残業からが本番です
残業頑張る18歳。
「あれ、今日も残るんですか?」
「うん。冒険者たちが頑張ってくれるようにね」
そして、
「1人の時間だ」
呟いてみる。
ギルドにいるのは私だけ。
冒険者たちは酒場や宿場で盛り上がっているだろう。深夜だし、元の世界で言うと。
「書類片付けようっと」
残業からが本番、1人奮闘。
「んーっ」
少し疲れたので、背伸びをする。
そして、誰もいないことを一応確認し、引き出しを引く。
「今日は、どれにしよう」
大切な奮発剤。
それは、チョコレート。
この世界では高価な。
しかも、30個。
常識で言うと、庶民ではあり得ない。
袋もプラスチックだし。
「これにしよっと」
『受験頑張ってください』
「そういや受験生だったな、私」
メッセージ入りの袋。
1つ1つに、手書きのメッセージ。
大切だった後輩が受験応援のために書いてくれた。
懐かしく楽しかった日々を思い出す。
普通にスマホで動画を観れて、普通に友達とスマホでやりとりして、普通に後輩とゲーセンで遊んでいた日々。
この異世界とは違いすぎる。
「このチョコレートが全部なくなる前に帰れたらいいけど、早く誰か魔王を倒してくれないかな」
どうせ召喚するならバリバリ勇者できる能力をくれればいいのに、言葉が通じるとかじゃなくて。
魔王を倒したら元の世界に帰れるらしいけど。
「さてさて、残業残業」
後輩のためにも、早く帰らないとね。そして、受験して、大学合格っと。
ありがとうございました。




