表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異常者の恋愛は異常です  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/17

第15話 理事長室

教室から出た俺と玲奈は適当に校舎内を歩き回っていた。

今は授業中なので、廊下に生徒は誰もいない。

一応ちらほらと教師はいるが、俺達のことを一華さんから聞かされているらしく。

注意どころか、会釈してくる。

そのおかげで俺達は自由に歩き回ることが出来る。


「零様、玲奈様」


突然、話しかけられた。

声の主の方向を向く。

そこには、制服を着た綾崎がいた。

メイド服のイメージが強かったからか、一瞬誰か分からなかった。


「綾崎か」


「貴女、授業は?」


「授業など受けずとも、既に高校生の範囲は履修済みです。それに、私は生徒会の仕事で度々授業を抜けますので教師も気にしません」


綾崎は生徒会に所属していたのか。


「それで、どうしてここに?」


「お二人が授業を抜けたと一華様より連絡を受けましたので」


「そうか」


「母さん、そんなことまで」


実際、綾崎がいてくれれば色々と助かる。

流石にまだこの広い校舎のどこに何があるのかまでは把握していない。


「もし、二人きりになれる場所を探しておられるのでしたら、良き場所がございます」


「案内して頂戴」


そうして俺達は綾崎について行く。

綾崎は理事長室の前で止まった。

そういえば、一華さん。

理事長室を貸すって言ってくれてたな。

綾崎がどこからかカードを取り出して、理事長室を開けた。

また随分とハイテクだな。


「そのカードが鍵なのね」


「はい。理事長室の鍵は六枚しか存在しません。所持しているのは一華様、山上様、私のみです。そして、こちらがお二人の鍵です」


綾崎が新しく二枚カードを取り出し、手渡してくれる。


「ありがとう」


「それで、残り一枚は?」


「スペアとして一華様の家にあると伺っております」


「なるほど」


「この部屋は学園で最も安全性の高い部屋です。防犯面も勿論ですが、この部屋の壁は防火防水で火事も津波も問題ありません。地震の揺れも最小限に抑えられます。さすがに試してはいませんが、理論上は核兵器にすら耐えると言われています」


