表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/83

第22話 カデンの加護、使っちゃう?

チリンコロン。

「いらっしゃいませー!」

「いらっしゃいませー!」

風花の真似をするカデンが可愛い。


「こんにちは、風花ちゃん、カデンちゃん」

「こんにちは、プリヤンカさん。いつものバケットとクロワッサンとヨーグルトでよろしいですか?」

「ええ、それをいただくわ」

風花が手早く商品を包み、代金のやり取りを終える。発酵の加護持ちの父が作るヨーグルトや漬物なども、この店の人気の商品だ。


「ねえ、カデンちゃんの加護の商品は増やさないの?」

「ええっと…」

口ごもる風花。


「僕も楽しみにしているんだよ」

「一郎おじさん」

「今日はカンパーニュとザワークラウトね!」

「はい! 少々お待ちください」


お店に居合わせたプリヤンカさん、一郎おじさんから思いもよらない提案だった。


「ごめんね、いきなりだったね」

「レミさんや誠一さんたちから事情を聞いていてね。勝手にいろいろ聞いてしまって悪かったけど、小さなカデンちゃんのことが気になっていたの」


両親がお得意さんやご近所さんに事情を説明しているのは想定内だ。

「それは構わないんですけど」


「カデンちゃんも加護を使ってもらいたいんじゃないかい?」

カデンが期待に満ちた顔で風花を見上げていた。


「私たち、事情が複雑で……」

「それも聞いたよ。大変なことになってしまったねえ」

「うん。だからこそ試してみるといいんじゃないかな。もしダメなら早めに結論を出した方が良いと思うよ」


カデンが恨めしそうに一郎おじさんを睨む。

「こら。お客さまにそんな顔しないの」風花がカデンの膨らんだ頬をつつく。

「ふふふ構わないさ、僕が無神経だったよ、ごめんね。ふくれた顔も可愛いねえ」


「ありがとうございましたー!」

プリヤンカさんの精霊と一郎おじさんの精霊が風花とカデンに手を振りながら店を出て行く。精霊に手を振り返すカデンが可愛い。



「……風花、カデン」

「阿修羅?」

ずっと空気だった阿修羅が意を決したような顔だが豆柴なので締まらない。


「俺、風花と結んだ縁は放棄できない。でも風花と縁を結んだままハンニバルと仮契約してもいいぜ」

「阿修羅…」


「阿修羅ちゃん!」

涙目のカデンが阿修羅を抱きしめる。

「放せ! ちゃんは止めろ!」


必死にもがいてカデンから逃れた阿修羅がブルブルする。


「ハンニバルが帰ったら話そうぜ。俺と風花の縁は現状維持な!そうじゃないと俺の力、出ないから」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