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ストーカーのパンツを取らないで!

 とある休日、俺は天気もいいので洗濯物を干そうと窓を開けてベランダへ。

 そこに下着やらシャツやら洗濯したものを干しながら、ふと隣を見て赤面してしまう。



 何故ならそこには彼女の下着が干してあったからです。

 そりゃそうだ、隣には彼女が住んでいる。

 彼女だって洗濯くらいするし洗濯物だって干す。

 しかしまあ、冷静に考えたら外に下着を干すって不用心すぎるよなあ。



 ピューッ

 ほーら、今みたいに突然強風が吹いて、パンツが一枚俺の手元に飛んで……き……て……

 と、盗っちゃったよ。彼女のパンツ。下着泥棒だよ、これ。

 いや、わざとじゃない、わざとじゃないし。

 手を伸ばせばちゃんと元あった場所に戻せるし。

 女の子のパンツという魅惑のアイテムにどぎまぎしながらも、元あった場所に戻そうとして、



 ガラッ

「……」

 隣の部屋の窓が開いたので、思わずパンツを手にしたまましゃがむ。

 おそらく彼女が乾いた洗濯物を取り込むために窓を開けたのだろう。

 ベランダは柵で区切られているので、このままなら彼女に見られることはない。



「……! ……♪」

 彼女が俺の洗濯物に興味を示して鼻息を荒くし、それを取ろうとこちらに身を乗り出さない限りは!

 まずい、これはまずいぞ。


 ・彼女が俺をストーキングしており隣の部屋に越してきているという事実を俺は知らないという設定を貫き通さないといけない


 ・俺が彼女のパンツを持っているという事実を彼女に知られるわけにはいかない



 以上の理由より、ここで俺と彼女がご対面してしまうのはまずいのだ。

 洗濯物を干すときに窓を閉めてしまったので、部屋の中へ入ろうとすれば音が発生してしまいバレてしまう。

 既に上を見上げれば、柵に彼女の手。

 もうすぐ彼女は身を乗り出してきて、俺を見てしまう。

 何か、何かいい案は無いか……!?



「ごるぁ! お前そんなところで何をやっとんじゃ!」

「……!」

 苦し紛れに俺は思いきり裏声でおっさんっぽく怒鳴って見せる。

 通行人に下着泥棒の現場を見られてしまったと思い込んだ彼女はすぐに部屋の中へ引っ込んだようだ。



 しばらくして俺は立ち上がり、危機が去ったか確認する。

 耳を澄ませば、

「……♪ ……♪」

 隣の部屋からシャワーの音。どうやら彼女はお風呂中のようだ。

 これはこれであらぬ妄想をかきたててしまうが、彼女のパンツを元に戻すならいまのうちだろう。

 俺は彼女の部屋のベランダに身を取り出して、パンツを元の場所に戻そうとし、



「ごるぁ! お前そんなところで何をやっとんじゃ!」

 通行人のおっさんに見られてしまうのでした。

 おっさんに弁解しながら、洗濯物を外に干すのはやめようと誓うのでした。


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