真昼間から遊ぶゼ んで、ちょっと真面目に考えるゼ
タケルとレイジはうどん屋で昼飯を取っていた。
「いやぁ~。のんびり飯食えるってイイなぁ」
「仕事していた時は昼休憩中に呼び出されることもあるからね……」
「なぁレイジ。思うんだけどさ。ぶっちゃけ、皆が皆同じ時間帯に長時間働くって良くないよなぁ」
「客がいてこその商売だからね。国民全員が働いて客に回る人間が少ないのは問題だろうさ」
「だろ? つーかさ、働かない人間ってワルモン扱いされるけど、働かない人間だって必要だよなぁ。お前が言う通り、客がいなきゃ商売は成立しねぇ。その客っつーのは最低でも一時的に働いていない人間のことだもんな」
「ごく潰しもいないよりはマシ。消費活動をするだけ経済を回していると言えるのさ。逆に、お金があるくせに使う時間も気力もない状態ってのも十分罪深いと言える……」
「だよな。んで、金のある人間が客に回ることが難しいからモノが売れねぇワケよ。猛からねーから、会社っつーのは人件費削って一人一人の労働時間を増やすワケだぁ。滑稽だよなぁ。自分の会社の商品を買って使う暇のない奴らが、自分らの商品が売れない理由はなんだろう? と、苦悶しているんだぜ? バカじゃねーの」
「あと、人件費削減の為に採用人数を絞るから、働けず収入を得られない人間が増える。そんな人らに大きな消費活動は期待出来ない。企業側が消費者になれる人間を作らないようにしているんだよねぇ」
「ま、俺ら個人にはもう関係ねー話だけどな」
「でも、放っておくのも拙い気はするかな?」
「おいおい、政治家でも操って国を変えるってか?」
「誰も幸せになれない世界なら、変えるべき……じゃないかな?」
「悪い話じゃねぇ。ただ、素人が政治なんかに手を付けてワヤクソにならないかって危惧もあるけどな。ま、ビビッてちゃあ何も始まらねぇから、行動起こすべきだとは思うけどよ」
「具体的なプランは……。お金をバラ撒くことだろうか?」
「あぁ。確かにそれが一番手っ取り早い。国民が全体に豊かになれば、無理に待遇悪い会社で働く必要もなくなるし、渋っていた消費活動も活発化はするだろーよ。ただ、国民全員が働く気力が失せる程の大金を与えるワケにはいかねぇぞ」
レイジは首肯し、話を続ける。
「うん。勿論さ。だから、配布する金額は慎重に決めなくてはならない。生活最低限可能なレベルの金額。しかし、少し贅沢するにはアルバイトぐらいはした方がイイという、絶妙なラインが望ましいかな……?」
「う~ん。難しいよな……」
つづく?