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ストーカーのエロ本読まないで!

 タイトル:『広島の同人誌即売会』

 本文:明日は商業センターで同人誌即売会が開催されるので、そこに行こうと思います


 明日は同人誌即売会の日だ。

 いつものように俺はブログを更新したのだが……



 コメント:そんなとこ、行かない方がいいですよ!


 ここにきて、彼女が否定的なコメントを載せたのだ。

 一体何故? と原因を探り、根本的な問題にぶちあたる。



 女子高生はオタクが嫌い、当たり前じゃないか。

 失敗した、なんて俺は女心がわかってないんだ。

 彼女だって女子高生の端くれ、そりゃあオタクだって毛嫌いするよね。

 うん、それは仕方のない事なんだ。俺から見てもオタクはキモイもん。

 しまったなあ、彼女に俺がキモオタだと思われちゃったかな。



 そんな不安を抱えながらも翌日を迎える。

 部屋を出るが、彼女はついてこない。

 彼女と一緒じゃないなんて全然楽しくないけれど、結局同人誌即売会の会場までやってきてしまった。

 昔友人に誘われて来た時にカオスさに惹かれ、そいつとの交流が無くなっても、こうして毎年来ちゃうんだよなあ。

 自分も馬鹿にしてきたオタク達と同族なのだと認めるべきなのかもしれない。

 それにしても、昔に比べると男女比が変わったなあ。

 オタクは男というイメージをぶち壊すかのように、会場には女性が多い。

 こういう界隈もどんどん女性に浸食されていくということか。

「……」

 ははは、あそこで本売ってる子なんて、彼女にそっくりだ。



 いや、どう見ても彼女だよ。サングラスとマスクと帽子くらいで俺の目は誤魔化せないよ。

 え、つまり彼女売る側として参加してたの? いつのまにか同人誌描いてたの?

 そっかそっか、そりゃあ恥ずかしくて俺に来て欲しくないなんて思うわな。

 でも来てしまったものは仕方がないし、見つけてしまったものは仕方がない。

「すいませーん、読ませてもらってもいいですか?」

「!? ……」

 爽やかスマイルで彼女の元へ歩み寄り、彼女の描いた本を手に取る。

 もう彼女は完全にパニック状態だ。

 さてさて、どんな本を描いたのだろうか?

 彼女のことだから、ほのぼのとした、心が癒される本なんだろうなあ。



 ふむふむ、タイトルは『ストーカーを食べないで!』か。表紙の絵からしてうまいね。

 中身は……1ページ目で俺によく似た男が、彼女によく似た女にストーキングされてるね。

 5ページ目で、女が男の部屋に侵入するもばれちゃうね。

 女が気が動転して気絶しちゃうね。

 そして女が目を覚ますと手足が拘束されていて……

 それから、それから……



 ってエロ本じゃねえか!

 しかもモデルは俺と彼女かよ!?

 つうか何だよこの展開!? 彼女はこんな展開を望んでたのか!? 流石に難易度が高いぞ!?

 あああ知りたくなかった、彼女のこんな一面知りたくなかったよお。

 崩れて行く、俺の中の彼女のイメージが崩れていくよお。

 彼女の忠告通り、来るんじゃなかった……



 まあ、それはそれとして。

「4冊ください」

「!?」

 1冊500円のようなので、今じゃすっかり見かけない2千円札を手渡して本を4冊受け取る。

 4冊の内訳は、保存用、観賞用、布教用、そして……



「あぁっ! はぁ……はぁ……ふぅ」

 使用用。同人誌即売会も終わり、深夜に隣の部屋から彼女の寝息が聞こえてくるのを集中して聞き取った俺は、彼女の作品を評価するために使用しているというわけだ。

 本日4度目となる発電に成功した俺は、ぐったりとベッドに横たわる。

 折角の彼女の作品なんだ、限界まで使うのが、彼女のためってもんだろう?


唐突にこういう話を読まされる方の身にもなって欲しい

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