316.ネストルの踏み絵、アリサと朱里
◆レイクサイドホテル 最上階スイートルーム
ネストルは、アリサをじっくりと鑑賞したあとベッドに誘った。
「おいで、アリサ」
「うふふふ、ネストル様ぁ♡」
ネストルに誘われ、アリサは身体を絡ませ甘えようとする。
「ダメよアリサ、独り占めは許さない!」
しかしアリサに先を越されると思った朱里は、アリサをネストルから引きはがす!
「もう、邪魔しないでよ!」
「だめ!私の方が先だから!アリサは私のあと!」
そんな二人をネストルはニヤニヤしながら宥める。
「ははは、二人とも好きにしてくれていいから。一緒に可愛がってあげるよ」
「「はいっ♡」」
先程まで殺気立っていたアリサが、今では顔を蕩かせて、子犬のようにネストルにジャレつく。
そのアリサに朱里が嫉妬心剥き出しにして突っかかる。
そんな二人を満足げに宥めながら、ネストルは圧倒的愉悦に浸った。
「はははは、どうだユーシス、おまえの大切な女をこれから徹底的に僕の色に染めてやる!アリサも朱里も僕が頂く!ざまーみやがれ!ふはははははははははは!」
これまで肌を合わせて来た女性達の中でも、とびっきり最高の美少女二人を前に、ネストルは完全にタガが外れたようだ。
ルイスとの約束も完全に反故にし、やはりアリサを手中に収めずにはいられなくなった。
聖女に手を出せばどうなるかなど、もはや一切気にすることも無く、目の前の極上の美少女達を味わうことしか、もはや考えられないでいる!
ネストルは、ジャレつくアリサと朱里に手を伸ばし、確かめるように撫でる。
― さわさわ……
「「っ――――♡」」
ゾクゾクと悶えるアリサと朱里。
「おまえ達、僕の事は好きか?愛しているかい?」
「「はい、もちろんです♡」」
「この世で僕の事を一番愛しているんだね?」
「「はい♡」」
「よーしよし、ではユーシスと祐樹より、僕の方が好きなんだな?」
「「 え? 」」
「ユーシスと祐樹だ!奴らより僕が好きだと言って見ろ!その口でハッキリと宣言するんだ!」
「ユーシスより……」
「祐樹……」
「そうだ、早く言え!早く言って、ユーシスと祐樹とは永遠に決別しろ!」
ネストルはニヤニヤしながらアリサと朱里に、【ユーシスと祐樹の踏み絵】を踏まそうと迫る。
全てではないが、今まで寝取った女に対し、ネストルは同様に踏み絵を踏ませてきた。
そうやって一旦踏ませてしまえば、女達はハーレムテンプやエディションスキルのサポートなど関係なく、真の意味で自分の女になった証となる!
これはネストルが堕とした女達への通過儀礼、ハーレム契約の儀式なのだ!
「さあ!」
「ユーシス…………ユーシス……ユーシス…………ユーシス!?」
「祐樹……ああ……祐樹!祐樹!祐樹!―――!?」
アリサと朱里は必ず踏み絵を踏む!――ネストルはそう確信していた。
「(さあ、早く言え!その時こそおまえ達は完全に僕の女となるのだ!ふはははははは!……む、なんだ?)」
しかしネストルの思惑は外れ、二人とも頭を抱え苦渋の表情を浮かべる!
そして明らかにアリサと朱里の空気が変わった!
「な、おまえ達どうした!?」
― ギンッ!
蕩けたアリサの表情が一瞬にして殺気立ったものに変わり、渾身の力でネストルを弾き飛ばす!
「いやっ!」
― どんっ!
「ぐえっ!?」
「朱里、気をしっかり持って!マヤカシの愛に騙されないで!」
「アリサ……でも私、ネストル様のことを……だけど祐樹も……あああ……わからない、わからないよぅ……」
魅了耐性皆無の朱里だが、それでもネストルのハーレムテンプに犯された脳で、必死に抵抗しようとする!
「くっ!」
アリサは壁に立掛けてあった聖剣に手を伸ばし、鞘から引き抜いた!
「よくもこんな破廉恥なマネを!朱里をこんなに苦しめて!絶対に許さない!」
― バシュッ、バリバリバリ!
「ひ、ひいいいいいいいいいい!!!!???」
アリサの持つ聖剣が雷を纏う!
とんでもない殺気と雷気を発し、アリサはネストルを一刀両断に!?
「覚悟!雷帝彗星ざ……!!!」
刹那!――
「ハ、ハハ、ハーレムテンプ!」
― モワッ……
ネストルのハーレムテンプが先に炸裂!
アリサと朱里に、粘り着くようなオーラが襲う!
「くぅっ!」
「はぅっ!」
― ガクンッ!
朱里は動きを止めたが、アリサは一瞬怯みはしたものの、すぐにまた突撃しようとする!
「す、彗星ざ……!?」
「|ハーレムテンプ!
|ハーレムテンプ!
|ハーレムテンプ!
|ハーレムテンプ!
|ハーレムテンプ!
|ハーレムテンプ!
…………
…………
……
……
|ハーレムテンプーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
― ブワッ!
「はぐぅっ!!!」
しかし怒りで冷静さを欠いたアリサの突撃は、自身の命とりになってしまった!
ネストルのハーレムテンプをモロに浴びてしまうアリサ!
「くあっ!」
ネストルがハーレムテンプを掛けまくったところで、アリサはようやく動きを止めた。
「ネストルさまぁ~♡」
「だからアリサ、私が先だってば!」
「ぜえ、ぜえ、こ、こいつらの前ではユーシスと祐樹を引き合いに出すのは、絶対にNGだな……」
ジャレつくアリサと朱里に背筋を冷たくさせられ、ネストルはこの二人を完全に手籠めにすることは容易では無いことを悟った。
そして、その悟りは間違いでは無かったことを、すぐ思い知らされる事になる。




