ミニ四駆やろうぜ
タケルが模型店に入っていく姿をレイジは偶然にも目撃。「やぁ」と、声を掛けてみる。
「おうレイジ。今からミニ四駆買おうと思ってな」
「ミニ四駆? それは随分と懐かしい物を……。なんでまた?」
「ほら、俺らはもう働かなくても金手に入れて悠々と生きていけるじゃんか。逆に言えば暇な時間が出来るって凝った。だったらその時間を趣味に費やしてみようかって話だよ」
「なるほど。なぜミニ四駆を? 趣味なら他にいくらでもあるじゃないか?」
「バーカ。ガキの時に遊びきれなかった分まで遊びたいヤツだからに決まってんだろーが。大人の財力でデッカイコース作って、マシンを伸び伸びと走らせるんだ」
レイジは爽やかに高笑いする。
「アッハッハ! それはいい。確かに子供の時ミニ四駆を走らせるコースに困ったからね。広々としたコースに走らせられなかったという心残りは僕にも覚えがある」
「だろ? だからお前もやろうぜ。ミニ四駆を買って、おもしれーコース作って目いっぱい遊ぶんだ」
「もちろんさ。では僕もミニ四駆を買うとしよう」
「おっしゃ! 模型店に早速突入だ!」
こうして、タケル&レイジはミニ四駆遊びすべく、再熱し、滾らせるのだった。