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劇的なる浪漫詩集および抒情詩集 Dramatic Romances and Lyrics  作者: ロバート・ブローニング Robert Browning(翻訳:萩原 學)
7/22

故郷離れて異国より Home-Thoughts, From Abroad

標題をこのように訳した例は無いのだが、望郷の詩というと個人的に室生犀星の「ふるさと」が来てしまうので、こうなった。

I.

 そうだ、イングランドに在ったなら

 今頃そこにも4月が訪れ、

 イングランドに寝起きする誰しも

 見るのだ、いつかの朝に、気にもとめずに

 あの下枝といい小枝の束といい

 ニレの木廻りに可愛い新芽がポツポツと、

 果樹の枝には頭青花鶏(ズアオアトリ)が歌う

 イングランドよ今まさに!

OH, to be in England

Now that April’s there,

And whoever wakes in England

Sees, some morning, unaware,

That the lowest boughs and the brushwood sheaf

Round the elm-tree bole are in tiny leaf,

While the chaffinch sings on the orchard bough

In England—now!!

II.

4月過ぎれば5月が続き、

ノドジロ巣をかけ、燕達も皆!

聞き給え、垣根花咲く梨の木が

畑へ垂れて撒き散らすは白爪草(シロツメクサ)

露と花びらと…小枝の曲がったその先に

あの賢い(ツグミ)、歌をそれぞれ二度ならず、

覚えておれまいなどとは思い召さるなと

初の晴天に我を忘れようとも!

白露に畑は(まみ)れて見えようと、

皆また元気になろう、今一度お昼が来る頃には

金鳳花(キンポウゲ)は、幼子たちの捧げ物

…この派手なメロンの花より遥か明るく!

And after April, when May follows,

And the whitethroat builds, and all the swallows!

Hark, where my blossomed pear-tree in the hedge

Leans to the field and scatters on the clover

Blossoms and dewdrops—at the bent spray’s edge—

That’s the wise thrush; he sings each song twice over,

Lest you should think he never could recapture

The first fine careless rapture!

And though the fields look rough with hoary dew,

All will be gay when noontide wakes anew

The buttercups, the little children’s dower

—Far brighter than this gaudy melon-flower!


thrush:日本に住む鶫とは違うウタツグミという種類で、繰り返し鳴く習性がある。それを、人に意地を張ろうとして繰り返すのだというのは、詩人独特の愛情表現か。

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