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光を求める鳥 〜戦争の悲劇〜  作者: 華ノ月


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13.


 アルトの言葉にカルマがそう声を発する。


 次の瞬間、カルマはしゃがみ込むような体制を取り、ケリでアルトの足を蹴る。


「うわっ!!!」


 予想していなかったカルマの動きにアルトが声を上げてその場に倒れる。その隙を狙ってカルマはアルトの手から木刀を奪い、倒れたアルトに向って木刀を振り上げる。



 ――――ザクッ…………!!!



 木刀の先が、アルトの顔の横を擦れ擦れに地面に突き刺さる。


「……俺の勝ちだ」


 カルマがアルトを上から見ながらそう声を発する。


 一瞬何が起こったか分からなくて、アルトはすぐに口を開くことが出来ない。


 傍で見ていたレインも何が起こったか分からなくて呆気に取られている。


「……参ったな、初めて負けたよ」


 ようやく状況を理解したアルトがそう声を発する。


 そして、カルマが差し出した手を取り、起き上がる。


「へへっ!作戦成功だぜ!」


 カルマがアルトと並ぶように座ってブイサインをアルトに向けながら、ニカッと笑う。


「まさか、ああ来るとは思わなかったな」


 アルトが先程の決闘でカルマの作戦に感心したように言葉を綴る。


「だってさ、剣の勝負だけとは最初から言っていなかっただろ?だから、ああいうのも有りなんじゃないかって思ったんだよな!」


 カルマが初めてアルトに勝ったことが嬉しいのか、笑顔でそう言葉を綴る。


 アルトがその言葉を聞いて納得する。


 確かに最初から木刀のみで勝負とは誰も言っていなかった。そして、実際の戦では相手が剣を持っているからと言って、剣だけで戦うとは限らない。それを、カルマは本人はそんな気はないかもしれないが、アルトはそう考えることが出来た。



 今は平和だが、いつまたこの平和が壊されるか分からない……。


 そして、次の戦では自分もガンと共に戦いたい……。



 アルトが心の中でそう呟く。そして、その時の為に毎日鍛錬を積んでいる。


(このまま穏やかな日々がずっと続くといいな……)


 アルトが心でポツリとそう呟いた。




***


「……嘘だろ……。ここがこんな風になるなんて……」


 アルトたちが開拓した土地を、二人組の男が見つからないように息を潜めながら、じっと眺めている。


「とりあえず、この事をラグエルさんに報告しようぜ……」


 そう言って、二人組の男はそっとその場を去って行く。


 彼らは何者なのか……?


 アルトたちにまた黒い影が忍び寄る……。


 ゆっくりと……。


 静かに音を立てて……。





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― 新着の感想 ―
最新話まで拝読いたしました。 1ページが短めなこともあり、読みやすくサクサクと読み進めることが出来ました。 内容も分かりやすく、複雑な国同士の戦争物はあまり得意で無い私でもきちんと理解して読めたので有…
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