11.
敵の一人がそう叫びながら槍を振り回していく。
「俺たちは最後まで戦う!この先には行かせない!!」
ガンが攻めてきた兵に大きな声でそう言葉を発する。
お互いの軍がぶつかり合う……。
敵の方が有利だとしても、最後まで諦めない……。
ガンと仲間の男たちは、その想いで必死に戦っていく。
その時だった。
突然空に黒い雲が現れて、強い風が吹き荒れる。
「い……一旦避難だ!」
グルドフが兵たちにそう言って、その場を離れようとする。
その時だった。
――――ピシャッ!!!バリバリバリ!!!
突如現れた雲が、敵の戦機がある近くの木に雷を落とす。それも、一つじゃなく、二つ、三つと、木に雷が宿り、そのまま雷を受けた木は敵の戦機の上に倒れ、雷の影響で受けた雷電がその戦機を再起不能の状態にしてしまう。
「くっ……くそっ!このままでは被害がでかすぎる!退け!退散するぞ!」
グルドフがそう叫んで、雷で被害を受けた戦機をそのままに兵士たちを連れてその場を去って行く。
「……もしかしたら、天が味方をしてくれたかもしれんな……」
雷の被害がガンたちには全く無かったので、ガンが空を見上げながらそう言葉を綴る。
「よし。ここにいたらまた奴らが攻めてくる可能性があるから、この地を捨てて、我々も例の地に向っている仲間たちと合流しよう!」
ガンの言葉に仲間の男たちが頷く。
そして、ガンたちはアルトたちの後を追うために、その場を去って行った。
***
「……くそっ!まさかこんな事になるとはな!」
グルドフが苦々しく吐き捨てるようにそう声を発する。
「宰相殿、とりあえず落ち着くためにもこちらを飲みませんか?」
ファンがそう言って、ウイスキーの入ったグラスをグルドフに手渡す。
グルドフはそれを受け取ると、一気に飲み干して荒い息を吐く。
「あと一歩だったというのに……」
グルドフが顔を歪めながら、そう言葉を綴る。
「ですが、彼らはあの場所から居なくなりましたし、目的はほぼ達成できたと思います」
「まぁ……そうだな……」
ファンの言葉にグルドフが息を吐きながらそう応える。
今回の戦争でグルドフ側が勝ったら、ラグアンチ国の人たちを奴隷としてこの国の為に働かせようとしていたので、その目的を達成することはできなかった。その悔しさがグルドフの中にはあるが、ラグアンチ国の人たちが別の地へ行ったとなると、手を出すことはできない。
今回はもうこれで諦めることにして、グルドフはこれからどこの場所を狙うかをファンと話し始めた。
***
「……ここだ」




