとは……! いや、まだその考えは早計と言えるだろう。シャーリーの潜在能力、成長性を私は知らないのだからな。この2か月の間も散々ではあったが……彼女は確実に私のサポートが出来るようになっている。
これも真実の愛が成せる業と言えるだろうか。今回の舞踏会の結果で、エリザなど軽く追い抜いてみせようではないか! シャーリーと私ならば可能だ……そして、私は王位継承権のトップ争いをするまでに至るというわけだ。
「シャーリー、お前は伯爵令嬢でしかないが私の妻になった暁には、国王夫妻という非常に名誉な称号を手にすることになる……大船に乗った気持ちでいると良い」
「大船……はい、フリック様。私はフリック様を信じておりますわ」
「ああ、良い返事だな」
さて、そろそろ舞踏会が始まる頃合いか……我々も急いで会場に向かうとしようか。約束された明るい未来の入り口へと……。
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