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リバーシブルラバーズ  作者: yoshino
14/28

恋と夢


直矢とは毎朝喧嘩。そしてダッシュで登校。

遥希は気を使ってか、もう話しかけて来なくなった。

しかし、このままじゃダメな気もしていた。


「悩んでいるのか」

「うん・・」


部活が終わったあと、練習を続ける恵太と話す。

今日、高菜は学校を休んでいるらしく、マネージャは僕一人だった。

高菜と帰ることもできないので、声をかけられた僕は立ち止まっていた。


「直矢と遥希には悪いことをしてると思ってる」

「特に遥希とは仲よかったからな」

「そうだな・・」


それに僕は知っている。二人が僕のことを好きでいることも。


「でも女子が怖い・・」

「そうか。ではこうしたらどうだ、休日は話す」


休日?

竹刀を壁に立てかけて恵太は提案する。


「学校では無理だが、家なら女子になにか言われることもないだろう」

「たしかに! じゃあ、今度の休み、直矢か遥希を誘ってみる!」

「あぁ」


直接会って、話して許してもらおう。

学校で関わってはいけないこととか。もろもろ。


「でも家に行くなら気をつけろよ」

「え?」

「女子の目がないということは、つまり誰の目もないということだ。クリスマスイブのときみたいにならないように」

「・・あー」


あの日の記憶はほぼ消してしまっている。というか消えているのかな。

ショックすぎて、怖すぎて、覚えていられなかった。


「俺はお前が心配だよ」

「・・高菜より?」


僕の言葉に恵太が目を丸くした。

僕も慌てて口を押さえる。

なんてこと聞いてんだよ。


「俺と高菜はそんなんじゃない」

「で、でも心配だろ・・」

「あいつは娘的な感じで心配だ」


妹通り越して娘か。


「朱音は、一人の女として心配している」

「・・」


心臓がバクバクなりだして、カァァと顔が熱くなっていく。

思わず自分の手を当てて冷ますが、すごく熱い。


「どうした」

「わ、わかんない、帰る!」


カバンを持って、僕は早足でその場を去った。


え、え、え。

え?


もしかして、恵太にドキドキしてる?

まさか、え?



* * *


海にいた。


波がひけばくるぶしあたりまで、波がこれば脛まで濡れるほどの浅いところを僕は歩いていた。

誰もいなくて、砂浜は永遠に続いている。

空は赤紫で日の出前か夕焼けか、判断できない。

僕の服は薄手の白いワンピース。

両手を広げて歩き続けた。


そして止まる。

止まって、海を見つめた。


「もう戻れないんだ」


そうつぶやいて、足元が赤く染まる。

僕から赤い液体が出ている。


「もう男には戻れない」


海の水がその液体を薄めていくが、また赤が落とされる。

それがひどく、つらく感じた。



* * *


目を覚ました僕は、布団をめくった。

なんともない、オッケーだ。

次に寝巻き代わりのジャージを脱ぐ。

若干湿ってる・・? いや、セーフ。


パンツも確認したがなにもなっていなかった。


しかし、僕は妹のところへ向かう。


「へ? え!? お姉ちゃんなんでパンツしか履いてないの!?」

「生理になりそう」


完全に直感だった。しかし、生理の周期は一ヶ月と聞いている。

女子になってから一ヶ月経ったので、そろそろのような気がする。

いや、今まで完全に生理なんて存在頭になかったけど、なんで思い出したんだ?


「なんっ、え、お姉ちゃん生理用品持ってないの」

「なくなった、貸して」

「いいけど」


そういうと妹はナプキンを10個ほど持たせてくれた。

ネットで調べて、ナプキンの付け方を学んだ僕は装着し、学校へ向かった。


にしても、変な夢を見た気がする。

なにも覚えてないけど。

気持ち悪い夢を見た気がする。


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