64.断罪イベント
「以上です。・・・・続きまして、次の議題に移りたいと思います」
召喚勇者とそのパーティー、およびその他全ての紹介が終わった。
ただし、第三独立小隊を除いて。
「カーシャさん達、呼ばれませんでしたね」
「ああ、腹を括ろう。道夫君達はアクサナ王女の警護を。
可能ならミルーシャの無力化を頼む」
カーシャと道夫は玉座のアドリアン王達を見据えた。
何かこれから楽しいイベントでもあるかの様にニヤけている。
「それでは次の議案に移ります前に、
第三独立小隊の方々は広間中央にお集まりください」
そのアナウンスと共に王の間の空気が一変する。
アビゲイル・ライカーとベティ・ライカーがアクサナ王女の前に立ち警戒にあたった。
「ちょっと、見えないでしょ!」
「殿下、危険です。お下がりください」
「自分の身くらい自分で守れます!それに状況が分からないんじゃカードを切るタイミングがわからないわ!」
「ですがまだカードが届いていません」
「ぐぬぬ・・」
その様子を見ていたカーシャは、まだ切り札が手元に届いていない事を悟った。
(カーシャから業務連絡、各自最大限の警戒をせよ!戦闘は不可避なり!)
カーシャは隊員達に短距離念波による注意を促した。
隊員達に驚きと緊張が走る!
(小西道夫パーティーとアクサナ王女以外は全て敵と思え!
ただし絶対に殺すな!カーシャより以上!)
((((((( 了 解! )))))))
王が立ち上がり第三独立小隊の面々に向かって言い放つ。
「主文!スラヴ王国第三独立小隊は今この時を持って解散とし、全ての権利を剥奪すると共に、聖女アリサ・リースティン誘拐の罪人ユーシスを幇助した罪によりこの場にて処刑するものとする!」
“ふんす“とドヤ顔のアドリアン王。
「何か言い残したい事はあるか?」
傍に仕えるレイモンド王子が上から目線でカーシャに問う。
「はて、一体何のことやらわかりませんが?
何を証拠にそのような事を申されるのです?」
「とぼけるな!お前達が勇者加藤ダンより聖女を強奪したことは明白である!」
「あれは加藤ダンによる聖女アリサの誘拐事件です。
召喚勇者の外法、勇者の魅了による悪質な洗脳であったことが確認されております。
我々は一時的に保護したにすぎません。
詳しい内容の方は憲兵隊に事の詳細を文書にて提出しておりますが?」
「「え?そうなの?」」
アドリアン王とレイモンド王子が驚き、確かめるようにガバナス宰相の方を見る。
しかしガバナス宰相は涼しい顔をして述べる。
「はて、そのような報告は受けておりませぬが?カーシャ殿の舌先三寸の嘘でございましょう」
「ガバナス宰相は嘘だと申しておるぞ!それに貴様たちは勝手に王都を抜け出し聖女アリサをミンバリ特区トリコロールに逃がしたであろう!?こちらも調べがついておるぞ!」
レイモンド王子が鼻をヒクヒクさせながら声を荒げて言い放つ。
「殿下、あれは勝手にではなく陛下の勅命によりトリコロールに向かったのです。アイザック、命令書を見せてやれ」
「はい、こちらです」
第三独立小隊で秘書的な役割のアイザックは公式の会議の場では書類一式を持ち歩く。
「私が確認いたしましょう」
そう言ってアクサナ王女が命令書を受け取り、真偽鑑定の魔術を行使する。
「父上、確かに本物です」
「え?そうなのか?ちょっと見せてみろ・・・あ!・・」
アドリアン王はひったくるように命令書を見たのち、何かを思い出しバツ悪そうな顔をする。
その書類を今度はガバナス宰相がひょいと手に取る。
バルカン人のように片目を吊り上げこともなげに・・
「こんなもの、偽造された物に違いありませんよ。アクサナ殿下はまだ未熟なので真贋がわからないのです」
と、宣う。
「な!?それはどういう意味かしら。ガバナス宰相!」
自分の鑑定を否定されカチーンときたアクサナ王女。
それを見てガバナス宰相は慌てて取り繕う。
「あ、いえ、つまりそれだけ巧妙に偽造された書類だということですよ、ねえ陛下?」
「あ、いや、その書類は・・ごにょごにょ・・」
「偽造された物ですよね!」
「あ、うん。そうじゃ!その書類は偽造された物で間違いない!カーシャよ、何か申したい事はあるか!?」
「さっきから色々申しておりますが?」
「おのれ、ああ言えばこう言う・・」
「陛下、もう宜しいではないですか、どうせこの者達の処刑は決定事項なのですから」
「そうですよ、父上。さっさと処刑いたしましょう」
「そうじゃな、では早速・・」
国王・第一王子・宰相はこれ以上ボロが出る前にと処刑を急ごうとした。
「陛下、お待ちを!」
そこにヨシュアが割って入った。
「ヨシュア?」
「カーシャ、ここから先は俺の仕事だ」
「ああ、そうか、そうだな」
「なんじゃ、罪人ヨシュアよ!」
「陛下に申し上げます。我々はこの国の騎士団に所属はしておりますが、同時に創造の女神テラリューム様の使徒でもあります。その我々に弓を引くということが どういう意味なのか御理解しておられるのでしょうな?」
「何を言うかと思えば・・貴様が勇者だろうが女神テラリューム様の使徒だろうが関係無い、この国では世が法律なのだ。おまえ達はこの国には不要なのだ。さっさと死ぬがよい!」
「陛下の意思、しかと了解した。
創造の女神テラリューム様に弓を引く愚か者達よ、このティラム世界の逆賊として粛清する!」
その様子を見ていたアクサナ王女は手で顔を覆いながら卒倒しそうになった。
「アビィ、ステンラはまだなの!?」
「まだ見えませぬ」
「もうこれ完全に詰んでない?」
「殿下、ご安心下さい。まだ助かる未来視は健在でございます」
「本当に!?でもこれ聖竜登場する前に終わりそうなんだけど?」
「今は耐えましょう」
「うう、胃が痛い・・」
「小西道夫とその仲間達よ!
