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凡人な俺は異世界転移して死神として生きる  作者: 変態型中二病者
第一章
1/11

1   死神は異世界転移する

「「「勇者様!どうかこの世界をお救いください!」」」


・・・なぜこうなった?


俺は神裂(かんざき) (こう)、高校1年16歳の一般的な日本人だ。


成績は上の下位、見た目は・・・いいと信じたい。


まぁそんな凡人の俺がなぜこんなネット小説でよくある異世界転移物のテンプレ展開に巻き込まれているかというと・・・



ーーーーーーーーーー



「なぁ煌!あのラノベの新作買ったか!?」


こいつは近藤(こんどう) 太一(たいち)、俺の友人だ。


こいつは俺をラノベ図書館として扱ってくる・・・実際そうだけど・・・


「あぁ、あれな、今日家来いよ、貸してやるから。あとついでにモ○ハンやろうぜ」


「おう」


数分間そんな会話をしていたのだが・・・


ダンッ!!!


急に開けっ放しだった扉や窓が締まり、視界が多少暗くなった。そしてスピーカーから・・・ではないな、直接脳に響くように(・・・・・・・・・)声が聞こえてくる。


【やぁ、1-C組の君たち、早速だが君たちには異世界へ行ってもらう。拒否権はないよ、私は今から君たちが転移する世界の神をやっている。君たちは『シリウス』という国が召喚魔法を使ったことで異世界に転移することになったんだ。流石に今の君たちじゃすぐ死にそうだからチート?ってほどじゃないけど多少強めにしておくから鍛えればかなり強くなるはずだよ。あと『ステータス』って念じると自分のステータスが見れるよ、転移は今から10分後、頑張ってね。】


そう言って自称神の声は聞こえなくなった。


皆は騒いでいるが何故か俺は冷静でいられる、ネット小説の読み過ぎかな?


とりあえずステータスの確認かなぁ・・・『ステータス』


神裂 煌 16歳 男 レベル 不明


HP 5000/5000

MP ∞/∞

OP 不明 

DP 不明

STR 不明

DEX 不明

VIT 不明

AGI 不明

INT 不明

CHA 不明

LUC 不明


スキル 初級闇魔法LvX 中級闇魔法LvX 上級闇魔法LvX 最上級闇魔法LvX 無詠唱LvX 言語理解LvX


ユニークスキル 死神装備一式


称号 異世界転移者 死神


バグってんのか?HP5000も高い気がするが自称神が強くしといたと言っていたからまだ分かる。だが大量の不明とMP無限はおかしいだろ!?


そしてスキル、闇に特化しすぎてる。無限にあるMPと無詠唱使って最上級連打してたら最強じゃね?言語理解は自称神がつけてくれたのだろうか?


最後にユニークスキル、死神装備一式って・・・強そうなんだけどスキル名どうにかならなかったのか?


「お、おい!煌!これってアレだよな!?」


太一が興奮した様子で聞いてくる。


「あぁ、テンプレ展開だな。」


「ああ、俺、異世界に行ったらチートゲットして美少女ハーレム作るんだ・・・」


「死ぬぞ?」


そんな危機感のない会話をして、俺たちは異世界に転移した。



ーーーーーーーーーー



ということがあって俺らは今シリウスだっけ?多分その国の王城?的なところの一室でそんなことを言われていた。


「どういうことだ!?ここは一体どこなんだ!?お前らは誰なんだ!?」


クラスメイトの一人が言う。いやお前自称神の話聞いてたのかよ・・・


「失礼しました、ここはシリウス帝国の王城です。私はこの国の王女をやっているアリーヤと言うものです。こちらは私のメイドです。勇者様方はこの国に勇者として召喚されました、今シリウス帝国、いや、人類はは魔族と呼ばれる存在に滅ぼされかけています。勇者様には魔族の王、魔王の討伐をお願いしたいのです。どうか世界をお救いください!」


アリーヤは涙目になりながら俺たちに助けを求める・・・嘘泣きで。


「そういうことですか、安心してください!俺達は勇者としてこの世界を救います!」


クラスメイトの一人が言う・・・馬鹿なの?死ぬの?嘘泣きってわかんなかった?わかんなかったとしても即答は駄目だろ、お前も自称神の話聞いて無かったの?死ぬ可能性があるんだよ?お前一人ならともかくクラスメイト全員お前の独断で巻き込むってまじで馬鹿なの?


