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8/21

…潤いが足りない…っ!(バシバシ)

と、思いながらの本編です。またもや遅くなってしまい申し訳ありません(;>_<;)


突然起こる腹痛や腰痛に、スマホでポチポチ打っている日々ですorz


所々伏線?ッポイものがありますが、後で追々説明があります。

―――忘れなければ…(ぇ)

「……今のところ、命に別状はない。…今のところは、な…」

「え…?」

「だが、リアにつけさせていた、リアの命に影響を齎す何かがあった時、自動で応急救命処置を施すと同時に私を現場に強制転移させる為に作ったブレスレットが壊れた時点で、そうとしか言えん」

「―――――」


二つの事実を知り、何も言葉にする事が出来なかった。

まさか、リリィが王族専用とも噂されて実物も見た者は数少ない希少な御守り(アミュレット)をつけていたと言う驚きと、そのお陰で今すぐには影響がないものの、この後どうなるか予知できないと言う現実に、言葉を発する余裕が皆無となった。


「――タリア・フォックスグローブ」

「…ハイっ」


不意に緊張を孕んだ声色で告げられる名に、自ずと要らぬ力を体に込めて返事をする。


「医師を捕まえてくるまで、リアを頼む」

「へ…?」


けれど、思わぬ発言に思わず間の抜けた声しか出来ず、捕まえる…ですか?と、思わず聞き返そうになった時には、彼はソファーにリリィを寝かせ、その場で何処かへと転移してしまった。


「………」


詠唱もなく瞬時に消えてしまった姿を呆然と見る事数分…いや、数十秒くらいだろうか。言われた事を頭の中で反芻すると同時に、理解した事が二つあった。


一つは、リリィに触れても大丈夫だと言う事。

もう一つは、公爵が―娘命な父親から―戻るまでの対応を一任された事。


――今の自分にとって、これほど嬉しいことがあるだろうか…?

緊急とは言え、一任する相手は自分以外にも居るにも関わらずに、だ。


頭の片隅に、試されている…?と言う疑問が浮かぶが、ソレならソレで少しでも正解と思える行動を取るまでだと、自分なりに僅かでも彼女が回復に向かうであろう案を瞬時に選んだ。





リーン、と。テーブル隅に置かれている使用人を呼ぶための鈴を鳴らす。

一見、シンプルの作りのハンドベルだが、鳴らし手の者が望む相手へと鈴の音が届く仕様になっている、数種の魔術(・・)と風魔法が付与された物で。市場ではそれなりに価値の高い物だったりする。


彼の相手が此処に来るまでにどれだけの時間を要するのか不安だったが、近場に居たのか…はたまた扉の前に待機していたのか。

自分が望んだ相手は、数分もせずに数度のノックと共に入室の許可を求めてきた。


「御呼びでしょうか?」

「…はい。どうぞ、入ってきてください」


思いのほか早い到着に、安堵する反面もしかしなくても監視をされて―リリィとのやり取りを聞かれて―いた?かと、彼女にした振る舞いに失点が無いか自分なりに考えたけれども、うん。許容範囲だ。と、自己評価をすぐさま出して、すぐ傍まで来た一人の人物に視線を向けた。


一見四十代前半に見える、細部まで洗練された動きを見せる上級使用人(アッパー・サーヴァント)の制服を纏った男性。

深めの赤銅色の髪に初老を示す白髪が粋筋か見えるものの、逆にアクセントだと言うように後ろへと流すように計算されたセットに、若干目許が鋭い雰囲気を見せる一重瞼の青銅色の瞳を持つ彼は、この屋敷の家令(ランド・スチュワード)を担う存在であり、当主並みに多忙の方だ。

到着時に出迎えてくれたのは、執事(バトラー)の方だったために、彼に会うのは実に久しかった。



「お久し振りです。クウェンさん。挨拶もロクに出来ぬまま大変申し訳ないのですが、彼女を…リーリア様を自室で休ませたく、手配をお願いしたいのです」

「…お久し振りでございます。――その為に、私めを御呼びになったのでしょうか…?」


チラリと声色に潜む、何故他の使用人ではなくわざわざ自分を選んだ…?と、皮肉を含む難色を示す物を聞き逃すことなく、意図はあるのだと簡潔ながらも事を進めるために話を続ける。


「はい。御多忙の事、重々承知です。…今回は、当主である公爵に彼女の事を一任された事もあり、その旨を全使用人の長(ランド・スチュワード)である貴方に速やかに伝えたい事と、これから公爵が医師を連れてくる事、それまでの間、彼女に付き添う認知して欲しい事、これ等を迅速に行いたく、貴方を呼ばせて頂きました」



今回だけは少しの時間も惜しいのだと、説明する間にもリリィを何時でも運べるようにと手を伸ばし、平常時よりもややヒヤリとした体温を纏う姿に下唇を強く噛み締めそうになりながらも、声と言葉だけは平静を装い相手の出方を見る。


部屋の扉からは死角になっていた事もあり、クウェンさんは傍に来てから初めて認識した今の彼女の姿に、挨拶を交わす前、動揺の反応を僅かに見せた。


直ぐに冷静な対応をして見せる彼だったが、僕へ向けられる視線の色彩に責めを含ませていても、時折向けるリリィへの視線は心配の一言でしか表せない物だった。

――家令である彼もまた、使用人としての立場はあれど彼女を娘のように…いや、下手すると孫娘のように見守る愛情を持っている。


そして、一部始終を知らない彼からしたら、僕が彼女に気絶するような事をしたと疑われてるかもしれないと、その容疑の弁解を含めるために、一任された事や、このまま彼に全て任せてしまうと、リリィとの時間がこれで終わってしまうかもしれないと言う危惧に襲われ、前もって付き添いの同意を半ば強制的にもぎ取る事にした。


例え、言葉を交わせなくとも、自分の前ではよく変わる表情を見ることが出来なかったとしても、彼女がこうなった理由を我先にと知りたいのだ。

もし、ソレで帰りが遅くなり学業に支障が来たそうとも、たった一度の失点ならばその倍以上の物でカバーしてしまえば帳消しになると、自分の中の決意に揺るぎがないことを確認しながら、家令(クウェン)の言葉を待った。



潤いが足りないので、次には補充したいです…。


そして、パパよりも家令さんの方が出番多かったと、今気づきました(爆)


1週間遅れた分、明日までにもう一話行けないか、頑張ります(*`・ω・)ゞ

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