貴様らは元第三独立小隊メンバーと通じていた節がある。
自身の潔白を証明する機会をくれてやる。
見事ヨシュア達をたおしてみよ!さあ殺せ!」
レイモンドから突然振られて驚く道夫達、
それでも広間中央のヨシュア達の前に立つ。
そして改めて玉座の方を向き凛とした声で言い放った。
「お断りします。外道の言うことを聞かねばらない理由などありませんので」
「な!?」
まさか拒否られるとは全く思っておらずレイモンドは池の鯉のように口をパクパクする。
「あれは、いったい誰?」
「なぜこういう場面だとヘタレないんだろう・・?」
「はぁ・・ミッチー・・カッコイイ・・♡」
キッパリと断る道夫の姿に真美・真奈美・麗子が驚く。
「道夫君、よかったのかい?」
ヨシュアが心配そうに気遣う。
これまで彼らの立場は微妙だった。
しかしこれで完全に王国に反旗を翻した逆賊になってしまう。
「いいんですよ、どうせヨシュアさん達の圧勝で終わるんでしょ?それに今更ヨシュアさんの敵になんて回れませんから」
「わかった、じゃあ頼むぜ相棒!」
「!」
「よーし、やるぞ!全員抜剣!」
「「「「「「「 了 解 ! 」」」」」」」
「僕達もいくぞ!だが絶対に殺さないように!」
「「「 了 解 ! 」」」
ガバナス宰相が召喚勇者達に激を飛ばす。
「何を見ている!さっさと逆賊ヨシュア達を打ち取れ!
見事打ち取った者にはなんでも好きな褒美を与える!」
「「「「「「「「「なんでも好きな褒美?」」」」」」」」」」
「た、例えばアクサナ王女を嫁にするのも有りですか?」
召喚勇者の誰かがおずおずと質問する。
「ああ、打ち取ればそなたのモノだ!」
「よっしゃああああああああ!」
それを聞いて流石に焦るアクサナ王女。
「ちょ!なに言ってんのアイツら!?」
「後で〆ますか?」
「深淵送りにしといて」
「御意」
「「「「うぉおおおおおおおおおおお!死ねええええええええええ!」」」」
召喚勇者と剣士系・騎士系・戦士系の召喚者が突撃してくる!
「雷帝彗星斬!」
「魔王彗星斬!」
別々の方向にヨシュアとカーシャの必殺技が咆える!
「「「「ぎゃああああああああああああああ!」」」」
一瞬にして突撃してきた15人の脚がぶった切られた!
「お、俺の脚、俺の脚がああああ!」
「痛てーよ!血がこんなにぃ!」
「おかあさん、助けてー!」
その様子を見て続いて突撃しようしていたグループが思いとどまる。
「な、なんだよアレ!?」
「あんなに強いなんて聞いてねーぞ!?」
「女だ、女の聖騎士を狙え!」
「お、おう!」
「「「どらあああああああ!」」」
今度はユーコとフランソワーズが集中して狙われる。
「きゃああ、いっぱい来りゅう!」
「お腹がキュンキュン鳴ってるよぉぉ!」
軽い興奮を感じながらユーコとフランソワーズが迎え撃つ!
「閃光斬!」
「ライトニングスラッシュ!」
二つの閃光が一瞬見えたかと思うと、召喚者達は糸の切れたマリオネットのように四肢がバラバラにされ床に散らばる!
「お、おい、どうなっている!どう見ても形勢不利じゃないか!」
「ガバナス宰相はどこだ!?聞いていた話と違うぞ!」
アドリアン王とレイモンド王子が予想外の苦戦・・と言うか敗色濃厚な有様を見て狼狽する。
「お父様、お兄様、」
「おお、アクサナ!」
「お父様、お兄様、よくご覧ください。あれが女神テラリュームに選ばれし者達の戦いです。しかもアレはまだ全く本気を出していません」
「なんだと!?あれで本気ではない!?」
「そんなバカな!?」
「はい、まだ聖女カーシャの歌声もありませんし、勇者ヨシュアが呼び寄せる8匹の聖竜もまだ来ていません。女神テラリュームの粛清はまだ序の口ですらありません」
「「歌声!?聖竜!?女神の粛清!?」」
驚愕の表情のアドリアンとレイモンド、
もしや自分達の行いは間違いだったのではないかと、ようやく気付き始めたようだ。
「ここから先は手順を間違えますと、今日中に国が滅びますので御覚悟の程を・・」
アクサナは侮蔑の表情で言い放ち、踵を返して元の立っていた場所に戻った。
- Lu~♪・・ Lulu~♪・・・ -
Lu~♪ Luru~♪ Ευλογία της εξουσίας για γενναίους και φίλους Lu~♪ ・・・ ・・ ・




