18.
戦闘の準備が整いドルクに報告するために、ラグエルが部屋にやって来る。
「よし……」
ドルクがそう言って、吸っていた葉巻を灰皿に押し付けてゆっくりと席を立つ。そして、部屋を出て兵士たちが待機している場所に向かう。
そして、兵士たちの前でドルクが高々と声を上げる。
「この戦争は聖地を犯したラグアンチ国に罰を与えるための戦争だ!聖地を犯した奴らに裁きを加える!いいかっ!これは、聖なる領域を犯した奴らに裁きを加えるための報復戦争だ!」
ドルクの綴る言葉に兵士たちが同意を示す声を上げる。あらかじめ、兵士たちにはラグエルから「あの地は神が降り立つ聖地だったからこそ、我々もその地を狙わなかった」という話をして、兵士たちにはあの地を聖地だという認識を植え付けさせてあった。そして、ラグアンチ国はその聖地を犯した罪人だと言い、遠慮は全く必要ないと説明した。
そのでたらめな言葉に兵士たちは誰もが信じて、「だからあの地は手を付けなかったんだ」という風に納得し、ラグアンチ国の人たちが神が降り立つその神聖な場所を犯したことに憤りと怒りを感じていた。
そして、バンドール国の兵士たちはドルクと共に、ラグアンチ国に向けて出発した。
***
「……ふぅ……」
剣で素振りの練習をしていたアルトが剣を収め、息を吐く。
まだ十五歳のアルトにとって、本物の剣は重く、手にずっしりと掛かっていた。その剣を使って日々訓練に明け暮れているが、なかなか思うようにその剣を扱うことが出来ない。
(やっぱり、筋肉ももっと付けなきゃ駄目だな……)
その場にしゃがみ込み、アルトが心の中でそう呟く。
(俺も戦えるようになってみんなを守るんだ……)
アルトが座った状態で剣に手を触れて、心の中でそう誓う。
「よし……もう一度……」
アルトがそう言って立ち上がり、再度剣で素振りの練習をする。
その時だった。
――――ドカーーーーン………………!!!
地面が大きく揺れるほどの砲撃音が鳴り響く。
「……敵襲だー!!!」
一人の男が高台の上から鐘を鳴らして、大きな声でそう叫んだ。




