第12話 個人勢Vtuber 白凪宵
ちょーお久ぶりです。
数か月ぶりの投稿です。
『あ、あ、あー。マイクテストマイクテスト。皆さん聞こえてますかー?』
07〈聞こえてるー〉
0〈問題なし〉
〈始まったー〉
〈今日は雑談かー〉
〈何話すの?〉
俺と玲奈はすぐにコメントを送る。
0というアカウントが俺のもので、07というアカウントが玲奈のものだ。
分かりやすいが、複雑にする意味もない。
アカウントやらパソコンやらのセキュリティ面は万全だしな。
ちなみに、俺と玲奈のコメントだけ名前が表示されているのはモデレーター権限を貰っているからだ。
他のアカウントの名前は視聴者からは見れなくなっている。
こういったコメント欄の設定は配信者側が行うことが出来るらしい。
今日は雑談配信。
『大丈夫そうだね。白凪宵です。初見の人は初めまして、そうじゃない人はおはよう、0さんと07さんは愛してるー。今日も見に来てくれてありがとー』
白凪宵の配信は基本的に、マイクテストから始まり、先ほどの独特な挨拶を行う。
ちなみに、時間的にはも夜と言っても差し支えない時間だが宵は設定上吸血鬼。
そのため、夜に起きて朝に眠る。
だから夜におはようと言うのだ。
〈初見です〉
〈声可愛い〉
〈なんで、おはようなの?〉
〈宵ちゃんは吸血鬼設定やからやで〉
〈知らんかった〉
〈最後の奴なに?〉
〈名前的にモデレーター?〉
〈配信者が特定のリスナーだけにそんなの言っていいの?〉
コメントは大盛り上がり。
ただ、今日は心なしか初見が多いらしくちょっと荒れ気味だ。
おはようについては、恐らく常連のリスナーが解説してくれたが、俺達への言葉についてはちょっと荒れている。
07〈私も愛してるー〉
〈は?お前なに?〉
〈07さんは今日も元気やなー〉
『ありゃりゃ、今日は初見さんが多いのかな?ならば教えてしんぜよう。0さんと07さんは私の視聴者1号と2号なのだー』
〈知ってた〉
〈それだけで特別扱い?〉
〈その二人、宵ちゃんの全ての配信を見て毎回満額投げ銭してるガチ勢やで〉
〈常連の中だと、その人等のことは敬うべき存在〉
〈宵ちゃんが、配信を続けてくれる理由やからな〉
『0さん達のこと悪く言わないで』
〈ようするに太客逃したくないって話やろ〉
〈結局金か〉
〈あーあ、↑こいつらやったわ〉
〈宵ちゃんは警告はしてたぞ〉
〈このアカウントは永久にBANされました〉
〈このアカウントは永久にBANされました〉
〈このアカウントは永久にBANされました〉
『ふー、いらないのがいなくなってスッキリ』
宵ちゃんの表情は楽しそうだ。
cometubeの配信者の権限として、今後二度とそのアカウントがそのチャンネルの配信や動画にアクセスできないようにする永久BANというものがある。
基本的には、リスナーが減ることになるためそう連発されるものじゃないがこのチャンネルでは割と頻繁に起こる。
だが、常連リスナー達もこれを恒例行事として楽しんでいるようだ。
〈相変わらず宵ちゃんは0さん達のこと好きだな〉
〈垢BANして、この表情。愚か者に感謝だな〉
〈宵ちゃんのこの笑顔からしか得られない栄養がある〉
『そういえばさー、私高校生になったんだよねー』
〈高校生?〉
〈吸血鬼の国に高校あんの?〉
ここで宵の設定の詳細な説明をしておこう。
白凪宵は吸血鬼の国、ヴァンラッドの第一王女だ。
しかし、仕事が嫌で国から抜け出し今は人間の世界で学生をしながらVTuberをして生活している。
という設定だ。
ちなみにだが、この設定は俺と玲奈が作ったものだったりする。
あれは宵の三回目の配信だった。
多くのVTuberには設定があるが、宵は名前くらいしか決めていなかった。
それを知った俺と玲奈の二人で設定やらファンネームやらを決めたのだ。
『私が通ってるのは人間の学校だよー。家出娘なので』
07〈詳しくは概要欄〉
〈宵ちゃん、設定が細かい上に割とそれをしっかりと守ってるから概要欄に簡単にまとめられてんだよな〉
〈初見に優しい〉
〈概要欄に、0さん達のことも追加すれば?〉
『あ、それいいね。次の配信の時にはそうしとくね』
〈宵ちゃんは部活とか入るの?〉
〈部活してる宵ちゃん。いい〉
〈でも、割とひきこもりだし運動できなさそう〉
