表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/11

第10話 異常者の趣味

3月投稿できなくてごめんなさい。

部活動の体験入部があった日の放課後、俺と玲奈は「BIRC」に来ていた。

今日は買いたいものがあるのだ。

ここに来れば大抵なんでも揃っているからな。

俺と玲奈が買いたいもの。

それは、


「オタクたる物、欲しい小説は発売日にゲットしないとね」


追っている小説の最新刊だ。

俺も玲奈もかなりのオタク。

好きな小説は自分の手で本屋に買いたいという人種なのだ。

神宮慈の力を使えば誰よりも早く最新刊を手に入れることもできるだろうがそれは無粋。

やはり欲しいラノベは自分で買いに行きたいものだ。

それに本屋に行けば新たなラノベと出会ったりもする。

それに、本屋でラノベを見るという行為も中々に楽しい物だしな。

今日訪れている本屋は「BIRC」の中に入っている「慈宮堂」という本屋だ。

ここら辺で一番大きな本屋で物凄い量の本がある。

ここでない本は大抵の本屋でないと言われているほどだ。

この「慈宮堂」は俺達に行きつけだ。

かなり全体的に敷地面積がかなり多いため比例してラノベコーナーもバカみたいに広い。

そして俺と玲奈はラノベコーナーで新刊の棚を見ていた。


「あ、あった」


「これだな」


俺と玲奈は目当ての本を見つけ、二冊取る。

そして近くの本にも目を向ける。


「あ、これ面白そう」


「内容は?」


「最初の方ちょっと読んだだけだったけど、VRMMOもの」


「いいじゃないか。買っとこう」


玲奈が持っている小説をもう一冊取る。


「あ、これも面白そうだぞ」


今度は俺が面白そうなやつを見つけた。


「どんなやつ?」


「両片思い」


「いいじゃない。家は隣?」


「あぁ。テンプレっぽい」


「面白そう、作画もいいし買っとこ」


そしてそこから約1時間程ラノベコーナーに滞在していた。


「今回はこのくらいにしておきましょう」


「そうだな」


俺と玲奈は近くに置いていた、今回買うつもりの本の山を持ち上げる。

一人7冊、合計で14冊だ。

どれも割と最近発売したようで新刊コーナーにあった。

そして最初から買う予定だった本以外の6冊全てが1巻。

どれもweb小説発祥のようだ。

ネットで検索を掛けたら出てきた。

ちなみにそのうちの半分がお気に入りリストに入っていた。

書籍化するって後書きに書いてたのを忘れていた。

勿論お気に入りに入れるくらいには面白かったので見つけた瞬間すぐに購入を決めた。

本を持ってセイルレジに行き、そこでカードで支払いを済ませる。

そして本を学生鞄に入れる。


「よし、さて帰るか」


「あ、ちょっと待って。私買いたいグッズあるから、「teim」に寄りたい」


「了解。それじゃあ「teim」行くか」


「teim」とは「BIRC」に入っている、グッズ専門店だ。

アニメや漫画、VTuber等の動画配信者なんかのグッズも置いている。

俺達「宮慈堂」の横にあり、「宮慈堂」同様俺達の行きつけの店だ。


「それで、何を買いたいんだ?」


白凪宵(しろなぎ よい)のタペストとアクリルスタンド」


「あぁ、なるほど。そういえば新しいグッズ販売してたんだっけか」


「そ、店舗に並ぶのが今日からだったのを思い出して」


「そういえば前の配信でそんなことを言っていたな。忘れてた」


白凪宵(しろなぎ よい)とはcometubeという動画配信サイトで活動している個人勢のVTuberだ。

活動歴は今年で4年目で既にチャンネル登録者数は10万人程度だ。

俺と玲奈は初配信から見ている古参も古参のファンだ。

なんなら宵に初めてコメントしたのは玲奈だ。

ちなみに二番目は俺だ。

チャンネル登録者10万というと、少なく感じる人もいるかもしれないが、全体から見ればチャンネル登録者10万人というと0,1%程度だ。

まぁとはいえ、登録者10万人というと知名度が高いとは言えない。

そんなVTuberののグッズが置いてあるこの「teim」は凄いとしかいいようがない。

「teim」の店舗は滅茶苦茶広い。

だからこそ知名度が低い配信者のグッズもおけるのだろう。

まぁそのせいで目当ての商品を探し出すのはかなり苦労するが。

