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お昼ぶりでございます(平伏)

まだ起承転結の“承”部分だったりするのですが、キリが良さげだったので投稿です(;>_<;)

…時間潰しに使うことすら厭きられてないか不安になる今日この頃ですorz


チキンの豆乳メンタルから、チキンの豆腐メンタルに進化したい…!←

「―――エニス」

「…ハイ」


一度双眸を閉じたクウェンさんが、扉に背を向けたまま廊下まで通る声である人物の名を口にした。

呼ばれた名の人物は、会話の最中にリリィが視線を向けていた相手ー廊下に居た侍女ーでもあった。


扉の横に控えていた彼女は、呼び掛けに応じて静かな足取りで入室し此方へと一礼した後、ピンと背筋を伸ばした姿勢で次の指示を待っていた。


肩の長さで切り揃えた白緑色の前髪を七三の対比で分け、後ろ髪は軽く広がる感じに纏めて結い上げており、その髪は白いキャップの中へと納めている。

顔立ちはリリィとは異なるタイプで、二重瞼のやや垂れ目がちの緑白色の瞳を持つ、下唇の左下の黒子が印象的な、女性用の上級使用人の衣服を纏った二十代前半の女性であり。彼女ーエニスさんーは、リリィ専属の侍女(レディーズメイド)なのだ。


「速やかに、リーリア様の床の準備を」

「畏まりました」


クウェンさんの指示を受け一礼した後、彼女は入室した時と同じように静かな足取りで部屋を退室していった。

その動きは、優雅ながらも先を急ぐ事を思わせる物を感じ、一礼した後の彼女も同じように心配の色彩を瞳に宿していた事を見逃さなかった。



――この屋敷に古くから居る者は、全員余すことなくリリィの存在を大切にしている。

ソレは、“館の主人の娘”と言う分類だけでなく、根本的な部分でリリィの事を好きだと言うのが判る人しか居ないのだ。


その事は僕にとっては嬉しいことでもあり、悩ましいことでもあった。

――――主に、リリィへの愛情表現の制限とか、行動制限とか、接触制限とか、制限とか、制限とかっ!

言葉にはしないけど、目がすっっごく訴えてくるのだ。

上級使用人だけでなく、下級使用人(ロワー・サーヴァント)の皆からも…。


……。うん。誰も味方が居ない。でも、結婚するまでだから頑張る。





「時に、タリス様」

「はい」

「旦那様は、医師をどうすると仰ってましたか?」

「…え?」


部屋の準備が整うまで待機してる間、軽く考え事をしていた為にクウェンさんの呼び掛けで思考を目の前に戻したけれど、思わぬ質問のされ方に少し驚く反応をしてしまった。


その言い方では、既に見当がついてそうですが…?

と、内心思いながらも今は緊急事態であるため素直に、答えることにした。


「確か、“捕まえてくる”と、言ってましたが…」

「そうですか…。有難うございます」

「いえ、構いません」


謝辞の言葉に併せて一礼された事に又もや少し驚いて、片手だけ自由にすると労うように軽く手を横に振る。


顔を上げたクウェンさんは、先程の心配を表していた物が消えており、逆に少し困ったように小さく微笑んでいた。


「申し訳ありませんが、医師の持て成しの準備をしないとなりませんので、一度失礼させて頂きます」

「判りました。宜しくお願いします」

「ハイ。…お嬢様を、お願い致します」

「――ハイ。自分の出来る全てを尽くして…」


当主の次に権限を持つ彼からのお許しも貰えたことに、自ずと緊張めいた物を抱き、少しでも伝わるようにと首肯し誠意を見せた返事をする。


再度一礼したクウェンさんは、鋭い雰囲気をカバーするように穏やかな表情をしていた。

ソレは、何事もなければ普段見せてくれる彼の何時もの表情だった。





クウェンさんが退室して数分が経った頃、入れ替わるようにエニスさんが入ってきた。


「準備が出来ましたので、お連れ致します」

「判りました。それと、大変申し訳ないのですが、僕がリーリア様を部屋まで運ぶお許しを頂けますか?」


エニスさんの後ろに居る従僕(フットマン)の姿を確認し、にっこりと微笑みながら前もって要求を伝えておく。

――誰が、自分以外の男(あ。公爵とクウェンさんは別です)に彼女を託せる物か…!


エニスさんは、少し眉を顰めてから小さな溜め息を一つ溢した。

…この人も、それなりにイイ性格をしている。


リリィには、時には姉のように年上の友人のように、親身に大切に慈しむようにと、まるで慈愛の女神のように振る舞うのに対し、リリィに関わる異性や敵とみなした同性にはかなり容赦無い。

一見すれば、癒し系の美人だから、尚タチが悪い。


まあ、似た者同士である自負はあるので、始めは同族嫌悪的な物があったけれど今は改善されている。

――――されてる…よね?


チラリと従僕の方に目を向ければ、軽く顔を赤くしている。

…あ。コレ(・・)は、ダメな方だ。


念のためにと、一度エニスさんに視線を向け、目線だけで後ろを見るように促す。

意図を捉えたのか、不服そうな様子をまざまざと此方へと向けてから、通常装備している穏やかな表情を貼り付けて軽く後ろへと顔を向けている。


…改善されたと思ったけど、未だに宿敵(ライバル)扱いですか?!


…何となく、ヒロインの影が薄くなりつつ…(あれー?汗)


そして、シリアスと乾燥が続くのが嫌なので緩衝剤をいれてみましたが…緩衝されて…ます?(滝汗)


今回も新キャラが出ましたが、次も新キャラ出る予定です。

…文字数的に収まれば…(遠い目)

そうすれば、パパさんも再登場するのですっ(拳ぐっ)

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