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第77話 男役って素敵!

「ユウキ様…素敵だった」

「れい様もよかったよ」

「僕はみんな素敵だと思ったよ。あえて1人選ぶなら…リョウ様かな。のびやかな歌声と堂々とした姿がいいよね。また観たいな」


風花とカデンと天が蛍塚歌劇団にハマった。

3人とも男役に夢中だ。



「俺、よく分からなかった」

「俺もだ」

阿修羅とハンニバルは良さが分からなかったらしい。


「また観に行くくらいなら、ダンジョンか焼肉食べ放題の方がいい」

「俺もだ」

ハンニバルと阿修羅の距離が縮まった。


しかし王都での蛍塚歌劇団の評判は上々だ。

風花たちのように男役に憧れる女性が多く、ファンクラブも出来た。



*******


「隊長! 相談って何ですか?」

「風花ちゃんと喧嘩でもしましたか?」

「この間のデートは上出来でしたよ。カデンちゃんと天さんのおかげで」


困ったハンニバルは部下のパリピ3人組を呼び出した。もちろん阿修羅は勘助に預けた。


「風花が…蛍塚歌劇団に夢中だ……」


「ああ…ファンが急増していますね。僕はすでに6回観に行きました」

「男役に憧れる女性が多いけど、娘役の女性も可愛いんですよ。僕は夢香ちゃん推し」

「僕は娘役ならリラちゃん推しで、男役ならマオ様推しですね。いろいろな楽しみ方が出来て素晴らしいですよね」


「…………!!!」

驚きすぎて声が出ないハンニバル。驚愕の表情でパリピ3人組を見返す。


女性人気を奪われたパリピ3人組は反蛍塚だと思い込んでいたが、この3人は上級者過ぎた。いろいろな楽しみ方って何だ。


「俺は…楽しみ方が分からなかった…」

「よく分からなかったっていう方も少なくないんですよ。女性でも一度観れば充分って子もいるし」

「そうなの?」


「恋人と同じ趣味を楽しめたら、それはそれで楽しいけど、隊長が蛍塚を好きじゃなくてもいいんですよ」

「相手が女性だから、のめり込んでも架空というか妄想の域なので、むしろ安心ですよね」

「そうか…そうだな」


「風花ちゃんの趣味を尊重して、絶対に批判しない」

「劇場の送り迎えはしましょうね」

「そこを守れば、これからもうまく行きますよ」

「分かった」


ハンニバルはパリピ3人組の教えを守り、風花たちの趣味を批判せずに見守り、風花たちから信頼された。


これからもパリピ3人組の指導で風花との距離を縮め、最終目標である結婚にたどり着きたいハンニバルだった。

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