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第41話 王都に帰ろう

「ただいま! 勘助、起きてるか?」

「おかえり阿修羅殿。お客様?」

「そう! いい感じに相談にのってくれ!」


「はじめまして、私はこの町の町長を務めるオニマールです。」

「はじめまして、軍師の山本勘助です。そちらのお嬢さんは気配からすると精霊かな? でもオニマールさんの精霊ではないよね」


オニマールの肩には昆虫タイプの精霊がとまっている。男の子の憧れ、カブトムシだ。

もじもじする尻尾娘をいたわるように経緯を説明するオニマール。


「なるほどね、お嬢さんはここに来る前の事は覚えていない訳か…」

「うん……。」


「最近、力の強い精霊の“はぐれ”が増えているのは気になっていたんだ。放置するとお互いに悲しい結末を迎えてしまうからね。是非とも保護したいところだったんだよ」

勘助が尻尾娘に優しく話しかける。

「勘助さん…♡」


「オニマールさんも阿修羅も、よく連れて来てくれたね、ありがとう。お嬢さんは心配しないで我々に保護されて欲しい」

「うん♡」


「軍がこのお嬢さんの保護者になるという事でしょうか?」

「一旦はね。こちらのお嬢さんの希望と適正に合わせて、国の所属になるかもしれないし…今後は不透明かな? ちゃんと希望を聞くから安心してね」

「うん♡」


「それではこちらのお嬢さんが破壊した町役場の壁の修理費用の請求書は軍にお送りしますね!」


丸い見た目に反してオニマールはしっかり者の町長だった。

「うん構わないよ。もしもまた困っている“はぐれ”を見つけたら保護して知らせて欲しい」

「助かります。良かったな、お嬢さん」

「…狩野かのう。私の名前」

狩野かのうちゃんか、可愛い名前だね」

「ありがとう」

「名前を思い出せて良かったな! 俺は阿修羅!」

「うん」


「ハンニバルが戻ったら王都に戻ろうか」

「そういえば、ハンニバルがいないな!」

「バルなら朝から走ってくるって出かけていったよ」

昨夜、妄想の果てに気絶するように眠ってしまったハンニバル。身体を動かして冷静さを取り戻すつもりのようだ。



「…なるほど、俺が走りこんでいる間に、そんなことがあったのか」

「うん、だから狩野かのうちゃんも一緒に王都に帰るよ」

「うむ。王国軍は君を歓迎する。この先のことは心配しないで大丈夫だ」

「ありがとう、ハンニバルさん。…ううん、バルって呼ぶね♡」

「あ、ああ」


初対面なのに距離感が近すぎる。

ぐいぐいとパーソナルスペースを詰めてくる狩野かのうにハンニバルは戸惑いを隠せない。



――― おやおや?これは揉めそうだね。


ハンニバルに向けて紫色のハートを撒き散らす狩野かのうと、あとずさるハンニバル。

2人の様子が、ちょっと面白いな…と思う勘助だった。



・ 狩野を助けて+プラス1,000ポイント

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