第8話 異常者の朝の準備
普段3日なのに、12日に投稿という遅刻とかいうレベルじゃない件について。
投稿開始から1周年ということで頑張りました。
朝から、代表作の本編、代表作番外編、そして本作。
全部ちょっとずつやってたとは言え、さすがに疲れた。
今から学校行くの怠すぎる。
まぁそんなのはさておき、1周年ありがとうございます。
この作品も少しずつ頑張っていくのでこれからもよろしくお願いします。
「さて、綾崎に話も出来たし俺と玲奈は風呂に入ってくる。風呂からあがり次第、朝食を食べる」
「承知しました」
「あ、あと綾崎に確認したいことがあるの」
「何でしょうか?」
「貴女の命令の優先権を知りたいのだけど」
「命令の優先権ですか、一華様からは零様と玲奈様に仕えるようにとしか言われておりません。しかし私としては玲奈様が一番、その次に零様、その次が一華様だと認識しております」
「そう、ならいいわ」
玲奈としては満足のいく答えだったようだ。
俺としても妥当だろう。
「さて、それじゃあお風呂に行きましょうか」
「そうだなあまり、ゆっくりし過ぎると学校に遅刻する。そしたら面倒なことになる」
「面倒なこと?」
「玲奈、俺達の担任を忘れたのか」
「あ、そういうこと。お母様、絶対からかってくるわね」
「そういうこと」
一華さんは昔からよく、俺と玲奈をからかってくるのだ。
「それじゃあ、さっさと入りましょうか」
玲奈はそう言って俺の腕を引く。
俺も先程綾崎から受け取った2人分の制服だけ手にとって抵抗したりせず、ついて行く。
お風呂場に移動すればしっかりお湯が張られている。
俺達はさっさと服を脱ぐ。
正直昔からお互いの裸を見ているので恥ずかしがるようなことはない。
「どうする、零。お風呂場でスる?」
「しない、一華さんにからかわれたら面倒だって話をしたばかりだろ」
「ふふ、冗談よ」
俺達も高校生。
性欲はあるし、そういうこともしている。
だが、朝っぱらからやらないと気がすまない。
なんて盛りのついた猿ではない。
そもそも今家に綾崎いるし。
「さっさと入るぞ」
そうして俺たちは湯舟に浸かる。
温泉とかでは身体を洗ってから入るが、家ならさっさと温まりたいので先に湯舟に浸かる。
ちなみにだがうちには二つの浴槽がある。
広い浴槽と狭い浴槽だ。
この家の風呂に入るのは俺と玲奈だけだ。
じゃあ何で二つあるのかというと別に一緒に入りたくないから二個あるわけじゃなくむしろ別。
二人で広々入りたいならば広い浴槽に、二人で密着して入りたいなら狭い浴槽に入るのだ。
ちなみに今は狭い浴槽で二人で密着して湯舟に浸かっている。
「はぁ、気持ちい」
「朝風呂ってやっぱりいいわねー。時間があんまりないのが惜しいわ」
「とか言って、玲奈。休日は朝から1時間くらい入り続けるじゃないか」
「あはは、いつも付き合わせてごめんなさい」
俺達はそんな雑談を交わしながら温まり、十分に温まったら。
湯舟から出て、お互いの身体を洗い合う。
お互いの素肌を触りあうのも今更の話。
昔からずっと一緒に風呂に入ってずっとお互いを洗い合ってきたので俺たちは自分以上のお互いの身体についてよく知っている。
まぁ、俺の身体もミコの身体も昨夜のような営みによって多種多様な傷だらけなのだが。
切り傷、あざ、やけどなどなど様々だ。
神宮慈家の最新鋭の医療機器ならば治せるだろうが、
お互いへの愛の証なので残している。
「それじゃあ、出るか」
「そうね」
俺達はお互いの身体をシャワーで流し合い、お風呂場を出た。
そして持ってきていた制服を着て、二人でリビングに移動する。
リビングには朝食がしっかりと準備されていた。
「朝食の御準備と、学校に必要な物の準備は済ませております」
綾崎が俺と玲奈のカバンを持ってそう言った。
「ありがとう。カバンは玄関に置いておいてくれ。朝食はいただく」
「ねぇ、明らかに家になかった食材も使われているのだけれど」
綾崎が準備した朝食は品数も多く、実は偏食な俺と玲奈の好きな物しかない。
だが、それに使われている食材はいくつか家にないものがあった。
「持参しました」
「そうか。代金は」
「一華様より、既に貰っておりますので、お気になさらず。私がお二方に差し上げるものは大抵一華様により代金が支払われておりますので気にする必要はございません。そもそも私は一華様から多額のお給金をいただいていますので、お二方から金銭を頂く必要など皆無です」
