表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/87

ストーカーにぬいぐるみを取ってあげて!

「……」

 授業中彼女の視線に気づいてないフリをしながら、俺は放課後何をしようか考えていた。

 何か面白いことないかなと携帯電話でネットを調べていると、今日は高校近くのゲームセンターがどんなゲームも半額でプレイできるとのこと。

 そいつは素晴らしい、今日の放課後はゲームセンターで彼女とデートだな。

 放課後になったので学校を出て、少し遅れてついてくる彼女と共にゲームセンターへ向かう。



「うげ……」

 店内に入り、ため息をつく。

 全部半額だなんて美味しいイベント、皆が飛びつかないはずがない。

 まるでフリースクープのように、店内は乞食であふれかえっていた。

「……」

 人ごみと騒音が苦手なのか、ちらっと彼女の様子を確認すると居心地が悪そうだ。

 ゲームセンターは不良の行くところだって風潮あるしなあ、選択間違えちゃったよ。

 引き返そうかなと考えていると、

「……」

 彼女の視線が俺ではなく、いつのまにかUFOキャッチャーに向けられていることに気づく。

 ふむ、あの大きな熊のぬいぐるみが欲しいのかな。

 彼女はコインを投入してぬいぐるみを取ろうとしますが、アームの力が弱くて持ち上げることすらできません。

 それでも諦めずにコインを投入する彼女。

 くう、不憫じゃないか。

 ここはお兄さんが彼女にぬいぐるみをプレゼントしてあげよう。

 しかしストーカーとストーカー被害者という関係上、俺が彼女のところまで行って、『取ってあげるよ』とは言いづらいですし、何より俺はUFOキャッチャーが得意でもなんでもない。

 取ってあげるよなんてかっこいいこと言って、全然取れなかったら生き恥です。

 彼女にも失望されてしまいます。

 なのでこっそりと彼女のアシストをしましょう。



「……」

 半額とはいえ、既に1000円は使って自棄になりながらぬいぐるみを狙う彼女。

 最早俺の事なんて気にもとめていません、ちょっとUFOキャッチャーに嫉妬しちゃいますね。

 俺は彼女の向かい側……UFOキャッチャーの裏に隠れます。

 そして彼女がぬいぐるみをアームでつかむもすぐに落ちてしまう、その瞬間。

「ふんぬっ!」

 俺は思いきりUFOキャッチャーを揺らします。

「……! ……♪」

 衝撃でぬいぐるみは台からころんと落ちて、景品取り出し口へと一直線。



「おい君、何をやってるんだ!」

 おっと、バイトに見つかってしまった。俺は一目散にゲームセンターから逃げ出す。



「……♪ ……♪」

 ぬいぐるみを抱えて嬉しそうな彼女の視線に気づいてないフリをしながら、俺のやったことは正しいことだと自分に言い訳をしていた。

台パン ダメ、ゼッタイ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