第十話
「おいおい、悪の科学者が自分の研究で化け物に……貴晴が好きそうな展開やなっ!」
永山さんは先生に銃口を向け発砲。先生の肥大化した左肩に命中した、しかし
「うっそんっ!?」
鉄に当たり弾かれたような音がし、床に転がった。
「はっはっはっ、普通の銃弾で私の肉体に傷をつけることは不可能だ!」
先生は高笑いをすると、永山さんに向かって、左腕を振り下ろした!
永山さんは後ろに飛び飛び上がってかわすと、拳銃の背の部分を親指で操作、銃口を向け再び引き金を引いた。
「ふんっ! 何のポリシーか知らんが、やはり直接攻撃はできんかぁっ?」
永山さんの放った弾は、先生の体に……ではなく、足元に命中すると勢いよく破裂、黒煙が部屋を包んだ。
永山さんは弾丸を込める場所を開くと、弾丸を交換し始めた。
すると超音波のようなジーッと言う音が聞こえる、私は先生の方を見た。すると黒煙で姿はハッキリと見えないが、赤い点が発光し始めた。
「永山さん!? 危ない!」
私が叫んだ瞬間、黒煙から赤い閃光が2つ永山さんに向かって放たれた。
「スオミ! 俺の方に来ながら頭抱えて伏せろ!!」
永山さんは私に向かって叫びながら、閃光を右に飛んでかわし、銃口を向け発砲。
私は永山さんの指示通り永山さん近寄りながら、頭を抱えると地面に伏せた。
その時だ、何かが弾けるような音がすると、空気が振動した。
「うがぁぁぁ」
私は振り返りながら、先生のいる方を見る、すると、黒煙が晴れ、先生が声を上げながらゆっくりと倒れていた。
「何をしたんですか?」
私は立ち上がりながら永山さんに尋ねる。
「クッソデカい音をまき散らすと同時に、衝撃波を出す弾丸を撃っただけだ」
永山さんは私に向かって言うと拳銃の背の部分を親指で操作した。
「急な衝撃で、頭を軽くやられたが。この程度か!」
先生は立ち上がると、走り出す、そして距離を詰めると右腕を突き出してきた。
「スオミ! 俺の後ろにいろ!!」
永山さんはそう言って私を引っ張り、後ろに立たせると、先生の右腕に向かって引き金を引いた。
銃弾が右腕に命中すると勢いよく爆発。その瞬間、青黒い血をまき散らしながら後ろにのけぞった。
「ぐぅぅぅ。こ、これが神器の力か……私の腕が千切れるとは……」
先生は吹き飛び血が流れ続ける箇所を触りながらつぶやく、手から手首までが吹っ飛んでいた。
先生は狂ったように声を荒げる、するとだ、破裂し、吹き飛んだはずの右手が再生した!
そして、笑いながら今度は小指側を下にしてハンマーのように右腕を振り下ろした。
「ぐがぁぁ!」
突然、先生は雄叫びを上げる、すると再生した箇所が再び、破裂。それだけじゃない、破裂した箇所からひび割れが肩まで伸び、血を吹き出したのだ。
「な、なぜだぁっ」
先生は右腕を庇いながら、声を上げる。
「どうやら、お前。人間じゃなくなったみたいだな」
永山さんは鋭い声で言う。え?人間じゃなくなっているってどういうこと?
「今使った弾丸はな、DEVILにのみ反応して爆発するものなんだ。人間に撃っても軽く肌を傷つけるだけだ」
永山さんの説明が事実なら、爆発したということは、先生はDEVILに? でもDEVILって機械なんじゃ……。
「そしてもう一つ効果がある。特殊な薬を投与した能力者の神経を破壊する弾丸だ」
何?永山さんが説明終わった瞬間、背筋を冷たいものが襲う。なんなのこれ……。
「答えろ、誰にその薬を渡された?スオミの親父さんの研究成果と交換で貰ったんじゃねーのか!?」
永山さんの鋭く冷たい声が部屋中に響く。
「ぐぅぅぅ。まさか。ただの探偵がこの薬のことを知っているとはなぁ! 驚いた!」
先生が叫ぶと、右腕から鉄の欠片? ひしゃげた銃弾のようなものが飛び出した。
「わたしはねずーっと能力者に関する研究をしてきた! 世界中を飛び回り、様々な知識を取り入れた! だが、なかなか新しい発見ができなかった。そんな時、母国、日本で能力者が通う学校の存在を知った! さらに! そこでは私よりも若く権威と言われる人間が能力者について様々な研究をしていることを知った! 興奮したよ、私はすぐにこの学園にきた! 幸い親の命令で教育学部を出ていた私は講師としてこの学園に入り込み、スオミと知り合った! やつは素晴らしいぞ! 非人道的なことを一切行わず、様々な研究成果を上げていった。だが。やつはくだらなかった」
笑いながら嬉しそうに語っていた先生、しかし途中でそのトーンは落ち、狂気を感じる表情も悲しいものへと変わる。
「娘の能力を無くすために様々な能力者と関わっていると抜かした! スオミ! 君の能力は実に素晴らしいものだ!! そして父親の研究もだ! それをなくす? 下らない! 私は説得した。貴様ら親子の力があれば日本は能力分野において頂点に立てると! しかし! やつは耳を貸さないばかりか、研究が一段落する度にデータを消していた……あり得るか!!」
先生はまた、狂気に支配された顔になると、地団駄を踏む。太い脚で踏まれる床はメコメコと引っ込んでいきクレーターができた。
「だから、スオミのお父さんを殺したのか?」
「あぁ。と、言いたいがやつを殺したのは私ではない。私よりも前にあいつの腕を見込み、接触していた組織の奴らだ」
組織? それが、お父さんを?
「交通事故に見せかけて殺した上、警察に圧力をかけるなんて恐ろしい組織だよ、それだけじゃない、まさか、別荘を燃やしてまで研究書を手に入れようとするとは恐れ言ったよ」
っ! 笑いながら語る先生。怒りが湧く。
「だが、見つけられなかったんだろ? 隠し部屋にあったらしいからな?」
永山さんは笑いながら、先生に言う、しかし先生は高笑い
「確かに! だがな! やつは研究が終わるたびに本質となる部分をいつも書き記し、その日のデータを削除した上で、持ち帰っていた」
持ち帰る……まさか! 事故の時に目立った所持品は無かったって警察が言っていたけど…。