「そ、そうか」
「なら、いいわ」
綾崎の早口に俺と玲奈はそれだけしか反応できなかった。
綾崎は俺達の荷物を玄関に置きに行った。
そして俺と玲奈は席について朝食を食べ始める。
「「いただきます」」
二人で手と声を合わせていい、おかずを食べ始めていく。
「「うま」」
俺と玲奈の声が意図せず揃った。
それだけ綾崎の料理は上手かった。
「さすがはメイドね」
「普通にうまい。俺達も人並み以上に料理は作れるがこれにはさすがに負けるな」
俺達はそう感想を零しながら食べ進める。
「綾崎を家に置く判断は正解だったな」
「そうね」
そして俺たちは朝食を食べきった。
普段食べている量よりも多かったが、美味しかったので問題なく食べきれてしまったのだ。
「「ごちそうさまでした」」
俺と玲奈は再び手と声をそろえた。
すると綾崎がものすごい速度で皿を回収してシンクへ持っていって皿洗いを始めた。
「後片付けはしておきますので、朝の御準備を」
「朝の準備?」
「もう終わってるけど」
俺達はお互いを見合わせる。
制服を着ているのにこれ以上何の準備が必要だというのだろう。
「失礼しました。玲奈様がお化粧をするかと思ったのですが、玲奈様は素顔でお美しいので必要ないのですね」
そう言って綾崎は皿を洗い終えると同時にこちらに近づいてきて頭を下げた。
「気にしなくていいわ。確かにうちの学校は化粧とかもOKだし、普通の女子高校生はするのかもね。私は面倒だし、私が一番見て欲しい相手である零には素顔で一緒の時の方が長いからわざわざ化粧をしないの」
「なるほど。ではもう行かれるのですか?」
「あぁ、そのつもりだ」
「ではお見送りさせていただきます」
「ありがたいけど、貴女も学校あるでしょ。大丈夫なの?」
「問題ありません。すぐに着替えて出発いたしますので。学校で何か御用がおありましたら、連絡していただければすぐに向かいます」
「分かったわ」
そうして俺たちは玄関に移動する。
「それじゃあ、行ってくる」「行ってくるわ」
「行ってらっしゃいませ。零様、玲奈様。鍵は私が閉めておきます」
そう言って綾崎は頭を下げた。
「分かった、よろしく」
俺はそれだけ言って玄関を出た。
「優秀なメイドだったわね」
「あぁ、そうだな。多分神宮慈一のメイドだぞ」
「あり得るわね。お母様、まだまだ子離れ出来てないし」
「あの人、人にはメイドとか使用人を使えってよく言うけど自分自身はあまりメイドに世話させないもんな」
「まぁ、そういう人だから」
そんな雑談をしながら、俺たちは学校に登校する。
周りには同じ制服を着た生徒が大勢いるが、その何割かは明らかに俺達から逃げようとする。
逃げるやつは俺たちがこの街で知られている異常者だと知っている連中で、普通にしているやつがそもそも噂を知らない。あるいは、俺たちが異常者だということを知らない、あるいは気づいていない連中だろう。
「ねぇ、零。あれ」
俺がそんなどうでもいいことを考えていると、玲奈が話しかけてある方向を指さす。
それは俺達の右斜め前方。
そこには友人と登校する、綾崎香澄がいた。
「何で俺達よりも前にいるんだ?」
「意味が分からないわね」
俺と玲奈の頭は?で埋め尽くされた。
優秀な俺と玲奈がここまで混乱するというのは自分で言うのもあれだが正直かなり珍しい状況だ。
「あのメイドは一体何者なんだ?」
「あのメイドが仕えている神宮慈ってどんな家なのかしら?」
俺は綾崎香澄が人間か疑い、玲奈は自分の家について分からなくなった。
そんな状態の中、俺たちは学校に着いたのだった。
疲れた。
仮眠とります。
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作者別作品:転生したら平和に暮らそうと思っていたのに最強の能力を手に入れてしまった! ~転生した少年がチート能力で完全無双~
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上記作品番外編
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