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閲覧有難うございます(><*

少しでも時間潰しに使ってて頂けたら幸いです…!


やっと起が終わりました…。

長かったような、長くなかったような…(Ⅱ以降気が付けば修正入れ続けていた鶏です)←修正と言うより、主人公の暴走を減らしたり増やしたり…(遠い目)


次のお話からは、リリィちゃんの父が登場!――の、予定です(ぇ)

「…誰に、言われたの…?」

「あ…」


聡い彼女の事だから、気付いたのだろう。

微かに瞠目した後にやや視線を横に逃がす様に、自分の立場が不利になった事を。


コレは、僕だから見せてくれる反応だと知っているから、少しだけ澱みが浄化していくのを感じたが…早々に彼女が墓穴―と言うと、リリィが悪いように聞こえるけれど、断じて!リリィが悪いんじゃない!そんな断じて許容する事もない事実無根な発言をした相手が悪いんだ!―を掘ってくれたから気付けたけれど……。

もう少し遅かったら、暴走していた自分が容易く想像出来て怖かった。


断固!婚前交渉はしない!

リリィの純潔を貰い受けるのは、花嫁衣装を見て名実共に夫婦と認められてからと決めてるんだから!


胸中で叫んだ思いの丈に、例え振る舞いは崩れようとも彼女に対する想いや決意に揺らぎが無いことを再確認し、一度双眸を閉じゆっくりと深呼吸を一つする。

その僅かの間に自分を鼓舞するためも兼ねてか、無意識に彼女の片手を両手で包むように握っていた事はこの際気にしない。

今の自分には再び視界に映る彼女と、目線を合わせて言葉を選んで声に乗せるのが精一杯だったから。





「もう一度、訊かせて欲しい。…僕は、リリィに必要?…それとも…要らない?」


冷静にと意識して、女性に求める問いではないかもしれないと承知した上で問いかける。

自分にとってもっとも重要な、何よりも先に確認したい優先事項だから。


「…っ……」


ジッと逸らすことなくリリィの瞳に視線を向ける。

視界に映るリリィの姿は、不安や戸惑い、答えが見つからない迷子のような雰囲気を纏っている。

……その姿を、僕の言動でしていたとするならば、外野からは色々と指摘はされそうだけれども喜ぶところだろう。

けれど“僕”ではなく、“誰か”に何か要らぬことを吹き込まれた事により、その姿を見れるとなれば話は別だ。


答えを得られるまでの間、その誰かに対して行う報復を何通りかだけでは到底足りないほど考えていた最中、隣に居たからこそ聞き逃す事無く返された言葉に、報復と言う思考は一先ず脳裏の片隅に飛んでいっていた。


「……ひ、つ…要…です…」


思考に意識を向けていたため気付かなかったが、何時の間にか顔を俯かせていたリリィ。

どんな表情をして答えたのか、視ずとも視界に残る彼女の形の良い耳が赤く染まっている事で容易に判った。


嗚呼…。この一言だけで、自分の心がどれだけ温かく明るくなるのか彼女は理解しているだろうか。


百歩…いや、千歩以上何とか譲って婚約云々は一度別に置いておくとして。ソレよりも、リリィ自身から僕が求められている事が、自分にとっては第一に重要な事だ。

ソレさえ判れば、自分の中にある不安は活力や勇気に変わる。感情の澱みによって、執着にと変貌しそうだった愛情は変わらず温かく心を軽くする。

例え、目の前で暗礁に乗り上げられようとしていたとしても、必ず打破してみせられる程に!


――――そう、例えどんな“暗礁”だったとしても…ね。




ふと、子爵子息としてなら本来経験する事もなかっただろう様々な事を、若干走馬灯めいた面持ちで思い出しながら、これで彼女が抱いていた誤解らしき物も解消できた筈だと頭が回り始めれば、今度はどんな難関だ?!と内心意気込みつつ、次は事の始まりについて訊く事にした。


勿論、握っていた手は両手から片手に変え、彼女の指の間に指を絡ませる、恋人繋ぎに変えてから。


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