砂漠に潜む影
遅れの投稿となります。
砂漠攻略編
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ジダン砂漠 攻略難易度 E または D
魔物の危険度 E~D
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辺りは、砂一面で、木も草も生えていない。
あれから、数時間が経ち…。
じりじりと俺に太陽が迫ってくるような気がした。あの太陽が原因で、身体中に汗がびっしょりだ。
それにしても、暑い。ターバンのようなものを被っているのだが、頭は護れても体は熱いままだ。
まぁ、鎧を着ているせいであったとしても、流石に前にいた世界とは比べられないほど暑い。
まだ、一日目だぞ。このまま、無事たどり着けるか心配だ。それに、水も残り約5.5ℓだ。バッグの中には特別な箱と水、折りたたみテントが入っている。
食べ物は、この暑さで腐らないようにオリヴィアが作ってくれた氷雪箱に入れている。その箱は、5日間で溶けると言っていたが、まだまだひんやりしていた。なるべく、日に当たらないようにバッグの底にしまっておいた。
今の所、歩く以外することがない。
これが明日もあると思うと、頭がおかしくなりそうだ。
俺はそう考えても、進まないので、プラス思考で歩くことにした。
そして、夜を迎えた。
テントを展開した。そして、食料を食べ、水も飲んでおいた。疲れたのか、すぐに寝てしまった。
さむ… 寒い。毛布はどこだ?毛布、毛布。と起きたが、すぐに取り出し毛布をかけ、寝た。
ガサガサ、ガサガサ、ガサガサ。と走ってきているような音がする。その音は、次第に大きくなっていく。煉哉は気づくことなく、寝ている。しかし、音が大きかったため、ついには起きてしまった。
「うるせーな。なんだ、砂の音か?」と足元がふらついた状態、眠たげに言った。
とりあえずの所、剣と盾を持ち、鎧もすばやく着替えた。
テントを開けると、そこにはでかい、全長約1.5mぐらいの蠍が居たのであった。
「…デカっ。」と驚いた。
いきなり攻撃を仕掛けにきた蠍。
その攻撃を交わそうとするも、反応が鈍く、体が動かなかった煉哉は受けてしまった。
「ふっ、痛てぇな。」と攻撃を受けたにも関わらず、少し笑みを浮かべた。
「蠍さんよ。俺の俊敏な速さについて来れるか?」
と言った。鎧を着ているが、そんな事は関係ない。蠍よりも速く動ければ、攻撃チャンスができる。
両者、睨み合いながら、煉哉が先に行動をとった。蠍はついては来れなかった。
その行動とは、後ろに回ることだ。
そして、煉哉が思いっきり剣を振りかぶった。
毒のある針の尾を切断した。
蠍は、怒りだした。
「それにしても…」とため息をついた。
こんなにもデカイ蠍を見たのは初めてだ。
それに、あいつは倒れてはいない。
トドメを刺すか…。
そう思っている内に、一つの光が差してきた。
両ハサミを使って連続攻撃をしてくる蠍。
しかし、その攻撃は煉哉には当たらず、暴走し続ける蠍。
煉哉は蠍の上に乗り、閃いた。
「心骸粉砕」と言って、蠍の体を真っ二つにした。
蠍は倒れた。どうやら、朝が来たようだ。
数分後に、テントを片付け、目的地へ向かっていった。
2日目。
「そろそろ、到着したいな。」と言い、歩き続ける。暑すぎて、クタクタ。もう何時間経ったのか分からず、水が残り約2.1ℓになる。水が無くなる前にたどり着きたいところだ。など考え、さらに時間が進む。
風景は、変わらない。砂一面のままだ。本当に、この方向であっていたのか?と思い、進み続ける。
もう、着いてもいい頃だ。と期待はしているが、目的地に近づいている気配すらない。
そう感じてはいたが、希望はあった。
何故ならば、人のようなものがいるからだ。
どうやら、こちらに向かって来ているらしい。
何か持っているぞ。先の尖った様なものを手に取り、向かっている。まさか、ナイフか?と思った。
しかし、目的は違った。よく見ると、リンゴをナイフで剥いていたようだ。
その男、全身布で被っており、目が見えなかった。
俺は少しばかり歩いて、数分が経った。
ようやく、話せるくらいにスペースができた。
