溺愛夫から逃げたら息子たちが助けてくれました。我が家は今日も平和です。
「あの、アル様。これいつまで続きますか…」
「んー、エリーを堪能するまでかな」
それはつまり終わらないんですね?
「一瞬だけ離してもらえませんか」
「一瞬ってどれくらい?」
「た、体勢を変えたくて…!」
「ああ、それはごめんね」
夫の腕が少し緩くなった隙に、一気に離れてそのままベッドを抜け出した。
「あっ、エリー」
その声を背に、急いで寝室を出た。
食堂まで走って行って、そこにいた次男のルイスに抱きついた。
「お願い、庇って!」
「いやだよ!父さんに睨まれるの、俺じゃん!」
「だって…!」
「エリー、逃げ出すなんてひどいじゃないか」
「アル様が離してくれないから…!」
ルイスにぎゅーっと抱きつくと、盛大にため息を吐かれた。
「も〜うイチャイチャするなら部屋でしてよ…」
「今やっと抜け出せたのに!?」
「年頃の息子の前で遠慮してよって話〜!」
「お父様に言ってちょうだいっ」
「ですってよ、父さん」
「妻を愛でて何が悪いのかな?」
「だってよ、母さん」
「…むむむ」
ルイスを挟んでじとーっと見ても、夫はニコニコしているだけ。
「まーた、母様を困らせているんですか?」
「ヘンリー…!」
「父様、程々にしないとまた家出されますよ?」
「…うっ、それは」
「あの時だって大変だったじゃないですか。泣き落としても、今度は帰ってきてくれないと思いますよ?」
「エリー…」
「だって、アル様が四六時中ベッドに居させるから…!」
「成人近い息子がいるのに、仲良いのはいいことですけどね?」
「俺はもうお腹いっぱいだよ…。ほら、母さん離して。俺、学園に行く時間だから」
「…ルイス、大好きよ」
「はいはい、俺も大好きだよ。はい、兄さん交代っ」
軽やかに長男のヘンリーに手渡された。
「父さん。また母さんが家出しても、俺は母さんにつくからね」
「うっ」
「じゃあ、行ってきまーす」
「行ってらっしゃい!」
「さ、父様は登城の日ですよね?さっさと支度してください」
「まだ時間はある…!」
「母様は僕と一緒に朝食にしましょう」
「ヘンリー、大好き!」
「僕も、母様が好きですよ」
「お前たちばっかりズルくないか!?私は今日まだ一度も言ってもらってないのに!」
「あー、残念でしたね。母様は僕たち息子が大好きなんで、父様の出番はありませんよ?」
「唯一独り占めできる時間だったのに、くそっ…!」
「ははは、いい気味ですね」
「ヘンリー、私のこと嫌いだろ…?」
「父様のことも好きですよ」
「うーん、今日も平和ねぇ」
了
お読みくださりありがとうございました…!! 平和でなにより。
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