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序章 玲子・・・

私が高校生の時、二人の赤いコートの少女を見かけてから、幾年・・それをヒントに構想を練り、雑誌の企画投稿のアニメ誌で赤い蜃気楼・・ホビー誌で月の設定で・・取り上げてもらえましたが、今一歩届かず・・熟考・再考し、自分の中で温め&膨らませて行った物語をようやく発表できます・・よろしくお願いします。

それは太古に飛来した巨大な船

それは妖しい光を投げかける天空の星

それは凄まじい力を持つ不落の要塞


ある時は大きく ある時は細く 日に日に姿を変え それは我々の前に現れる・・・


それは放浪の民の希望の都市

それは生物の存在しない死の世界

それは静寂に包まれた廃墟の城


その正体を知る者は 驚愕と畏怖を持ち こう呼んだ 黄金の魔城と・・・


大宇宙(マクロコスモス)より飛来し38万kmの彼方から

人間達(ミクロコスモス)を見下ろしながら、今日も可変の城は空に昇る・・・




 Prologue 玲子(れいこ)・・・

 海へ来たのは3年ぶりだ、あたしは泳げなかったし砂浜は車輪に絡みつきあたしの動きを封じてしまう・・でもこの高台にあるパーキングは十分過ぎる硬度で、あたしと車椅子を支えてくれていた。

「あのっ」

「んっ?」

 突然の声掛けにあたしは一瞬身体が硬直した、ゆっくり車椅子を回転させたあたしの目に飛び込んできたのは、身長2メートル近い葉巻を銜えたブラウンの髪と顎鬚そしてグレーの目の外国人・・座っているあたしとは倍近い高さから威圧的に語りかけてくる。

 男に気付かれぬようゆっくり車椅子のブレーキレバーを解徐、次いでハンドリムに手をかけ車椅子をバックさせようとしたが・・フェンスにぶつかり1メートルも動けなかった。

「うっ!」髪の毛が揺らぎ顔にかかる。

「月宮殿のお姫様を探しているのですが」

「月・・宮殿・・」目眩がしたのは葉巻の煙のせいではなかった。

「随分小柄なお嬢さんですね、立てたとしても150cmないんじゃありませんか?それにしても少し青みを帯びたあなたの髪は美しい・・raven black hair・・烏の濡羽色・・まさに日本人ですね、でも日本人の眼は黒いと聞いてましたがあなたの眼は美しいブルーだ・・これは5万・・いや6万人に一人・・いやいや、あなたのように澄んだ・・しかも両目となるとそれ以下でしょうね・・」

「何が言いたいんです」

「人を探しているんですよ・・月宮殿のお姫様と・・そして赤い蜃気楼を」

 知ってる?まさか?

「赤い蜃気楼は赤いコートとズボンの二人の少女です、しかも何年たっても歳をとらず、しかもまさに蜃気楼のように消えるのです」

知ってる!どうして

その時!

悠子(ゆうこ)さん」11、2才の人形のような身体つきの少女が走ってくる。

「アンナだめっ」叫んでから思わず口を抑えた・・ばれた?

「そうそうあれ位の年齢です・・一人か・・しかも赤いコートではない・・」

そこへ猛スピードでパーキングへ入って来る車・・

(まもる)っ」

「悠子乗れっ」

「触るぞ」

「あっ自分で座れる」守はあたしをひょいと抱えて座席へ乗せた。

次いでアンナが車椅子をたたんでトランクに乗せ全員車に乗ったところでどしゃ降りの雨。

そのまま発車。

・・まっ・・いいけどね・・


「何かあったのか?」

「んうん」何故か話す気にはならなかった・・

留奈(るな)にまだ身長負けてる?」話題を変えた。

「うるさい1cmだけだ」

「留奈はまだ伸びるよ、守はもう止まったでしょう」

「うるさい、自分はどうなんだ!」

「あたしも伸びるよ・・たぶん」



「悠子さん、どうしたんです?」さすがにアンナは鋭い・・

 用事を済ませ迎えに来てくれた、幼馴染(といっても6歳上)の竜崎(りゅうざき)守の愛車・・マークZ・・その波動ワイパーの描く波を見つめながら、あの外国人の事が頭を離れない・・

「んっ・・何でもない・・」やっぱり話す気になれない。


あの時アンナだけじゃなくアンヌもいたらどうなっていたのだろう・・いや既に全て知っているようにも思われる、別れぎわのあの外国人の言葉・・


「そうそう青い魔女も探してましてね・・彼女は小さな黄金の機械を使い天空から大いなる力を持つ光を呼んだと云います・・知ってます?青い魔女の本名は・・玲子」


玲子・・これは、あの・・


「ブルー・ブラッドと言う言葉をご存知か?」言葉を続ける外国人。

「ブルー・・・ブラッド・・」

「貴族の出・・とか、生まれの良い・・と言う意味ですが・・直訳すると・・」


これ以上思い出したくない!


 帰宅したあたしはテレビから流れる最近完成したアメリカの月面基地「シン」のニュースを聞きながら、料理を作る母の背中を見つめ留奈の事を考えていた。 都筑(つづき)留奈・・あたしの親友・・

初めて会ったのはお互い10歳の時。

赤褐色の髪と鳶色の瞳の長身のスレンダーな少女・・

第一声は

「ねぇあなたハーフなの?」だった・・

まさかハーフの子に「ハーフか?」と聞かれるとは・・

大体分かってたが「どうして?」と尋ねる。

(あお)い眼だから・・」留奈は続けた。

「あたしはお父さんがアメリカ人なの、死んじゃたけど・・だから母さんの生まれたここにやってきたの」

初対面なのにあたしの髪を触り

「あなたの黒髪大好きあたしなんて赤茶けた髪で」

 当時身長126cmのあたしと既に160cmを超えてた留奈とはでこぼこコンビだったがすぐに打ち解けた。

「あたしは・・あたしのお父さんは日本人だよ・・母さんは・・」後の言葉は飲み込んだ、これは誰にも言えない。

 今では親友の留奈にだって話してない・・

 あらためて長い腰まである、みどりの黒髪の母の背中を見つめる・・

母さんは身長160はあるし胸だってある・・

あたしは150もないし胸だって・・

「何?」

包丁を使ってた母が気配を感じたのか、振り向いた。


「ん・・母さんはいつか敵のようなのが来るかもって言ってたよね」

「ええ・・用心に越したことはないって事だけど」

「今日・・会ったかも・・知れない・・」

「えっ?・・あっ」

「どうしたの?」

「切っちゃた・・」

母の指に滲む血を見つめる・・

「どういう事」母が続けた。

「それは・・」あたしが言いかけた時、突然電話が鳴った。

それは母の友人銀河(ぎんが)さんからのTelで・・

「ああ銀河さん、左腕の具合はどうですか?えっ!留奈がいなくなった!」 たまたま出会った銀河さんが尋ねられたらしい。

 すぐに留奈のお母さんからも連絡があったがあたしには何も分からない・・

心配そうな母の指先を見つめながらあたしは先ほどの思いが浮かんだ・・

 あたしのお母さんは・・人間じゃないかも知れない・・・

序章ですのでまだ全容は分からず、なんだって感じですが、次回 赤い蜃気楼 青い魔女 さらに新キャラも登場しますので楽しみにしていただけたら幸いです、ありがとうございました&次回 第1部 白道神話 見てもらえたら嬉しいです。

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