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イセカイックPOWER!  作者: オラとりあむ
3/10

くらえ! イセカイックパワー

 見違えるほどの精悍な姿となったタケル&レイジは再び元の世界へ足を踏み入れた。

「さぁて、こっちの世界はあれから何年経ったんだぁ?」

「ふふっ。イセカイックパワーで探ればいいだけさ」

 レイジは額に指をあて、念じる。

「はぁぁああっ!」

 すると、呼吸をするように現代の情報があれよあれよとレイジの脳内に入っていく。

「なるほど。あれから1年経過したようだ」

「向こうじゃ約数年。それぞれの世界では時の流れが違うってことか。取りあえず家に戻るか……っつっても、アパートからとっくに追い出されているだろうけどなぁ」

「僕のアパートは少なくともそうだったよ。さっきの探知で分かったから」

「やっぱりか。俺のトコもそーなってんだろうな」

「ひとまず、それぞれの住処を確保しないとだね。一旦、別れよう」

「おう。一段落着いたらメシ食いに行こうぜ」

「あぁ」

 双方、小さくしゃがんで斜め上へ顔を向ける。そしてジャンプ。軽々とビル16階ほどまでの高さへと飛び、そのまま高度を下げる事無く、飛行を開始した。

 そう、彼らは自力で空を飛ぶ力を手に入れたのだ。

「ひゃっほぅ! 舞空術って便利だなぁホント。もう、渋滞にもみくちゃにされることも、満員電車に乗る必要もないと思うと感慨深いぜ」

 気分揚々。はしゃぎながら、タケルは空中を飛び進んでいった。

 しばらくして、ストッと着地。彼が到着したのは彼が以前働いていた大企業のビルの屋上であった。

「まず、永続的な収入だよなぁ」

 タケルは下のビル内に続くドアを紙を破るぐらいの要領でいとも簡単に破壊する。そのまま何食わぬ顔で社内へと入っていった。

 久々のオフィス内を我が物顔で闊歩するタケル。周囲を見回すと目の下にくまを作っている社員たちの姿が。

「うわぁ。相変らず毎日何十時間も働いているんだろうなぁ。俺が辞めてから社員何人死んだんだろ? ま、社員が過労死なんてに非常茶飯事だけどよ……」

 読者諸君は思うだろう。何故、タケルのことを社員の誰も気に留めないのかを。仕事が忙しいから? あながち嘘ではない。が、そういう次元の話ではない。

「今の俺はいわば、透明人間モードみたいなモンだ。社内の何処へ行こうとも咎められりゃあしないってヤツだぁ」

 そう呟いてほくそ笑みながら、タケルはドアを開ける。社員でも早々入れることのない社長室に堂々と入った。

 小太りの中年男性=社長は小難しい顔をして書類と睨めっこしている真っ只中だった。

「う~む。どれも売れるかどうか分からないから数打つしかない……。やはり、今以上に多くの商品を出すべきか? しかし、人件費は割けない。社員に負担をかけるしかあるまい……」

「おっ。社長まだ生きていたのか。いや、生き残れているから激務を他の社員にやらせているんだろうけど……。まぁいいや。俺には関係ねぇ。操らせて貰うぜ」

 タケルは掌を翳す。貯めの構えを取った。そして、エネルギー弾を掌の上に形成していく。

「ハァアアアアアッ! イセカイックビーム!」

 エネルギー弾を社長へと放つ。しかし、社長は死ぬどころか黒焦げにもならなかった。

 だが、放心状態となって……。

「昨年行方不明となった山形タケルは幽霊社員として働き続けていることになっている。だから、彼に給料を振り込まなくてはならない。経理の方へ伝えなくては」

 すると、社長からビームが飛び出し、そのビームが壁をすり抜け拡散。他の社員へと降り注ぐ。

「おーし。これで俺はここで働かなくてもここから金を貰える。収入はこれでよし。次は住居だ。不動産を操ってパパッと手に入れるか」

 再びタケルは空を飛び、会社を後にした、

 飛行移動中、タケルは学校を見つける。その屋上には1人の女子生徒がいた。

「なんだぁ? 自殺かぁこれ。どーすっかな。死にたがっている奴をわざわざ止めることもねぇよなぁ。とはいえ、偶然でもこーいう現場を直接見るのは気分ワリーな。取りあえず、事情を聴き出してみるか」

 軌道修正。その少女がいる学校の屋上へと向かった。

「ほい、イセカイックビーム! 洗いざらい自白して貰うぜ」

 イセカイックビームを喰らった少女は口を開いて……。




つづきますーるよーん














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