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光を求める鳥 〜戦争の悲劇〜  作者: 華ノ月


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4.


 ガンがアルトたちの所に戻って、傷を負った仲間に水を与えながらそう声を掛ける。女たちは傷を負った男たちを手当てするために、建物の一室はバタバタと慌ただしかった。


「あなたも手当てしますよ」


 シルクがそう言ってガンの傷の手当てをする。


「大変!こんなに血が!」


 ガンの身体の一部が深く切れている場所を見て、シルクが慌ててその傷を止血するためにガーゼを強く当てる。


「な~に!俺は鋼の肉体の持ち主だ!これぐらいは平気さ!」


 ガンが笑顔をシルクに向けながらそう声を発する。


「全くもう……。鋼の肉体とはいえ、不死身ではないんですからあまり無茶をしないでくださいね」


 シルクが少し呆れかえりながら、ガンにそう言葉を綴る。


 その時だった。


「……この戦は報復戦争なのかな……」


 手当てを受けている仲間の一人がポツリとそう言葉を発する。


「あいつらが言っていたじゃないか……。この戦争はクルタ軍を負かした俺たちに対する報復だって……」


 手当てを受けている男がそう言葉を綴る。


 クルタ国は、前の戦争でラグアンチ国がまだ民族だった時に責めてきた国の事だ。ガンたちはその戦争に勝ち、正式にラグアンチ国と名付けることが出来た。しかし、クルタ国に負けた場合は全員が奴隷としてクルタ国の為に命を投げうつことと言われて、ガンたちは負ける訳にいかないと感じ、その戦争で皆を守るために必死で戦った。


「じゃ……じゃあ、クルタ軍に負けていたらこの戦争は起きなかった……ということなのか?」


 手当てを受けている別の男がその話を聞いて、そう言葉を綴る。


「いや……、忘れたのか?クルタ軍に我々が負けていたら我々は全員奴隷となっていた……。俺たちだけでなく、我々の国の女も……子供も……」


 ガンが静かな口調でそう言葉を綴る。


 確かに、今回戦っている時に敵は『報いを受けろ!』『これは罰だ!』というような言葉を放ちながらガンたちに槍や銃を向けた。その結果、その言葉に動揺してしまった仲間たちは、上手く太刀打ちすることが出来なくて殺されてしまっている。


「……クルタ国との戦争も、皆を守るための戦争だった。そして、今回も皆を守るため……国を守るための戦いだ……」


 ガンが静かにそう言葉を綴る。


「この嵐が過ぎ去ったら奴らはまた攻めてくるだろう……。とにかくこの嵐の間はゆっくり休んで、戦えるような体制を作ろう」


 ガンの言葉にその場にいる男たちが頷く。



 この戦争もみんなを守るため……。


 先の戦争も同じ……。


 でも、なぜ敵はあんな言葉を発していたのだろうか……?



 ガンが心の中でそう考える。あの言葉には何か意味があるのではないかと考えるが、答えは出ずに、ガンはため息を吐くと戦の疲れを取るためにその場で横になった。




***


「……荒れていますね」





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