その男から、声を掛けてきた。
「よぉ、旅の者か。よければ、リンゴいるかい?もちろん、毒は入っていない。ここは、食料がないからね。腹が減っては、気力も出ないぞ。」と見知らない男性から、リンゴを渡された。
「ありがとうございます。」とリンゴを受け取り、言った。
その人と少し会話することにした。
テントを立て、テントの中へ入った。
「そう言えば、名を名乗っていなかったな。私は<旅商人>のマリガンという者だ。よろしくな。」と言った。
「よろしくお願いします。<ナイト>のレンヤと申します。」と丁寧に挨拶を交わした。
「よく、ここで倒れている人を目撃するんだよ。それにしても、君、モンスターに襲われなかったのかい?」と聞いてきた。
「深夜に襲われましたが、倒しました。」と簡単に言った。
「ストームスコーピオを倒したのか…。こりゃ、凄い。今まで出会った人物で、倒した者は3、4人かな?」と驚いて言った。
「あのストームスコーピオ(蠍)は、巨大で危なかった所でした。」と言い、起こった事を全て話した。
「実は、夜に襲われて、たくさんの死者が出ているのだよ。それも、寝ている時にね。」と小声でマリガンは言った。
「なるほど。」と俺は理解した。
「君は、何処に向かっているの?」とマリガンが聞いてきた。
「ガーランドっていう人の団に。」と答えた。
「あー、それなら、あと北に3km進めば、辿り着くよ。」とマリガンは言った。
意外と早く到着できそうだ。
「でも、その途中に【誘惑のオアシス(デザートテンプテーション)】があるから気をつけた方がいい。」と怖い顔でマリガンが言った。
「そのオアシスについて、教えてください。」と俺は聞いた。
「いいよ。教えて上げよう。私が言わないと、君が溺死するかもしれない。君が今、欲しいものや願望などが見えてしまうのだ。それは幻であって、手で掴み取れない。手を掴みそうになった時
もう、既に遅い。溺死している。毎年、死者は絶えない。まぁ、君も気をつけたまえ。」と話してくれた。
「ありがとうございます。そのオアシスを切り抜けるには?」と突破する方法を聞いた。
「私は体験した事がないので、わからないのだ。私が、残り教えられるとすればルートだけだ。」とマリガンは申し訳無さそうに言った。
その話を聞いた後、出発することにした。
「それじゃあな。幸運を祈る。」と言いマリガンは手をグーにして、上に挙げた。
「ありがとうございました。」と手を振った。
テントをたたむ時にマリガンさんから、食料と水を貰った。これで、もう1日は行けそうだ。
力が戻り、俺は歩き始めた。
マリガンさんのルート通りに行くことにした。
ルート通りに行く事、約三十分。
もう少しで、着きそうだ。
何か、見えてきた。人がいるぞ。
走ることにした。しかし、なかなか近づいてはこない。もしかして、例のオアシスへ行っているのではないかと思い、戻ろうとした。
戻ろうとしても、体が上手く動かない。
意識が無くなってきているのか。
ここで、終わってしまうのか……。
もう、限界が近づいている…。
団長…ジャック…団の……み…ん…。
な……。すま…な…い……。
「ココデ、オワルノカ?オワッテシマッテモ、イイノカ。」
すると、突然、謎の声が聞こえた。
俺は、目を開け、上に上にと、泳いだ。
限界を感じてはいたが、光が差す方へ泳ぎ続けた。
そして、水の上から上がって来れた。
「ハァ、ハァ、しんどかった。」と言い、息を切らしながら、呼吸を整え取り戻した。
このオアシスの正体は…分からない…。
そして、俺を救った、謎の声についても分からない。
夜を迎えていたのでとりあえずの所、ここから立ち去り、真っ直ぐ行ってテントを立て、すぐに寝た。
3日目の朝。
そして、遂に来れた。さらに団が見えた。
ジダン砂漠、攻略。
いよいよ、今日から稽古が始まる。
よし、気合い入れて頑張るか。
厳しいのか、それとも楽な稽古なのか、煉哉はまだ知らなかったのであった。
ガーランドの稽古はいかに、どのような内容なのか…(笑)。
次回、「ガーランド様のお稽古レッスン」
お楽しみに。
このタイトルで決まり。よし、誰も気が付かないだろ。アッハッハッハッハッ。
by団長