表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/51

第29話 告白

「何よこいつら!」

「危なっ、やられるところだったわ!」

「…………」


 フェリシアとアデルは早々に反応するが、俺と降り落ちてきた男たちは驚きで固まって直ぐには反応できなかった。


「驚いたな、こりゃ」

「無能の小日向じゃねえか? どうしたんだこんなところで」


 なんでこいつらがこんな所にいるんだ?

 二人は変わったようにも見えるし、変わっていないようにも見えた。


「どうしたんだとはこっちの台詞だよ。まさかお前らが盗賊か?」

「くっくっく……盗賊なんてチンケなもんじゃねえよ。こんな所でお前に会えるとはな。ちょうどここに来る前に黒崎と噂話しをしてた所だ」

「噂話?」

「ああ、無能のクズがもしかしたら辺境で隠れてるかもしれないから、見つけたらゴミ掃除頼むってな」

「……なんだよゴミ掃除って」


 俺は回答に検討はついていたが尋ねる。


「お前をぶっ殺すってことだよ」

「…………随分変わったな……お前ら」


 黒崎は分かるが、大迫と寄道はこんな好戦的な人間ではなかったはずだ。


「真実の自分に目覚めたんだよ。童貞を捨ててな」


 童貞を捨てるという対象が、女ではないことは詳しく聞かなくてもわかった。


「ユウ、二人と知り合い?」

「どういうことなの?」


 我慢できなくなったようにフェリシアとアデルに聞かれる。

 フェリシアたちは混乱してる。

 それはそうだろう。いきなり襲いかかってきた奴らと俺が知り合いだなんて。

 

 そこで寄道がフェリシアとアデルに視線を這わせて口笛を吹く。

  

「大迫、俺はあの魔術師の女もらっていいか?」

「おう、じゃあ俺は騎士っぽいあの女もらうわ」


 …………しょうがない。

 俺は意を決して打ち明ける。


「実は俺、異世界人なんだ。エスペリア王国に最近召喚された。こいつら同時に召喚された同じ学校のクラスメイトだ」

「えっ!? …………そう、道理で。それならその強さも納得いくわ」

「なによあんた、こいつらとグルで私たちを(たばか)ろうとしてんじゃないわよね?」

「安心しろよ、お姉ちゃん。そいつは嘘は言ってねえぜ」


 フェリシアとアデルは敵意をもった視線を二人に向ける。


「うふふふ、たまんねえなおい。こいつら相当腕が立つぞ」

「ああ、穴という穴に突っ込んで楽しんでやる。喉が枯れるくらいまで悲鳴を上げさせてやるぜ!」


 なんだこいつら、変わるにしても変わり過ぎだろう!

 その時、俺の脳裏に村で虐殺された村民たちの光景が蘇る。

 

「じゃあ、まさか、あの村はお前らが…………」

「ああ、俺たちが蹂躙した」


 吐き気がする事実だった。

 まさかかつてのクラスメイトがあの凶行に及んだとは。

 人ってここまで短期間で変われるのか?

 大迫(おおさこ)寄道(よりみち)は不良というわけではなかった。

 人殺しどころか犯罪行為自体にも手を染めていなかったはずだ。

 それが異世界に来て、1年程度でここまで変わるとは……。


「ユウ、かつてのクラスメイト相手だとやりにくでしょう。ここは私が相手します」

「あんたの実力見てやろうと思ったけど、こいつら相手だと厳しそうね。そこで私の実力をよく見てて」


 大迫と寄道二人は異世界に来てから急激に実力をつけたみたいだが、それでもまだフェリシアとアデルのレベルには及んでない。

 ショックも大きいしここは一旦、二人に甘えて、まずそうな局面になったら加勢するか。

 

「わかった」

「なんだ小日向、女に守ってもらうのかよ」

「言ってやるなよ、大迫。俺たち二人を前にして、無能の小日向は女に守ってもらわなきゃ無理だろ」

「無能? どういうこと……」

「知らないのか? 小日向のスキルは無能だぞ」


 フェリシアとアデルは驚愕の視線を俺に向ける。

 そんなに驚くことなのか?

 まあ、無能って珍しいって言ってたからそうなのか。

 まあ、俺の無能は無能でも意味合いが違うんだけどな。


「心配するな。確かにスキルは無能だけど、俺の実力は知ってるだろ」


 フェリシアは黙って頷くが、アデル依然として怪訝な表情をしていた。


「あははは、心配するな、だって。小日向、異世界に来てスケコマシのレベルは上がったみたいだな」

「お前の目の前でお前の女を凌辱してやるよ」

「「誰がユウの女よ!」」


 フェリシアとアデルは声を合わせて否定する。


「違うのか? まあいい、どっちにしてもその柔そうな白肌を切り刻んで、赤く染めてやるよ」

「火責め、水責め、雷責め、氷責め、どれがいい? それとも全部ぅ!?」


 二人のその言葉を狼煙に戦闘が開始された。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