『部活?入るわけないじゃん』
0〈だと思った〉
07〈だと思った〉
〈何で?運動が無理でも文化部とかあるじゃん〉
『だって、部活なんかしたら活動できなくなるじゃん。一応部活動見学はしたけど、やりたいのなかったし。部活するより配信して0さんと07さんに会いたい』
07〈私もたくさん会いたいー〉
〈07さんって高校生?〉
『07さんの個人情報を聞くリスナーはいらない』
〈このアカウントは永久にBANされました〉
〈あーあ、やちゃった〉
〈南無南無〉
〈これも概要欄に書いとけば?〉
『そうしよう』
宵は楽しそうに言った。
だが、この子なら確実にやるだろう。
この子は嘘はつかない。
〈じゃあ、宵ちゃんの学校名教えて〉
〈↑ヤバい奴いる〉
0〈さようならー〉
『秘密だよ』
〈このアカウントは永久にBANされました〉
〈そりゃ、配信者の個人情報聞き出そうとすりゃそうなるわな〉
〈残念ながら妥当〉
『4月中はそんなにだけど、5月からは配信頻度上げようと思ってるから』
【赤(50000):07〈やったー〉】
『07さん、赤スパありがとう。07さん達が凄いのは知ってるけど、ほどほどにね』
07〈端金だから大丈夫〉
〈やっぱ、07さんぱねぇ〉
〈マジでこの人毎配信で投げ銭してんな〉
【赤(50000):0〈頑張れ〉】
『0さんも。ありがとう。ほどほどにね。二人が投げ銭してくれるのは嬉しいけど。二人は見てくれるだけでいいからね』
0〈端金だから余裕〉
〈富豪、富豪がおる〉
〈マジでこの人等石油王かなんかなの?〉
〈宵の配信一番の謎。ただし、それに触れれば垢BANだからなぁ〉
〈マジで何も出来ねぇ〉
その後も、配信は続いた。
特にお題もない雑談なので、コメント欄とひたすらに会話していく。
2時間後
『もう、二時間かー。早いなー』
〈マジで宵の配信は時の流れが早い〉
〈楽しいからOK〉
『キリもいいし。今日はこれくらいで終わろうかな』
〈あれ?二時間でやめるの?〉
〈いつもより早くない?〉
0〈親友ちゃんか〉
『0さん大正解。今日は親友ちゃんがご飯を作りに来てくれるんだー』
親友ちゃん。
宵ちゃんが中学で出来た親友であり、数少ない活動のことを知っている身内らしい。
宵ちゃんの配信でもたびたび、親友ちゃんの話が出てきている。
名前を言うわけにもいかないので、ずっと宵は配信中親友ちゃんと呼んでいる。
リスナー達もそれに合わせて、親友ちゃんと呼んでいるのだ。
何でも、この二人。
かなり仲が良いらしい。
最近は定期的に家に遊びに来てくれると、tordで呟いていた。
ちなみにtordは今、世界で一番利用者の多いSNSだ。
不特定多数の人に、様々なことを発信することが出来る。
宵ちゃんは、これに配信の予定や何気ない呟きなどを投稿している。
このサイトでは収益は出ないが、配信の導線にもなるのでVTuberとして活動していくためにはなくてはならないものだ。
『ということで、それじゃあ。0さん07さん。愛してるよー』
〈お疲れー〉
〈終了の言葉草〉
〈また明後日~〉
そうして、配信は終了した。
次の配信は明後日だ。
明日は親友ちゃんと予定があるらしい。
「うーん」
玲奈が伸びをした。
ソファに寝っ転がりながら見ていたが、さすがにずっと動いていなかったんどえ体が固まっているらしい。
「玲奈様、零様。お食事の用意は出来ております」
綾崎が夕飯を用意してくれたらしい。
今日は寿司だった。
キッチンの様子を見て確信する。
「貴女、寿司握れるのね?」
「メイドですので」
メイドの定義が分からなくなる俺と玲奈だった。
この作品はVTuberものではないです。
主人公たちはVTuberじゃないので。
VTuberも基本は宵さんくらいしか出てこないので。
あくまでこの作品はラブコメです。
誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。
気に入ってくださいましたら、ブックマーク、レビュー、評価いいね等よろしくお願いします。
作品についての疑問やご質問、ご指摘も受け付けておりますので感想などを貰えると嬉しいです。
感想については全て返答させていただくつもりです。




