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第61話 天の穏やかな毎日

暇を持て余した天は空き時間で冷凍野菜を作り始めた。もちろんカデンの業務用フードカッターを使っている。


「ただいま〜」

「おかえりなさい、天パパ。お買い得なお野菜あった?」

「ただいまカデンちゃん。今日はジャガイモとカボチャと玉ねぎが安かったよ」

天は今日、市場でジャガイモとカボチャを山ほど仕入れてきたようだ。


仕入れてきた野菜を良く洗い…手洗いするしかないのだが神の力なのか人力の1/10程度で綺麗になっている。ズルイ。


洗った野菜を業務用フードカッターでカットして重さを測ってジップロックに詰めて業務用冷凍庫で凍らせる。暇つぶしのつもりだったが需要があったため、毎日仕入れて加工している。意外なことに加工野菜の需要があったのは商店ではなく一般家庭だった。


ジャガイモは芽を取ってから串切りで500gずつ。カボチャは種とワタを除いて、3~4㎝角にカットしたものとスライスを500gずつ。玉ねぎもスライスとみじん切りを500gずつ。一般家庭向けなので程よい量だし、安い時に買えるだけ買って、いつも同じ価格をキープしている。それでも原価が高過ぎる時は量を減らして価格をキープしている。


市場いちばは商品が悪くなる前に完売して嬉しいし、一般家庭は家事の手間が省けて嬉しいし、天は暇が潰れて利益も出て嬉しい。WIN-WIN-WINの関係だ。


もちろん天は野菜クズも無駄にしない。1リットルの水に野菜クズを100gから200gの比率で20分ほど煮込んでベジブロスを作っている。もちろんこれも冷凍して販売しているし、出汁がらの野菜クズは堆肥にしている。風味が強くベジブロスに向かないキャベツ、ブロッコリー、カリフラワーなどアブラナ科の野菜は多すぎる場合、ベジブロスに加工せず堆肥に直行だ。


商品の野菜を余らせてダメにする機会を救うとポイントになるので利益よりもポイント重視で行っている。


── 多い日で1日あたり50ポイントくらいだけど、これを続ければ風花ちゃんが天寿をまっとうするタイミングで、あっくんと一緒に帰れそうだよ。その頃には夜叉ちゃんの長期出張も終わっているだろうし、家族3人水入らずだねえ。


加算されるポイントは、ダメになりそうな商品を、どのくらい救えるかどうかで決まるため日によって変動するが、コンスタントにポイントを稼げるようになって肩の荷が降りた。


今日もニコニコ顔の天柴が店のカウンターで微笑んでいる。

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