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育てよ、児よ。あんたは外から口挟む妹よ。

作者: 小波

昔、姉が育児をし始めた頃、私は独身者だった。だから姉のおでこのナチュラルファンデーションの役目を合わせた日焼け止めがヨレているのをうっかり口に出した。私は『育児中なんだからそれどころじゃない』と母と姉両方からお叱りを受けた。ただ、言っただけじゃない‥綺麗に塗ったほうが綺麗だと思って、『あ、ありがとう』みたいな返しを期待していたと思う。あの日なんだか私だけ暇だったみたい。


今現在、うちの娘に似た様なことを言われたら喧嘩を売られた様な気になってイラついた返事をする日もあるのかも知れなかった。わかってる、わかってるってば、ヨレてるのは知ってる。でもあんたには言われたくない。だって独身者でナチュラルメイクっていう化粧品と時間をいちばん使う手の込んだメイクをのんびり出来るあんたに言われたくない。あんたがお顔をペタペタ撫でてる間にすっぴんヘアバンドで洗濯物も干し切った。ご飯も作った。自分はひとくちしか食べてないけど、子供の口に入れてあげていたのよ。

と想像してみた。


書いてみたけど苦しそうだ。


育児を知らない。べろべろばあと絵本を膝に抱いて読むこと。それだけでにこにこと笑う。そんなことをしたい時にしかしなくていい、私の子じゃないから。そのくらいであっても姉は喜んでくれたりする。今は知ってる。気が軽くなるのだ。


とにかく独身者で呑気な身分のあの日の私は2度と育児に奔走する人におでこのヨレを言ってはならない。

こんなやりとりをお空の父が見ていたら

『おぉ、こわっ。お前もおっかないお母さんになったなぁ』そして

私にはなんというだろう。何か言って笑わせてくれるんだと思うんだよね。

だって彼は育児には手を抜いて余計なことを言って怒られる役だったからさ。



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永野彗でも読めます。

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