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異常者の恋愛は異常です  作者:


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第5話 異常者の放課後デート カフェ編

最近毎月3日に投稿してたのに急に投稿しなくなってごめんなさい。

忙しすぎた。

追記:タイトル変更しました。

焼肉を満足するまで食べた俺達は会計をして、店を出た。


「さて、次はどこ行く?」


「そうねぇ、何か買い物ってあったかしら?」


「食材と日用品はネットで買うからいらないし、普通のデートなら服を買ったりすると聞くが」


「私、服とかそんなに興味ないのよねぇ。体を隠せれば基本一緒だし。家から出ないから基本部屋着でいいし」


そう、俺も玲奈も基本家から出ない。

外に出る時は学校くらいだ。

更に、俺も玲奈も着飾ることに興味がない。

つまり、行くところが全然決まらない。

実はそれも俺達があまりデートしない理由の一つでもあったりする。


「それじゃ、適当に歩くか」


「そうね」


俺達は歩き回って色々な店を見る。

が、俺達の気を引くような店はなかった。

しょうがないので俺たちは適当なカフェに入った。


「空くいてないわね」


「どうせすぐ空くだろうさ」


カフェの席は満席だったが、俺たちが入ってきた瞬間数組が食べ残っているにも関わらず荷物を片付けて席を立った。


「あら、零の言う通りね」


「とりあえず座ろう」


そう言って俺たちは空いた中でも一番近い席に座った。

4人席だ。

それを二人並んで座る。

俺達は基本的に、こういった場で二人席には座らない。

理由は簡単、二人席というのは大抵が対面となってしまうからだ。

対面は対面でお互いの顔がよく見えるから嫌いではないのだが、どうせならくっついていたい。

俺達が座ると、男のスタッフが俺達の席に近づいてきた。


「すみません。その席はまだ前のお客様がいたあとまだ拭いておりませんので拭かせていただきます」


そう言って男は手に持っていた布巾で机を拭いた。


「さて、ご注文はありますでしょうか?」


「アイスコーヒーを1つとチョコケーキを1つ」


「私はチーズケーキを1つ」


「はい、繰り返します。コーヒーがおひとつ、チョコケーキがおひとつ、チーズケーキがおひとつですね。お飲み物が1杯しかないようですが、お冷は必要でしょうか?」


「不要よ。コーヒーは2人で飲むの」


「それは失礼しました。ではすぐにお持ちします」


そう言って店員は席から離れていった。


「にしても人多いな。さっきこの店に入った時そこそこの組が出ていったのにもう満席だ」


「そうね。人気店なのかしら?」


「普通、そういうのって女子の方が詳しいもんなんじゃないのか?」


「私が普通だとでも?」


「それもそうだな」


「そもそも、私達って基本的にずっと一緒にいるんだから知っていることとかも同じでしょ」


「それはそう」


そんな話をして、俺たちは笑い合った。


「お待たせしました。コーヒー、チョコケーキ、チーズケーキです」


すると先ほどと同じ店員が注文した物を持ってきた。

店員がそれらを机の上に並べていく。


「では、ごゆっくりどうぞ」


そう言って店員は去っていった。


「それじゃあいただきましょうか」


「そうだな」


俺は机にあった箱からフォークを取り出して、1つは自分の皿に、もう1つは玲奈の皿に置く。


「ありがと」


「全然、最初コーヒー貰うな」


「了解」


俺はそう言って俺達の中間くらいに置かれていたコーヒーを自分の方に引き寄せる。


「「いただきます」」


俺達はケーキを食べ始める。

俺はチョコケーキを一口食べてからコーヒーを飲む。

そしてコーヒーを玲奈の近くに置く。

玲奈はコーヒーを反対にまわしてからとって飲む。

玲奈が口を付けた場所は俺が口を付けた場所と完全に同じだ。

意図的なものだろう。

俺は特に気にせずチョコケーキを切ってフォークに刺す。


「玲奈」


「ん」


俺は玲奈の口にフォークでチョコケーキを持っていく。

玲奈はそのチョコケーキを食べた。

所謂、あーんという奴だ。


「それじゃ零も」


玲奈も同じようにチーズケーキを一口切って俺に向けてくる。

俺はそれを食べる。

焼肉で食べさせ合いはさすがにしないが、ケーキやお菓子は大抵こうやって最初の一口以外は食べさせ合う。

