魔美子視点1
あたしにとっては最初から
翔之介の顔は至上のものでした。
(魔美子談)
やっと会えた。この瞬間を何度夢見たことか。それにしてもほんとうにお兄さまにそっくりね。想像どおり……いや想像以上だわ。うれしい!うれしい!!うれしい!!!
でも今は他人の顔をしてなきゃいけない。つらい!つらい!!つらい!!!
やだぁ、翔之介がこっち見てる。抱きしめたい。でもガマンガマン。
どこの馬の骨が!?やっと会えた甥っ子との!せっかくのふたりきりの時間を!
邪魔するな!……やだぁ、翔之介にこわいおねえさんだと思われちゃうじゃない。
……どうも、この女は信用できないのよね。
自分が禍王家の人間だと、ウチの翔之介が思うというだけでも、ほんとうは虫酸が走るほどつらいわ。
耐えるのよ、翔之介とあたし。もう少しの辛抱よ!
……この裏家の小娘は、いつかシメないといけないわね。
もおっ。こんなところに出てきちゃダメじゃない。
でも寝ぼけまなこの顔も、これはこれですばらしいわね。
あんな家のものたちと関わる必要はないわ。
おまえのそばには、あたしがいる。
ガマンガマン。すべては誤解なのだから。
こんなところより、ふたりっきりでごはんをいただきたいわ。
この女はまた、よけいなことをふきこんでいたのね。




