74.最愛の想い人に裏切られる (微エロ注意)
「すまない、アリサ」
「ユーシス・・?」
「本当に済まない。俺はもう君のことは好きじゃないみたいだ」
「・・・・!」
「だからもう、これで一生お別れだ、さよなら、アリサ」
「待って、ユーシス! ユーシス!」
あの日、クローディアさんの家にお邪魔した後、私達はレストランに立ち寄り食事をした後宿屋に戻った。
その日の晩、ユーシスはクローディアさんの絵を見ながら上機嫌だった。
私は正直イラっとしたけど、純粋に絵の出来栄えを喜んでいるユーシスに水を差すような真似はせず、その日は大人しく自分の部屋で早目の就寝についた。
次の日の朝、いつもの様にユーシスを起こしに行くと、ユーシスは昨日の朝以上に深い眠りについていた。
私は起こそうとするも、夕べよく寝られなかったといい、そのまま二度寝してしまった。
仕方が無いので、私は一人でギルドに行った。
ギルドでクローディアさんと会ったけど、なぜか彼女もとても眠そうだった。
適当にクエストをこなして宿屋に戻ると、ユーシスはすっかり元気を取り戻していた。
その後、外で夕食をとり、宿屋に戻るとユーシスはそのまま自分の部屋に籠り寝てしまったようだ。
さらに次の日の朝、ユーシスは昨日と同じく寝られなかったようで、結局起きてこなかった。
仕方が無いので、今日も私は一人でギルドに行った。
今日、クローディアさんは見かけなかった。
昨日と同じく適当にクエストをこなして宿屋に戻ると、やはりユーシスはすっかり元気を取り戻していた。
その後、外で夕食をとり、宿屋に戻るとユーシスは昨日と同じように、そのまま自分の部屋に籠り寝てしまった。
さらに次の日の朝、ユーシスはやはり寝られなかったようで起きなかった。
流石に様子がオカシイので、私も今日は付きそうと言うと、ユーシスは渋々起きて二人でギルドに行った。
今日もクローディアさんは見かけなかった。
私とユーシスは別々に仕事を受け、無難に仕事を済ませた後に宿屋に戻った。
宿屋の受付でツインルームはまだ空いていないか問い合わせると、最初に泊まった翌日には空きが出て、ユーシスに伝えたそうだが“このままで良い”と断ったそうだ。
私はどういう事かと思いユーシスの部屋に行ったが、ユーシスはまだ帰っておらず、私はユーシスの部屋で待つことにした。
ふとユーシスのスケッチブックとクロッキー帳が目に入り、私は何の気なしにパラパラ捲った。
そこにはペルミの村以降の私達の軌跡となる風景画と、いつの間に描いたのか私の画がたくさん掛かれていた。
いつの間に描かれていたんだろう?
あ。こんな所にも行ったっけ!
懐かしいなぁ、ふふふ・・
ユーシスの描いた絵に、時には癒され、時には顔を赤面したりしてニマニマしていた私だったが、この前描いたクローディアさんのラフスケッチの次のページを見たとたん全身の毛が逆立った。
「え?なんで・・なんでこんな絵があるの!?」
一瞬身体が固まったあと、瞬時に点と点が繋がっていった。
何故ユーシスが毎朝寝不足なのか、
何故翌日のクローディアさんも眠そうにし、その上翌日から来なかったのか、
なぜユーシスは宿屋から連絡を受けたにも関わらず部屋を変えなかったのか、
全てはこの絵のためだったのだ。
問題の絵は全部で三枚。
その三枚はクローディアさんの裸婦画だった。
私はユーシスが隠し事をしている事に悲しくなった。
涙腺がぷくりと膨れだす。
自分の部屋に戻りベッドに倒れ込むように横になった。
「ユーシスが帰ってきたら取っちめてやるんだから・・」
状況から察するに、ユーシスは毎夜宿を抜け出して、クローディアさんの元へ裸婦画を描きに行っているのだろう。
何も黙ってコッソリ行くこと無いじゃない。
どうしても描きたいって言うなら、私だって止めはしないのに・・・
でもそう思いはしても、もう一方の可能性も捨てきれなかった。
それは、ユーシスはクローディアさんの元へはいかず、自室でクローディアさんの裸体を毎夜想像しながら描いていた可能性。
どちらも可能性はある。
後者であってほしいけど、後者だと説明付かないこともある。
いや、後者でもなんか嫌だ。
いずれにせよユーシス本人に問い詰めないと!
