17.
そこへ、ファンが口を開く。
「何だ?」
グルドフがファンに顔を向けながらそう声を出す。
「私ごときが口を挟んで申し訳ないのですが、その場所は元々『聖地』だった……というのはどうでしょうか?」
「「聖地?」」
ファンの言葉にグルドフとドルクの声が重なる。
「はい。その場所は『聖地』だったから、誰もその地を犯すことをしなかった……。しかし、彼らはその聖地に土足で入り、その地を開拓した……つまり、その聖地を荒らした不届き者という理由で攻め込むことが出来るのではないかと……」
ファンが静かな口調でそう言葉を綴る。
「成程……。それは良い案かも知れないな……」
ファンの言葉にドルクが感心したようにそう言葉を綴る。
「つまり、その聖地を荒らしたからという理由で戦争を仕掛け、戦の時はその罰だという事で自虐史観を植え付けて、戦を不利にさせる……という事だな?」
「はい。それなら可能かと思われます……」
グルドフの綴る言葉にファンがそう返事をする。
「うむ……。確かにその方法は使えるかもしれないな」
ドルクが「いけるかもしれない」と感じ、その方法でいくことを考える。
そして、ドルクとラグエルはアンシェル国を後にして、自分たちの国に戻っていった。
***
「……ハッ!……ヤァッ!」
アルトとカルマが今日もガンの指導の下、訓練に励んでいる。レインはその様子を見ながら二人に声援を送っていた。
「……よしっ!その調子だ!」
ガンが二人にそう声を掛ける。
そして、一旦休憩を挟むことになり、アルトたちは輪になるようにその場に座り、パンを頬張る。
「……今度の戦では俺たちも戦えるかな?!」
カルマがパンを齧りながら、そう言葉を綴る。
「そうだな、アルトもカルマも次の戦には出れるかもしれないな。だが、戦に出て相手と戦うだけが戦争じゃない。守るべき人たちを守るのも必要だ」
「分かった!」
「おうっ!」
ガンの言葉にアルトとカルマがそれぞれ返事をする。
「レインも俺が守ってやるからな!」
「ふふっ……。ありがとう、カルマ」
カルマの言葉にレインが微笑みながらそう言葉を綴る。
その時だった。
「……お兄ちゃ~ん!」
ミントがバケットを手に持ちながらアルトたちの所に駆けてくる。
「はい!これ!」
ミントがそう言ってバケットをアルトに渡す。
その中を見て見ると、肉が挟んであるパンが入っていた。
「お母さんが、筋肉を作るにはお肉が必要だからって言って、持ってくように言われたんだよ!」
ミントがニコニコと笑いながら、そう言葉を綴る。
「ありがとう、ミント」
そして、アルトとカルマは肉が挟んであるパンを頬張り、また訓練を再開していった。
***
「……ドルク大佐、準備が整いました」




