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出会い

 冒険者。討伐、採取、探索など、様々な依頼をこなし、ダンジョンの探索、攻略なんかも生業とする職業だ。


そんな屈強な曲者ばかりが集まる酒場が、冒険者組合、通称「ギルド」だ。ギルドでは、依頼の受注、達成ができる他、簡単な食事や、酒なども楽しむことができる。そのため、いつの時間帯でも活気が溢れ、にぎやかである。


 俺はそんな冒険者の一人、ゼノ。ゼノ=グラウディアだ。

自慢じゃあないが、冒険者ランクは一番上の「S」ランクだ。

ギルドマスターのおっさんによると、まだ12人しかSランクはいないらしい。

 あ、ランクってのは、上から、Sランク A,Bときて。Fまである。冒険者になりたてはFランクからだ。ランクをあげるには、迷宮攻略で手柄をあげるか、そのランクのクエストを一定数以上クリアするとあがる。ちなみにSランクにはクエストは存在しない。いわゆる名誉勲章みたいなもんだと思ってくれ。

 さて、今日も今日とてクエスト受けるか。


受付カウンターに行こうとすると、一人の女性が声をかけてくる。

「あ、いいところに!ゼノ~!」

「お、セレス。久しぶりだな」

こいつはセレス。昔からの知り合いで、髪形は黒髪ショートカットだ。グラマラスな体型をしているが、本人は気にも止めずに活発に動き回るし、暑がりでいつも薄着なので、目のやりばに困る困る。


こんなやつだが、腕は確かで冒険者ランクはA。Aランクの奴は大概二つ名をもっているが、こいつは「黒豹」っていうらしい。持ち前の運動神経で戦場を自在に駆け回る姿から名付けられたみたいだ。


「どうしたんだ?」

「あのさ、この依頼なんだけど……」

セレスが見せたその依頼書は、Aランクの探索依頼だった。

「ゲッ、魔の森の探索ぅ!?」

魔の森。何度か足を踏み入れたことはあるが、それでもまだまだ未開の地だ。

「セレスお前、それやる気なのか?」

「その……」

「?」

「えっと」

「どうした?」


「もう受けちゃったんだけど……」

「まじか…」

それで、俺に声をかけてきたと。

セレスが上目遣いでこちらを見てくる。正直ちょっとかわい…じゃないじゃない。

確かにAランクとはいえ、あの森を女一人で探索するのは危険だ。

うーん。

「ちょっと面倒くさいが、付き合ってやるよ」

「ほんと!?ありがとぉ~!」


こうして、俺たちは魔の森に出向くことになったのだった。


ーーーーーー


「しっかしゼノ、魔の森相手に「ちょっと面倒」だなんて、さすがはSランクだねぇ」

「そんなもんか?」


森に入ると、すぐに魔物に囲まれる。森全体が魔物の巣窟みたいなもんだし、しかたないか。

「レッドオークの群れか。」

「5体みたいね」


魔物にも、冒険者と同じようにランクがある。

大体一体の魔物につき、同じランクの冒険者二人で対処する。


レッドオークはBランクの魔物だ。

Bランクの魔物だと、新米冒険者にとって充分に脅威となりえる。

あくまで新米冒険者にとって、だが。


とか考えていると、いつの間にかセレスが魔法の詠唱準備をしていた。

魔法ってのは、誰しもが生まれた時から一種類のみ使えるものだ。

属性は炎、水、風、土など、実に多種多様だ。

セレスの属性は風。身に纏えば疾風の如き速さを得るし、風の刃で相手を切り裂くこともできる、なにかと使い勝手のいい魔法だ。

もちろん、そこまでの実力になるには相応の努力と才能が必要なわけたが。

そういう意味では、セレスはかなりの実力者だと言えるだろう。


「風刃」


セレスがそう唱えると、風の刃が次々とオークの首を落としていく。

瞬く間に五体のレッドオークを倒すと、セレスは満足そうに頷く。


「こないだ習得したばかりなんだけどね、だいぶ使いこなせてるでしょ?」

魔法は、習得してから完全に制御できるようになるために、かなりの時間の努力が必要になる。そこは、セレスの才能あってのことか。


「そうだな。さすがだよ」

「えへへ」

セレスが目を細めて笑う。猫の様だ、と思った。


「この調子で頑張って進むか。」


数十分に一度のペースで、魔物に襲われる。さすがは魔の森といったところか。しかしこちとら熟練の冒険者だ。まだまだ遅れはとらない。


「そういえば、この探索クエストの目的ってなんなんだ?」

「え、言ってなかったっけ?」

「おう。」

「最近ボブゴブリンの群れが人里まで降りてきてるみたいで。」

「魔物は生息圏を離れないんじゃないのか?」

「基本的にはね。でも…なにかに生息圏が脅かされてるとしたら?」


「まさか…」

「そう。その「なにか」の正体を突き止めるための探索。」


これは面倒くさい。ボブゴブリンは単体ではDクラスの魔物だが、奴等は大規模な群れを作る習性があったはずだ。

Dクラスの群れともなるとその脅威はAクラスの魔物と同等か、規模によってはそれ以上だ。

それを脅かすなにかともなれば…


「Sランクの魔物か、もしくは……」


セレスが小声で呟く。

「竜種級か…」


竜種。魔王に次ぐ脅威であり、大規模な討伐隊が編成されても返り討ちにあうレベルの魔物だ。ランク的にはSランクの魔物以上といったところか。そんなものの探索にたったの二人とか…


一瞬の沈黙。しかし、セレスは気楽そうに

「まぁ、なんとかなるよ」

と続けた。


しばらくすると、日が暮れてきた。

もともと薄暗い森だが、さらに暗さが増す。夜の闇は、魔物を活発にする。

「闇に包まれる前に、なんとか休めるところを確保したいな。」

「そうだね。」


休めそうなところを求めてしばらく歩くと、遠くに明かりが見える。

近くへ行ってみると、石造りの小屋の中から、光が漏れでているようだ。しかし、不用意に中には入らない。


「危ないよな…」

「危ないね…」

そう、普通の森ではなく、ここは魔の森なのだ。

危険な魔物やがうようよいる森に、小屋が平然と建っているのだ。

普通に考えて危ないよね。うん。


「イチオウ入ってみるか」

「そうだね」


警戒しつつ、入口に近寄る。

セレスがクロウを手に装備する。

俺は腰の剣に手をかける。


木材のドアに手をかけ、一気に開けると、そこには……


「ふぇ?」

驚きに目を丸くする、少女がいた。












はじめまして、うさおです。


家はまだ炬燵をしまってません。まだ夜は冷えますからね。

ということで、炬燵や布団でぬくぬくしながら、読んでください。

感想等、よろしくおねがいします。

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