それはそれで色々なグッズを見れるしそれも一つの楽しさではある。


「あ、見つけた」


「タペストリーもアクリルスタンドもあるな。そういえば見てなかったが今回のは制服衣装なんだな」


「本人が高校生になったから、制服グッズらしいわよ」


「あぁ、俺その配信料理作りながら見てたからあまり覚えてねぇわ」


「いいのよ、私が覚えてるんだから」


「それもそうだな」


俺が覚えてないことは玲奈が覚えていればいい。

玲奈が覚えてないことは俺が覚えておけばいい。

俺と玲奈は常にお互いで補いあって生きている。


「にしても、やっぱ制服衣装は可愛いわね。スパチャしないと」


「そうだな」


俺と玲奈は自分で言うのもあれだが、白凪の熱狂的な最古参ファンだ。

最古参というだけ白凪本人にも認知されており、なんならモデレーター権限も貰ってる。

白凪宵のビジュは可愛い。

名前通りの長い白髪、それに映える真紅の目。

そして口には犬歯がある。

白凪宵は吸血鬼の王女様という設定なのだ。

VTuberってのは大体大なり小なり設定がある。

白凪の場合は家出中の吸血鬼という設定なのだ。

そして美しい声とその声が歌う歌。

中一の頃に偶然、興味本位で開いてみた底辺VTuberの初配信。

そこで白凪が初配信で同接0人で歌っていた、その歌声を聞いてから俺と玲奈は熱狂的なファンだ。

ただ、俺と玲奈の性格上別に布教活動をしているわけではない。

まぁスパチャとかは滅茶苦茶しているが。

特に玲奈は俺以上に白凪に感銘を覚えたらしく、ずっとこの4年俺以上の熱量で白凪を推している。

それはそれで微笑ましいし、楽しそうだからいいんだが。

たくさんスパチャやグッズを買っていると言っても、金は毎月一華さんから家が余裕で数件買える額が俺と玲奈の口座それぞれに入金されているし、それ以外にも俺も玲奈も色々な個人収入があるのでその程度はなんら問題ない。


「そういえば、今日って白凪配信じゃなかったか?」


「え、マジ?」


そう言って玲奈は素早くスマホをポケットから取り出して白凪のSNSアカウントを開きそこに貼られている配信予定を確認する。


「あら、本当ね。それじゃあさっさと帰りましょう」


「そうだな。時間には余裕があるが、早く帰るにこしたことはない。それにタペストとアクリルも早く飾りたいしな」


「そうね」


そうして俺と玲奈はさっさと会計を済ませて、「teim」を出た。


「玲奈様、零様」


「綾崎、お前」


「何故ここに?」


「teim」を出た俺と玲奈を待ち受けていたのは、制服姿で明らかに学校帰りの綾崎だった。


「お二人のお迎えに参りました」


「迎え?」


「はい、地下駐車場に車がございますので。お二人がわざわざ長距離を歩かれる必要などございません。それに本日はお二人の推しの配信日だったはず。では尚更早く帰った方がよいでしょう」


「そ、そうか」


「あ、ありがとうね」


俺と玲奈は綾崎に恐怖を覚える。

何故綾崎は俺と玲奈の推しを知っている?

一華さんにも別に言ってないし。

というか今日「BIRK」に来ることは伝えていなかったはずだが。

結局、俺と玲奈は綾崎について行き車で帰った。

運転は綾崎がしていた。

「免許証は?」と聞いたら無言でどこから免許証を取り出して見せてきた。

そこには18歳と書いてあったが、もう何も言うまい。

俺と玲奈はさっさと家に帰るのだった。

家に帰ってピカピカに掃除された部屋と既に出来ている明らかに出来立ての料理に俺と玲奈は綾崎を人間だと思うことはやめるのだった。


誤字脱字等ございましたらお気軽にご連絡ください。

気に入ってくださいましたら、ブックマーク、レビュー、評価いいね等よろしくお願いします。

こちらもお願いします。

作品についての疑問やご質問、ご指摘も受け付けておりますので感想などを貰えると嬉しいです。


作者別作品:転生したら平和に暮らそうと思っていたのに最強の能力を手に入れてしまった! ~転生した少年がチート能力で完全無双~ 

URL:https://ncode.syosetu.com/n8381in/

上記作品番外編

URL:https://ncode.syosetu.com/n9675ip/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