第四話
あれから何日眠っていただろう・・・
色々な夢を見ていたように思う。その間ずっと龍の気配を感じていたように思う。
目が覚め起きると夢で見たものは、すべて記憶には残っていなかった。
それから母にはこっぴどくしかられ、対話の間への出入りは完全に禁止されてしまった。
時期を見計らって対話の間に入り込もうとしたが、扉が開くことはなかった。
大巫女ととおじい様で話し合って入れないようにしたのだろう。
トパーズはあの少年にあいたかった。
少年にトパーズが見えた意味や、瞳を覗き込んだときに見えた映像の意味を知りたかった。
そしてこんな切ない気分になってしまう意味も。
それから年月がたち、トパーズの8歳の誕生日が近づいてきた。
8歳には巫女として正式に認められ、誕生日に巫女としての伝授や儀式があるのだ。
ある日大巫女はトパーズを呼んでこういった。
「今、このときにあなたが巫女になることは巫女としての私は喜ばしいこと。
でも母として言うわ。これから何があろうと自分を信じること。見えたこと聞こえた声、起こった出来事もすべて信じ続けること。あなたは私よりも力を持っているのよ。それを忘れないで・・・」
真剣なまなざしでトパーズを見つめ話す。なぜかトパーズはそれを怖く感じた。
「本当は8歳のときに行う儀式だけれど明日はその用意で人を払うので、明日行いましょう。」
そして次の日。人払いされた神殿は静かで静寂に満ちていた。
大巫女と共に正装をし、神との対話の間へと行く回廊の途中、トパーズは精霊達がざわめくのを感じた。
回廊の窓にエオノーラの姿が見える。何か言いたげだ。
窓のほうを見ていたので大巫女が立ち止まっていたのに気がつかなく、ぶつかってしまった。
「ご・・・ごめんなさい・・・」
そういい上を向くと、大巫女はゆっくりスローモーションのように倒れてゆく。
口元には赤いものが一筋。
何がおこったのか理解できないトパーズはその場に立ち尽くしていた。
「トパーズ・・・信じて・・・忘れないで・・・」
トパーズを見つめながら手を握り、ささやく。
「お母様・・・お母様・・・」
涙があふれてくる。命の火が消えようとしている、それだけはわかった。
トパーズの額に手を伸ばす大巫女。
次の瞬間まぶしい光のようなものと、大きなエネルギーを感じ、気を失う。
・・・・・・・・・つづく・・・・・・・・・