そう思った俺は


「おいちょっと待て、お前の独断でクラスメイト全員を巻き込むな。えぇっと・・・アリーヤさんだっけ?俺達が元の世界に帰る方法はあるんですか?」


そう、それが一番大事だ。魔王とやらを倒さないと帰れないならやる意味があるし魔王を倒さなくても帰れる方法があるのなら魔王と戦う意味はない。


「え?・・・あの・・・ま、魔王を倒したら帰れます!それ以外の方法では帰れません!」


はい嘘、これ帰る方法ないね・・・そう思い、多少苛ついた俺は皆に聞こえる声でアリーヤに「そうか」と言い、今度はアリーヤだけに聞こえる声で


「嘘下手すぎ。やるならもっとうまく泣く練習しといたほうがいいぞ、あと帰れる方法がないって分かった、ありがとう」


といった。アリーヤは青ざめているが知ったことじゃない。


「と、とりあえず勇者様達はこ、こちらへ・・・」


そして俺達は国王に合わされ、歓迎され、自分の部屋を持った。俺は自分の部屋の中で自分のスキルを調べていた


「ふむ・・・大鎌と外套か・・・」


死神装備一式は死神っぽい大鎌と外套を出現させることが出来た。それぞれ効果は


死神の大鎌(デス・サイス) 生物を切ることで永続的に切れ味が上昇する。決して傷がつくことはない。この大鎌の切れ味が上昇すればするほど使用者のステータスが強化される。


死神の外套(デス・ローブ) 攻撃を受けることで永続的に防御力が増す。決して傷つくことはない。この外套の防御力が上昇すればするほど使用者のステータスが強化される。


・・・チートやチーターやぁ!


うん、マジか、神様、これでもこの世界で死ぬ可能性があると申すか、おっそろしいなぁ・・・


ていうか外套の方絶対に傷つかないのに防御力が増す意味あんの?


・・・そんなことは置いといてこれから装備の買い出しがあるらしいがこの外套は買ったことにして装備しよう。大鎌は・・・やめといたほうがいいよな・・・


「勇者様、買い出しの時間です。」


「ん?ありがとう」


そう言って俺は外に出るのだった。


「おぉ、煌!」


「ん?太一か」


「見てくれよ煌!これかっこよくね?」


そう言って太一は一本の剣を見せつけた。


「確かにお前の厨二心をくすぐりそうなデザインだな」


「ぐはあああぁっ!」


太一は胸を抑えながらふらついた、ドウシタンダロウナー・・・


「太一、お前金残ってんの?」


国からは200000リエル、リエルと言うのはこの国の金の名前で1リエル=1円位だ。わかりやすくてよろしい。


「え?」


「いや、武器だけじゃなくて防具も買わなくちゃいけないだろ?」


「え?えぇっと・・・ハハハマダ金ハ残ッテルカラ安心シタマエヨー煌君ハ心配性ダナー」


「使い切ったんだな?」


「ハイ、スイマセンデシタ」


やっぱりか、まぁここでこいつに借りを作っとくのも悪くないか


「50000リエルまでなら出してやる好きなの選べ」


「え?いいの?」


「貸し一つな」


「ありがとう煌愛してる!」


「きめぇよ」


そして太一は50000リエルピッタリの革の鎧を買った。


「俺は・・・10万リエル位の剣でも買うか・・・」


大鎌を使うのは流石に目立ちすぎる。クラスの全員が俺みたいなチートを持っているはずだからそう説明すればいいが何か俺のユニークスキルは晒しちゃいけない気がした。


武器屋に到着した。中にはいかにも鍛冶師なおっちゃんがいた。


「・・・お前も勇者か?」


「そうだがどうかしたか?」


「・・・いや、予算はいくらだ?」


「10万、最悪13万くらいまでならいい」


そう言うとおっちゃんは何本か剣を取り出した。


「・・・この中から選べ」


ふむ・・・中には太一が選んだような見た目重視の剣もあるし性能重視の剣もある。だが死神の大鎌を見た後だとどれも見劣りしてしまう・・・ん?


一本だけ死神の大鎌と比べてもあまり見劣りしない剣があった。


「おっちゃん、これは?」


そういった瞬間少しおっちゃんは嬉しそうな表情を見せた。


「いい目をしてるじゃねぇか。そいつは強化ミスリルって言う鉱石を使った剣だ。ピッタリ13万リエルになるが買うか?」


「強化ミスリルか・・・これ50万リエル位するんじゃないのか?」


そう言うとおっちゃんは更に嬉しそうな表情を浮かべて説明してくれた。


「あぁ、そうだ、だが勇者たちは見た目がいい剣ばっかり持っていくんだ。3人目くらいからこいつを置いてみたがそれでも勇者たちは見た目重視の剣ばっか持ってくんだ。お前はいい目をしているな」


「ありがとう、それでもそんな割引してくれていいのか?半額以下じゃねぇか」


「なぁに、俺の命を守ってくれるかもしれない勇者様に投資しただけだ」


「そうか、じゃぁお言葉に甘えて買わさせてもらうよ、ありがとな」


そう言って俺は武器屋を出る。いいおっちゃんだった。


結果俺は死神の外套に強化ミスリルの剣というかなり強めな装備を手に入れたのだった・・・











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