「母さん、そういうの好きよね」


「一華さんらしいな」


一華さんは、そういうオーバースペックが好きだ。

芸術とかよりも、実用性を重視する一華さんの性格がにじみ出ている。


「にしても、ぱっと見理事長室には見えないわ」


「同感だ」


中にはソファやらベッドやらどうこからどうみても寝室だ。

それに、中にドアがあることからきっとここからしか入れない部屋もいくつかあるんだろう。

やろうと思えばここで生活できそうだ。


「実際、この部屋は一華様やお二人がくつろげるように用意されたようです。ただ、仕事も出来るように重要な資料などもいくつかあるようですが」


「まぁ、この防犯性なら気にする必要はないだろうな」


この部屋には鍵穴がないから、ピッキングは無理だろうし。

一華さんのことだから、予備電力くらいは当たり前にあるだろう。

ハッキングとかの対策もしてるだろうし。


「ちなみに、そこの冷蔵庫の中身は自由に飲み食いしてもよいと伺っております」


綾崎が指さした先には巨大な冷蔵庫があった。

玲奈が開けると、中には俺と玲奈が好きなジュースやらお菓子やら一華さんが好きな酒やらいろいろなものが入っていた。


「別の部屋にしっかりとした食料もございます。一華様はここで一ケ月引きこもれるように常に色々と用意しているとおっしゃっていました」


あの人は何を想定しているのだろうか。


「一応、この扉がお二人の部屋です」


入って左の壁にあるドアを開ける。

そこには、ベッドやらパソコンやら俺達の家の寝室に近いものが用意されていた。


「そちらの扉が洗面所、トイレとお風呂です」


今度は入って右の壁にあるドアを指さす。


「玲奈、俺たちは内見に来てたんだっけ?」


「ここって理事長室よね」


「「うん、気にしたら負け」」


俺達は深く考えないことにした。

実際、ありがたいし。

とりあえず、洗面所で手だけ洗った。

それから俺は冷蔵庫からジュースとアイスを取って、ソファに座った。

玲奈も俺の横に座る。

綾崎が、グラスに氷を入れて出してくれた。

俺はジュースを開けて、二杯注ぐ。


「綾崎も飲むか?」


「……では、いただきます」


綾崎はしばし考えた後、そう返答した。

そうして空のグラスを取り出した。

俺はそのグラスに注ごうとする。

綾崎は何か言いたげな表情をしているが気にしない。

恐らく、主人である俺に注がせていることを気にしているのだろう。


「ありがとうございます」


「それじゃっ」


「「「乾杯」」」


カツン


乾杯して、ジュースを飲む。

ポテトチップスの袋を開けて、皿に広げる。

すると、玲奈がポテチを手に取ってニヤッと笑った。

何かを思いついたらしい。


「零、こっち向いて」


反抗する理由もないので、玲奈の方を向く。

玲奈は口にポテチを咥えていた。

玲奈がしたいことを理解した俺は口を少しだけ開ける。


「んっ」


口の中にポテチが入ってくる。

それは、玲奈が咥えていたものと同じものだ。

ようするに、玲奈は口移しでポテチを食べさせてきたのだ。

ポテチを完全に受け取ると同時に、唇に柔らかい感触が訪れる。

俺はすぐにポテチを軽く咀嚼し、飲み込む。

舌にコンソメの味が広がる。

その瞬間、玲奈の舌が俺の口内に入り込んでくる。

それは瞬く間に俺の口内を蹂躙した。

そこからはただひたすらに互いの唾液を交換していく。


「「ぷはっ」」


互いの息が苦しくなり、ようやく唇を離す。


「零、ここって学校よね」


「一応な」


正直、この部屋は学校という感じが全くしない。


「見た目こそあれだけど、学校でこういう激しいキスするのいいわね。刺激的で、楽しい」


「そりゃなによりだ」


玲奈はかなりご満悦のようだ。


「今度は皆の前で、しちゃう?」


「さっき、一華さんにほどほどにって言われただろ」


「でも、キスまでならいいって言われたわ」


「まぁ、そうだけどさ」


「いいじゃない、きっと気持ちいわよ。背徳的で」


「はぁ、玲奈」


「何?」


「キスに夢中になっている、可愛い玲奈を他の奴等に見せたくないから。やっぱりなし」


「ふふ、それならしょうがないわね」


玲奈は気分よさげに、頷いた。

俺はポテチを一枚とって、玲奈の前に差し出した。


「あーん」


玲奈は俺の人差し指ごとポテチを食べた。

ポテチを飲み込んでも、玲奈は指を話さなかった。

それからしばらく、俺の指が解放されることはなかった。





綾崎視点


私は今ソファの上で固まっている。

その理由は至極単純。

すぐ傍で私の主人である玲奈様と零様がイチャイチャなされているからだ。

私は今朝のことを思い出す。

お二人を無事送り出した私は、自身の用意を簡単に済ませ登校した。

そして、教室で適当に過ごしていれば一華様から玲奈様と零様が教室を出たとの連絡が来た。

私はすぐにお二人を探して、事前に決めていた予定通りお二人を理事長室に連れ、一華様から預かっていた理事長室の鍵をお渡しした。

そこまではよかったのだ。

しかしその後、零様にジュースを注がせてしまうという失態を犯した。

提案された手前、断ることもできず主人に飲み物を入れてもらうというメイドとして恥ずべき行動をしたのだ。

お二人とも、全く気にしておられなかったが。

そして、私が今度こそメイドとしていつでも対応できるようにしておこうと決心しなおしたところで、玲奈様が零様にキスをされた。

それも、普通のものではなくディープな深い奴だった。

お二人の関係については知っていたが、実際にそういう恋人らしいところを見るのは初めてだった。

恋人いあい歴=年齢の私には知らない世界だった。

朝からの行動を振り返ったが、現状を打破する手段は未だ発見出来ていない。

私はしょうがなく、ソファで固まりお二人の様子をうかがうことしか出来なかった。

誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

気に入ってくださいましたら、ブックマーク、レビュー、評価いいね等よろしくお願いします。

作品についての疑問やご質問、ご指摘も受け付けておりますので感想などを貰えると嬉しいです。

感想については全て返答させていただくつもりです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