表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
51/471

44.マランパ奪還作戦 2

 レストラン近くの人気のない倉庫前で、俺とアリサはヤンマがハヤト達を連れてくるのを待っていた。


「う、うまく行くかな・・」

「大丈夫、アリサならきっとやれるさ」


 コツ、コツ、コツ、コツ・・


「どうやら来たようだぞ」


 ヤンマがハヤトを連れて来た。

 もう一人、マリンパも一緒か。


 銀髪のイケメン召喚勇者ハヤトとマランパがユーシスとアリサを見据える。


「ハヤトさまぁぁ、助けてください、この者が私を放さないのです!きゃあ、痛い!」


 アリサは必死になってハヤトに助けを乞う。

 そんなアリサの腕を捩じ上げるユーシス。


「(アリサ、すまん!)黙れビッチ!こんな女になんかもう興味はないが、俺にもプライドがある。勝負だ、ハヤトぉぉ!」


「(ビッチ!?興味が無い!?酷い、酷過ぎる!)わ、私はビッチじゃなもん!今の取り消してよ!」


 割とガチ目に訴えるアリサ。


 二人のへったくそな棒読み三文芝居を見ながらヤンマは思った。


「(こんな演技で大丈夫か?)」


「おお、可哀そうなハニー!待ってておくれ、今助けてあげるからね!」

「ユーシス君サイテー!振られた男がいつまでも退場しないのってカッコ悪いー」



 ヤンマの心配は杞憂だった。


「(全然大丈夫なようだ・・・)」



「ハヤトさまぁ!はやくこの男をフルボッコにして下さいぃ!そして二人で愛し合う様を見せつけてやりましょう!」


「二人じゃなくて三人だしー、アタイも一緒に愛されたいー!」


「ははは、いいなそれ、こいつらに見せつけながら行為に及ぶのも一興か。

 おいヤンマ、おまえはどうする?」


「別に、どっちでもいい」


「つまらんやつだな、まあいい。ユーシスとやら、いつでもかかってこい。

 マリンパは離れた所で見ていよーね」


「うん」


 たたたー、と言われた通り距離を取るマランパ。


(((よし、これで初手で行き成り殺されることはない!)))


 ここまでは作戦通り。

 まずは俺一人で戦って注意を俺だけに向ける!


(アリサ、頼む!)

(身体強化4倍!)


 ユーシスはヨシュアの訓練の結果、実用上身体能力を4倍まで高めることに成功していた。

 触れれば弾けそうなくらい力が溢れる!


「いくぞハヤト、「防具展開(デフォイメント)!」


 ユーシスの身体を白銀の防具が纏い戦闘態勢が整った。


「縮地!」


 先手必勝、渾身の斬撃がハヤトを襲う!


ガキン!


 ハヤトは抜剣し、いとも容易く斬撃を受け止め鼻で笑う。


(くっそー、やっぱ通用しねーか!)


「なかなかやるねぇ、そーれ!」


 ハヤトそのまま剣を押し通し、ユーシスを倉庫の壁まで吹き飛ばす!


 ドガン!ガラガラ・・


「いってぇ・・この野郎!」


 吹き飛ばされ叩き飛ばされた傷が、徐々に戦闘時常時発動する自動治癒回復(ランニングヒール)により回復していく。


 ふらふらと立ち上がり改めてハヤトを見据える。


「やはり勇者ってのは化け物だな・・」


 たった一回の鍔迫り合いで、相手との実力差を思い知らされてしまった。

 こいつにはマトモにやり合っても絶対に勝てない!


「だがしかし!」


 再びハヤトに対して剣を向ける!


「でやああああああああああああああ!」


 音速に近い連撃がハヤトを襲う!

 時折衝撃波が発生、周囲の細かなものが吹き飛ばされる!


 シュバババババババ!

 キンキン!

 シュバババ、ヒュンヒュン!

 ガキン!


 しかし攻撃が全く通用しない!


(くっそー、まるであの時の再現だぜ)


 闘牛士にあしらわれる哀れな牛のような自分に心底情けなくなる。

 加藤ダンと戦った時と比べれば遥かに強くなったが、それでもまだ人間の枠内の強さでしかない。

 対するハヤトは間違いなく人外の強さで、しかもまだ全く本気になっていない。


「きゃー、ハヤトー!カッコイイ!ステキー!抱いてー!」


 マランパの黄色い声援が飛ぶ。

 それを聞いて慌ててアリサも声援する。


「ハ、ハヤトさまー!が、が、頑張ってー!・・」


 声援を聞いて上機嫌になるハヤト


「おー!ありがとー!すぐ終わらせるからなー!」


そう言ったハヤトの目つきが明らかに変わる。


「そい!」


 ハヤトが剣を何気なく振ったように見えた。


 両手で持っていた剣が何故か右腕一本で持っている。

 軽くパニックになるも、俺の左腕は地面に転がっていた。


 しかし四肢がぶった切られるのも想定のうち、何事もなかったかのように、片腕のままハヤトに襲い掛かる!


