第54話 天、風花一家に馴染む
「天さん、本当にお任せしてしまって大丈夫ですか?」
「うん、使い方は覚えたから大丈夫」
天は神補正でカデンが召喚した道具を使うことができた。カデンの道具に興味津々だった天は風花とカデンの手伝いを買って出た。
「カデンちゃんの道具はすごいねえ。油汚れも、この洗濯機? で、自動的にある程度までは落ちちゃうんだから。」
それは周辺機器である洗剤の効果なのだが、天は今日もご機嫌で洗濯機を回している。
もともと家事能力の高かった天とカデンの道具は相性が良い。洗濯を引き受けながら、いろいろな道具を試している。
今、天が夢中なのはラテアートだ。
カデンが召喚した周辺機器のソムリエエプロンが似合う。イケメンにソムリエエプロン、間違いない組み合わせだ。
ソムリエエプロンの他、コーヒーメーカーやエスプレッソマシーン、ミルクピッチャー、フォームドミルクを作るためのミルク泡立て器、断熱紙コップなど持ち帰り用の一式もカデンが召喚した。
洗濯と乾燥の合間に練習し、すぐに美味しいコーヒーとラテアートを提供出来るようになった。さすが神だ。
「すごいね! 天さんは器用だね」
「まだリーフしか出来ないけどね。早く動物の顔とか描けるようになりたいな。…それにしてもカデンちゃんのエスプレッソマシーンとミルク泡立て器が便利すぎて凄いよ! 時間と手間をかなり節約できるね。これなら一人でコーヒーを提供しながら洗濯もできちゃうねえ」
天は今まで使われていなかったハンニバルの家側の店舗スペースで洗濯と乾燥を担当しながら持ち帰り専門のコーヒースタンドをやるつもりだ。
営業利益はハンニバルと風花一家と天で3分割することになった。
ハンニバルも風花一家も利益の提供を固辞したが、自分が人間のお金を持っていても仕方がないことや、親子で居候しているから…ということで天が押し切った。
「洗濯を無償で手伝ってもらえるだけで、ありがたいのに…」
「お手伝いは、あっくんのポイントの為に、お願いしてでもしたいんだよ」
「ああ、なるほど…そういうことならお願いします」
阿修羅の保護者である天のポイントも加算出来る仕組みのようだ。
人型でいられる時間が限られているので店番は柴犬の姿で節約している。お客さんが来たら人型に化ける営業スタイルで犬好きと女性の固定客が付きそうだ。
コーヒースタンドのオープン前だが、犬好きな風花の父が天柴を見てはソワソワしていた。




