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太陽の人魚  作者: 稽古
4/6

現実は辛い 下

少なめです。終わらせるの丁度よかったからでしょうか。次回は来週です。

  俺は両親、妹に『友達と食事するから俺の分なくてもいいよ』とメールを送った。友達と一緒は勿論嘘である。

  一人で砂浜の上で海を眺めていた。オレンジ色の空はすでに紺青色で俺の青春と共に消えてしまっている。

  なんてこれも青春なのだろう。振らわれて、嫌われて....泣きそうになる。ここならないていいかな


 いつも目につく海は黒い






 遠い声が聞こえてくる。現実に戻されるんだろう。もう夢の時間は終わりだ。ここも二度と見たくない。


 ......ぉぃ...


「おい!大陽!どうした!?そんなにショックだったか?」


「もう言わないでいいよ。すまんかったな」


 現実いや今崎いや今崎君に起こされた。


「ああ大丈夫です。それより」


 いじられても流してきたが今回はさすがに許せない。殺意の目を込めて顔を近づかせ


「昨日はお前が実公判だろ?ドッキリ大成功?なにがショックだって?聞こえてなかったか?もうお別れだって河相さんに...!さぞドッキリ大作戦とやらは成功したか?いい気味だよ......」


 敬語のつもりだったがやってしまった。キレたのは久しぶりだ。

 そして何より許せないことは


「何より許せないのは河相さんに無理やり告白させたことだよ」


 またタメ語で話してしまった。俺が好きな人を話したのは今崎君と天谷、川根さんの三人だ。残りの二人は言わないだろう。


「は....?」


「おい...そ」「おーい席につけもうチャイムはなっているぞ」


 チッと舌打ち鳴らして自分の席に座る。




 昼休みだ。なんにも入ってこなかった。ヒソヒソとまた聞こえる。俺に向けられてるのだろうか。たとえそうでなくても俺の件じゃないかと思ってしまう。


 まただ。一人深い海に取り残されているようだ。


 俺の深い海へ潜り込むやつがいる。今崎君だ。


「それは俺じゃない。ドッキリ大作戦とやらも知らなかった。聞いたのは校舎裏で大陽と河相がいたという噂を聞いた。」


 は?今崎君じゃない?


「だからすまん!俺が無知だった。俺はお前を傷つけたくないし、知っていたら止めていた。」


 いつも俺を傷つけてるじゃんと突っ込みたかった。がそんな状況ではない。今崎は野球部でビシッと顔を下げていた。教室で


「今崎君が主犯じゃないのですか?」


「ああ俺はやっていない」


「それなら俺もごめんなさい。言いすぎたました...」


 本当に申し訳ない。心から謝りたい。また傷つけてしまった。ゴツゴツした手が海面に連れていってくれた。


「俺のことは気にしなくていい。それよりお前のハンバーグもらっておいたぞ」


 ニヤッとした顔が戻っていた。却下だこいつに心から謝るなんてもうないだろう。


「おい。いい加減にしてくれ今崎。」




「ねぇー空~また陸くん見てないで食べようよ」


「うん」


 空が俺の教室に覗いていたは今も昔も知らない。


「ホントに空ってブラコンだよね〜ああ今日は違うか」


 川根愛香は茶髪でムードメーカー的存在らしさがあるだけ。クラスでいうと中..


「空?変なこと考えてる?」


「うん違うよ。お兄ちゃんの噂を考えていたよ。」


「ふーんまっいいか。で陸くんが知佳(河相)ちゃんを振ったんだよね。さすがにドッキリ大作戦でも両想いになってたはずなんだけどなぁ。」


 川根愛香は頬杖をつきちらりとだけ見える海を眺めていた。


「らしいねでもお兄ちゃんが振るなんて...」


 お兄ちゃんらしくもない。あんな性格だ。会話の中何かが起こった?告白を振るなんてお兄ちゃんなりの理由があって

 知佳さんをドッキリで傷つけたくはなかったから。

 知佳さんがお兄ちゃんにそうするようにさせたから。

 の2つだろうけど、でもそれだと海に行くのかな。何かが足りない。


「ったくブラコンだね。またお兄ちゃんのこと?」


「む、ブラコンじゃないってば他の人より仲がいいだけ」


「それってやっぱブラ...」大好物のハンバーグを食べる。うんおいしい。






 授業も終わりもう夕日が出ている昨日より薄いオレンジ色をしている。とりあえずドッキリ大作戦の主犯は明日から探す。


「帰ろう」


 黄昏るのも悪くないが妹が中二病と言われそうなのでやめておく。どにみちここにいては気分が悪い。


 海月渓愛に出会えて無ければもっと苦しくて学校すら来れなかった。渓愛のおかげだ。礼を言わないと


 今日は頬を塗るような風が当たる。うん黄昏てしまう。


 前方に規則正しい靴の音がする。心臓の鼓動が速くなる

 


  まただ。いつもより深い。河相さんは俺を海面まで連れていってはくれない。もうそんなこと分かっている。

  助けを求めても河相さんが俺に重石を取り付けて海の底まで連れていかされる。


 分かっている。

  自分で泳がないと結局また深い海に入ってしまう。だから今回は自分で泳ぐ。どんなに苦しくても...




「また遊ぼ♪」


 河相さんの思い出が徐々に泳いでいる俺に映し出された。どれも大切な思い出だ。





「テニスまたやろうね!」


 またやろう......






「綺麗〜しだれ桜っていうだね」


 河相さんとの思い出がまた次々と...











「そうだ!来年は一緒に海に行こう!」


  飽きていた海に唯一の楽しみが消える

 やめてくれ出てこないくれ...良い思い出な筈なのに....今は...今は...

  海が黒くなっていく。溺れていた。






「そういえば大陽陸ってエネルギー満ち溢れているよね〜、陸からエネルギー沢山もらっちゃった。」


  違う俺はただの河相さんの言った通り根暗で黒穴(ブラックホール)だ....エネルギーを吸い取ってしまって、俺のせいで....

  苦しくもがいても海面より遠ざかった。真っ黒だ。






「......い」

 声にはならず泡が出るだけだった。泡でよかった。もし声なら...

 海水にやられて目が痛い...と意地を張る。苦悩の表情を見せたくない。






 深い海から泡が沢山出ていた。







 河相さんと俺は目を合わない。俺は俯いて河相さんを見たくなかった。






 夕日が青春の終わりと告げるように薄いオレンジ色に照らされた二人はすれ違った。










明日20時に更新します。

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