実を言うと俺はどちらかと言うとチョコケーキよりもチーズケーキが好きだし、玲奈もどちらかと言うとチーズケーキよりチョコケーキのほうが好きだ。

なのに、お互い自分が好きな物ではなく相手が好きな物を頼むのは食べさせ合うのが当たり前だからだ。

俺達は昔からずっと一緒だ。

食事を食べさせ合うのは昔からずっと行ってきたこと。

それが当たり前なのだ。

どうせ自分よりも相手の方が食べるのだから相手の好物を頼むのだ。

相手が好きな物なんて相手よりも詳しく知っているのだから。

そんな感じで俺たちがケーキを食べさせ合って、交代でコーヒーを飲んでいると4人組の客が入ってきた。


「このカフェ、一回来たかったのよねぇ」


「SNSで流行ってたもんねぇ」


「にしても混んでんなぁ」


「席空いてるかな?」


4人とも制服を着ていて共日高校の生徒だと分かる。

俺達も学校帰りに直接来ているので制服だ。

4人は男2女2。

1人目の男は制服を着崩したがらの悪そうな男。

その横にはいかにもギャルと言った風貌の女。

もう片方の男は制服もきっちり着ていて真面目な印象を受ける。

その横にはいかにもクールと言った風貌の女がいた。

見た感じダブルデートでもしているのだろう。


「ありゃ、満席っぽいわね」


「まぁ、今の時間3時だしちょうどカフェが混む時間帯だし、しょうがないよ」


「えぇー。わざわざ混んでる中来たのに」


4人は周りを見て、満席なことを確認したようだ。

4人の内の真面目男とクール女はあきらめたようだ。

しかし、もうギャル女は残念そうだ。

そこでがらの悪そうな男が俺達の方を見てにやりと笑った。


「よし、皆。俺に任せろ」


そう言ってがらの悪そうな男は俺達の席に近づいてくる。


「なぁ、お前ら。俺達に席を譲ってくれないか?」


がらの悪そうな男は俺達にそう言ってきた。


「断る」「お断りするわ」


俺と玲奈はそう言って速攻で断る。

何故俺たちがわざわざ譲ってやらにゃならんのだ。


「そういうなよ。お前たち共日の1年だろ。俺達共日の2年なんだよ。先輩が困ってんだ。助けろ」


がらの悪そうな男はそう言って俺達を睨んでくる。

見た目がいかついだけあってそこそこ迫力がある。

まぁ俺達はあまりそういうのを感じないが。


「何度も言わせるな断る」


俺はがらの悪そうな男にそう言う。

そして残りひとかけらだったチョコケーキをフォークで刺して玲奈の口に運ぶ。

玲奈は当然、それを食べる。

これで今の俺達に残っているのはコーヒーだけとなった。


「あとコーヒーだけだろ。それ飲んでどいてくれ。何ならお前らが食った分。俺が払ってやるからよ」


そう言って先輩は笑いかけてきた。

別に悪い人ではないのだろう。


「別に金には困ってないから断る」


「んだよ。俺は先輩だぞ、敬語くらい使えよ」


そう言って先輩(笑)は俺を睨む。


「あの、ここ。二人席ですけど。どうぞ」


「行こ」


すると俺達の近くの二人席に座っていたカップルが片づけて会計に行った。


「ありがとうございます。お前ら、じゃあ向こうに移ってくれ。混んでんのに四人席に二人で座んなよ」


「断る。俺達にメリットがない」


俺はそれでもバッサリと切る。


「てめぇら」


男がキレた感じで俺に詰めかかろうとしてきた。

次の瞬間。


ドシッ


がらの悪そうな男の頭にクール女のチョップが入った。


「痛ってぇ。なにすんだ。香澄」


男が女に詰めかかろうとする。


「あんたこそ何やってるの。異常者に手を出すなってこの街の常識じゃない」


そう言って男の胸ぐらをつかんだ。


「はぁ、異常者?」


「知らないの?もう、まったく」


「零さん、玲奈さん。私の知人がご迷惑をかけて申し訳ございません」


そう言って香澄とやらは俺達に頭を下げる。

そしてがらの悪そうな男をひぱって店の外に出ていった。

他の二人は既に外に出ていったようだ。


「騒がしい人達だったわね。あぁ、だが随分と面白そうなやつがいたな」


「あのうるさい男?いや女の方だ」


そう言って俺はいつの間にか机に置かれていた紙を指さした。


「なるほど。確かに面白そうね」


玲奈もそう言って不適に笑ったのだった。



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作者別作品:転生したら平和に暮らそうと思っていたのに最強の能力を手に入れてしまった! ~転生した少年がチート能力で完全無双~ 

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