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腐り姫と不死の王  作者: コードアリス
第三話: 曼珠沙華(ナラクノハナ)
9/33

シーン1

 血色に染まりし空の下。


「なんともまぁ……派手にやってくれたものですね」

 兵団を率い、エザリアの町に到着したネビュロスは、屍山血河となりし光景にため息をつき、

「さて、と……」

 住民たちのすすり泣きを耳に、さも楽しげに鼻歌を歌いはじめる。


 そして無数の槍に串刺しにされ活動を停止したグールへと近付いた彼は、


「ふふ、やはり咬まれた(あと)がありますね」

 満足げにうなずき、町の門兵へと視線を転じる。


「で、二人が廃城に向かって逃げたのは確かなのですね? ――いまさら見間違いでしたは通用しませんよ?」

「は、はい! 間違いございません!」

 声をうわずらせた門兵は、ネビュロスの言を肯定し、

「ネビュロスさま。先発隊が不死の王を捕捉したとの念話が届きました」

 顔に刺青を刻んだ魔術師のひとりが追加報告を行う。


「ほぅ、それは朗報ですね。幸先がいい」

「されど八脚の馬を駆る、おそろしく手錬れの女剣士が護衛についており……騎士団長ともども手を焼かされている様子です」

「八脚の馬……」

 その報に、薄紫色の口端を吊り上げたネビュロスはローブの端をひるがえし、

「よもやあの女が生きていたなんて、ね。――ほほ、面白くなってきたじゃない」

 鋼鉄(はがね)に身を包んだ猟犬たちを率い、鳴海たちの追撃を開始した。


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