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溺愛夫から逃げたら息子たちが助けてくれました。我が家は今日も平和です。

作者: 有梨束
掲載日:2026/03/07

「あの、アル様。これいつまで続きますか…」

「んー、エリーを堪能するまでかな」

それはつまり終わらないんですね?


「一瞬だけ離してもらえませんか」

「一瞬ってどれくらい?」

「た、体勢を変えたくて…!」

「ああ、それはごめんね」

夫の腕が少し緩くなった隙に、一気に離れてそのままベッドを抜け出した。


「あっ、エリー」

その声を背に、急いで寝室を出た。


食堂まで走って行って、そこにいた次男のルイスに抱きついた。

「お願い、庇って!」

「いやだよ!父さんに睨まれるの、俺じゃん!」

「だって…!」

「エリー、逃げ出すなんてひどいじゃないか」

「アル様が離してくれないから…!」

ルイスにぎゅーっと抱きつくと、盛大にため息を吐かれた。


「も〜うイチャイチャするなら部屋でしてよ…」

「今やっと抜け出せたのに!?」

「年頃の息子の前で遠慮してよって話〜!」

「お父様に言ってちょうだいっ」

「ですってよ、父さん」

「妻を愛でて何が悪いのかな?」

「だってよ、母さん」

「…むむむ」

ルイスを挟んでじとーっと見ても、夫はニコニコしているだけ。


「まーた、母様を困らせているんですか?」

「ヘンリー…!」

「父様、程々にしないとまた家出されますよ?」

「…うっ、それは」

「あの時だって大変だったじゃないですか。泣き落としても、今度は帰ってきてくれないと思いますよ?」

「エリー…」

「だって、アル様が四六時中ベッドに居させるから…!」

「成人近い息子がいるのに、仲良いのはいいことですけどね?」

「俺はもうお腹いっぱいだよ…。ほら、母さん離して。俺、学園に行く時間だから」

「…ルイス、大好きよ」

「はいはい、俺も大好きだよ。はい、兄さん交代っ」

軽やかに長男のヘンリーに手渡された。


「父さん。また母さんが家出しても、俺は母さんにつくからね」

「うっ」

「じゃあ、行ってきまーす」

「行ってらっしゃい!」

「さ、父様は登城の日ですよね?さっさと支度してください」

「まだ時間はある…!」

「母様は僕と一緒に朝食にしましょう」

「ヘンリー、大好き!」

「僕も、母様が好きですよ」

「お前たちばっかりズルくないか!?私は今日まだ一度も言ってもらってないのに!」

「あー、残念でしたね。母様は僕たち息子が大好きなんで、父様の出番はありませんよ?」

「唯一独り占めできる時間だったのに、くそっ…!」

「ははは、いい気味ですね」

「ヘンリー、私のこと嫌いだろ…?」

「父様のことも好きですよ」


「うーん、今日も平和ねぇ」




お読みくださりありがとうございました…!! 平和でなにより。

毎日投稿66日目。

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