「なに!?」


 これには流石のハヤトも一瞬たじろいでしまったようだ。

 剣を振り回しここぞとばかりにハヤトを追い詰める!・・しかし


「えーい、疎ましい!」


 一閃!

 ハヤトの剣は俺の右脚を切断する!

 俺は倒れながらも一撃をくらわそうと剣を振る!


「こ、この!」


 ハヤトはたまらず渾身の力で俺を蹴り飛ばした!

 放物線を描いてちょうど良い位置に俺は落下した。

 アリサの目の前だ!

 俺はアリサにアイコンタクトを送る。


 震え気味のアリサが意を決して行動する。


「あんたシツコイのよ!もう死んで?ね?

死ね!死ね!死ね!死ね!死ね!早く死んで!」

 ゲシ、ゲシ、ゲシ、ゲシ、ゲシ、ゲシ、ゲシ、ゲシ、ゲシ、ゲシ、


(うわぁ、またこれを食らうなんてなぁ・・)

(ユーシス、ごめん!本当にごめんなさい!)


「死ねーーーー!」


 アリサは最後の一蹴りに最大の力と完全治癒回復(セイクリッドヒール)を込めて俺を蹴り飛ばした。


 キラキラと輝きながら放物線を描いて5メートル以上離れた所に落ちた。


 俺が無事?蹴り飛ばされたのを確認してアリサがハヤトの元に走り寄る。


「ハヤトさま~~!」


「お、おう・・」


 さっきのアリサの様子を見てドン引きしたハヤト。


「アリサ怖かったですぅ!」

「そ、そうか・・?」


 そう言って正面からハヤトに抱きつくアリサ。


「でもハヤト様、これでやっとアリサはハヤト様の女になれますぅ」


 アリサは右手でハヤトの頬に触れながら顔をあげ目を閉じ唇を捧げようとする。


 あんなことされたらどんな男でもイチコロで堕ちる!

 ていうか頬に手でチュー!?

 そんなん俺もされたことないんだが!?


「アリサ・・」


 ハヤトは頬に触れられたアリサの手を握り、唇と唇を重ねようとする。


「くっ・・こいつはキツイ・・」


 ハヤトとアリサの距離がどんどん近づき、残り2センチまで近づいた時、


聖なる閃光(ホーリーフラッシュ)!」


 ゼロ距離でアリサの「聖なる閃光(ホーリーフラッシュ)!」が炸裂!


「ぐああああ!」


 予想外の閃光に完全に視覚を失われたハヤト!


「彗星斬!」


 ほぼゼロ距離からのアリサの彗星斬が炸裂!

 しかしここで大誤算が!

 自分の放った「聖なる閃光(ホーリーフラッシュ)!」のせいでアリサの視覚も奪わてしまった!


「この辺かぁああああああああ!」


 剣を振り切るも手ごたえは小さい。


 アリサの剣はハヤトの右眼を切り裂いただけに終わった。


「きっさまあああ!」


 ハヤトが反撃しようとする。


 こんなこともあろうかと、二の矢がハヤトを襲う!

 俺は弾かれたようにハヤトに急接近し背後から渾身の斬撃を与えようとする!


「死ね、ハヤトオオオオオオオオオ!」


「ま、待て!」


 視覚が完全に戻らぬ上に完全に虚を突かれたハヤト、これは勝った!


爆裂魔法(エクスプロージョン)!」


ドカーン!


 突然、俺とハヤトの間に巨大な爆発が起こり双方吹き飛ばされる!


「フー、フー、・・」


 まさかのマランパの爆裂魔法(エクスプロージョン)が炸裂する!


「ちくしょう、アタイもう動けねえや・・」


 マランパは爆裂魔法(エクスプロージョン)で魔力切れを起こし倒れてしまった。


そして爆裂魔法(エクスプロージョン)の靄が収まった後には恐ろしい形相のハヤトがいた。



「ゴミども、これまでだ・・」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【追放した側のファンタジー~英雄ケンツの復活譚】☆イケメンポーターを追放したら、なぜかド底辺に大転落したんだが!?
ティラム逃亡記第七章と同一世界・同一時間軸の裏面的姉妹作品。
第一章ではサブヒロインにアリサが登場・活躍します!
ティラム逃亡記の休稿日はこちらをお楽しみください!

【追放した側のファンタジー・英雄ケンツの復活譚】
イケメンポーターを追放したら、なぜかド底辺に大転落したんだが!?
https://ncode.syosetu.com/n5138hd/



小説家になろう 勝手にランキング
♡♡♡♡♡♡♡♡
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