雨宿りしてたら異世界転生者拾った
「まだやまないかな…」
買い出しに出かけた少女は、途中で雨に振られ軒先で雨宿りしながら、空を見上げ途方に暮れていた。
「クゥ…」
小さな鳴き声が、裏の方から聞こえ子猫かなと思い、少女はそちらをのぞき込んでみる。
「ねこちゃん…、ゲッ!」
手招きしようとしたら、そこには木箱の中で悲しい表情を死ながら泣きべそをかいた異世界転生者だった。
木箱には、
”可愛そうな異世界転生者です。
どなたか拾ってやってください”
と描かれていた。
少女は、寄りにもよって一番まずいものを見たかのような耀様に嫌な顔を死ながら、そっとその場を立ち去ろうとした。
だが、それを異世界転生者に見つかってしまい、物欲しげな顔をしながら少女を見つめる。
「あ…、あのね、う、うちでは異世界転生者は飼えないの。わかる?」
「クゥ…」
「うち狭いし、お母さんうるさいし、お店商売やっているし、面倒見られないし…」
「クゥ…」
「今、異世界転生者で溢れちゃって、暴れたり、街を壊したり、物盗んだり、勝手に討伐に出か語り、お金儲けしたり、オマケに言葉が通じないしで、国中が混乱しちゃって、異世界転生者の管理が厳しくなったのよ」
「クゥ…」
「分かってくれるかな…ご、ごめんね」
「クゥ…」
「そ、そんな目で見ないで、じょ…情がうつっちゃうから…ダメ…ダメだから…」
「クゥ…」
「…大人しくしてくれる?」
「クゥ…」
「勝手に…討伐とかしない?」
「クゥ…」
「俺つえぇしない?」
「クゥ…」
「チート使わない?」
「クゥ…」
「…あ、雨あがった…」
先ほどまでの雨が、いつの間にか上がっており雲の切れ目から晴れ間がのぞいている。
「絶対、言う事を聞いてよ」
そういいながら、少女は異世界転生者の頭をやさしくなでると、先ほどまでのみすぼらしく情けない声しか挙げていたのウソのように、シャキッ!とし箱から立ち上がり、少女に笑みを見せる。
「…何か、だまされた感じかな…」
そんな事を呟きながら、少女は異世界転生者の手を取り、家路に向かうのであった。