・・・結果、私はユーシスを問い詰めることが怖くて出来なかった。
ユーシスの口から毎夜クローディアさんの裸婦画を描きに行っていることを聞くのが怖かったからだ。
聞いてしまえば何かが壊れてしまう・・・そんな気がした・
その日の晩、私は眠らず息を潜めて廊下を通る音に注意していた。
深夜1時頃、誰かが廊下を歩く音・・・
私は心臓を誰かに掴まれたかのように胸が痛んだ。
やがて足音は去って行った。
すぐ自分の部屋を出てユーシスの部屋に向かった。
“カチャリ”
借りた合鍵を使って私は中に入った。
悲しいことにユーシスの姿は部屋には無かった。
もう黒確定だ。
少し間を置き心を落ち着かせて、私はクローディアさんの家に向かった。
とりあえず向こうで会ったらどうしよう?
絵を描いているだけで、別に不貞を働いている訳じゃないし、
ゲンコツと土下座で私の怒りと悔しさの気持ちも収まるかな?
なんて能天気な事を思っていた私は大馬鹿だった。
クローディアさんの家に着く。
1階から灯りが漏れていて、私はそこから中の様子を伺った。
「うそ・・なんで?」
絶句した私が見たもの・・・
それは、ユーシスとクローディアさんが深く唇を合わせ合う姿だった。
私はその場でペタンと腰が落ちてしまった。
クローディアさん、自分からは告白しないと言っていたのに・・・
よくも騙してくれたわね!
一瞬空っぽにされた頭の中が、今度は沸々とクローディアさんに対する怒りで埋め尽くされる。
しかしその怒りは瞬時に消えてしまった。
「ちょ、ちょっと待って、ユーシス君、一回落ち着こう、ね?・・んぐぅ!?」
「ぬちゅ・・ふう、クローディア、僕は本気です!本気で愛してます!」
「ふは・・ダメ、ほんとダメだから!君にはアリサちゃんがいるじゃ・・ん~~~!」
「アリサとは別れます。僕はあなたと同じ人生を歩みたい!」
「ユーシス君・・ダメ・・こんなこと許され・・あむ・・!?」
ユーシスが執拗にクローディアさんの唇を奪いながら口説いている。
クローディアさんが誑かしたんじゃなくて、ユーシスが一方的に迫ってる?
嘘、なんで?
こんなことあり得ない。
だってユーシスが私を裏切って別れるなんてある訳ない!
何なのよこれええええ!
カチャリ・・
玄関に鍵はかかっていなかった。
私は断頭台に向かう気分で二人の居る場所へ行く。
「あなた達、いったい何をやってるのよぅ・・・!」
二人の前に乱入し、消え入りそうな声で、それでも必死に振り絞って訴えた。
身体の震えが止まらない・・
「ア、アリサちゃん!?どうしてここへ・・違う、違うのこれは!・・きゃっ!」
ユーシスがクローディアさんの前に割って入る。
「すまない、アリサ」
え、何を謝っているの?
どうしてそんな申し訳なさそうな笑みを浮かべているの?
「ユーシス・・?」
「本当に済まない。俺はもう君のことは好きじゃないみたいだ」
「・・・・!」
「だからもう、これで一生お別れだ、さよなら、アリサ」
ユーシスは酷く冷めた口調で別れを告げた。
「待って、ユーシス! ユーシス!!」
こうして私はユーシスに捨てられてしまった。
私の何がいけなかったんだろう・・




