9.
アルトが布団で横になりながらポツリと呟く。
「何言ってんだよ!絶対に勝つに決まっているだろ!」
アルトの横で寝そべっているカルマがそう声を発する。
「ちくしょー!俺がもうちょっと大きければみんなと一緒に戦えたのに~!」
カルマが布団の上で悔しがるように枕に何度もパンチする。
そこへ、アルトたちがいる部屋にガンと例の少年たちが入ってくる。
「みんな……、よく聞いてくれ……」
ガンが静かに、でも力強い口調でそう口を開く。
「どうしたの?父さん」
アルトがどこか嫌な予感がしながら不安そうにガンに声を掛ける。
「この戦は恐らく負けるだろう……。そして、生き残った者は残虐されるか、奴隷として使われるかのどちらかだと思われる……。だが、君たちのこれからの未来を考えると、君らをそんな状況にされたくない……」
ガンの綴る言葉にその場にいる子供たちがシーンと静まる。恐怖感に襲われている子供、身体をがたがたと震わせている子供……。
『この戦に我々の勝利はない』
ガンのその言葉はその事を物語っている。
ガンが静かな口調で更に言葉を綴る。
「話し合った結果、女と子供はこの地から離れて貰う事になった。護衛は彼らがしてくれる」
ガンがそう言って彼らの肩を順番に叩く。
「父さん……父さんは……?」
アルトがガンに近寄り、悲痛な声でそう言葉を綴る。
「大丈夫だ。後で追い付くさ」
ガンがアルトの頭をポンポンと優しく叩き、微笑みながらそう言葉を綴る。
そして、アルトたちは旅立つための準備をして、護衛の少年たちと共に深夜の内にその地を離れていった。
***
「……この戦は我々の勝利で間違いないだろう……」
グルドフが黒い笑みを浮かべながら、飲んでいるウイスキーを一気に飲み干して、そう言葉を綴る。
「そうですね」
その傍で控えているファンがその言葉に同意する。そして、グルドフが持っているグラスが空になったので、新しいウイスキーをグラスに注いでいく。
「明日にはケリを付けよう……。そして、男どもは全員殺し、女や子供は奴隷となって貰おうじゃないか……」
注がれたウイスキーをまた一気に飲み干して、グルドフが愉快そうにそう言葉を綴る。
「明日が楽しみだな……。ククッ……ハッハッハッ!」
グルドフが愉快そうに黒い笑みを称えながら楽しそうに笑う。
「……ラグアンチの奴ら……一網打尽にしてやる……」
グルドフが注がれたウイスキーを何度も口に流し込み、不気味な笑みでそう言葉を綴る。
その様子をファンはじっと見つめていた……。
***
「……父さん、必ず生きて帰ってくるよね?」




