いつだってそばに
みじかっ!ってなります。
すべての話を吐き捨てるように、大事にするように言ったカイト君は
頭をかきむしり
頭を抱え込んで
その場に膝から座り込んで
つらそうに声を漏らした
[でも....!!もうわかんねえ!!あんなにナツキはタクヤが好きなのに!オレがそばに居たら駄目だろう....?!]
「....今からすごいわがまま言っちゃうから。幻滅しないでね。....私のそばじゃ駄目かなぁ?」
[えっ?]
カイト君はバッと顔を上げた
「私カイト君に酷なことさせたんでしょう?助けられてしまったでしょ?だからせめて傍にいさせてよ。
ううん、傍に居て。」
でもカイト君はもう一度頭を抱えた
[オレは抜けがらだよ?何もかもが足りないんだよ?人を助けることでしかオレは人の心の中に居れないんだ。それなのに?]
「カイト君が私を助けたのは使命があったからだった。でも、私確かに助けられた。こうして.....こういう性格で居られるのはカイト君のおかげなんだ。ナツキちゃんのそばに居られないなら私のそばに居てよ。」
[...オレはしつこいよ?]
下を向いたまま言った
「知ってる」
[ユヨルがうざいって言っても傍に居続けるよ?]
俯いたまま目だけこちらに向けた
「...うん、いいんだよ」
[.....いいのかな?]
「いいんだよ」
[ユヨルはバカだね]
下を向いて小さく言った
「ひどいよ。....でもそうかもね。」
[ありがとう。じゃあ幽霊の間はそうさせてもらう]
私の顔をまっすぐに見据えて言った
「.........うん。わかった。」
[ありがとう]
「どういたしまして。」
私がそう言うとカイト君は一粒だけ涙を流した。
「泣かないでよ」
[...これは本意ではないから大丈夫]
涙を拭かないでもう暗い空を見て言った
「.....変なこと聞くね。みんなを救うのが使命なら.....つらそうにしている人を救うのが使命なら、どうして戻らないのかな?」
[.....居るんじゃないかと思って。]
カイト君はゆっくり立ち上がりながらぼそりと言った
「へっ?」
満面の笑みで
[よっちゃん。この世界にいるんじゃないかと思って。]
と言った
「....!!」
[まだ見つかりそうにないけどね。]
「.....見つけようか、一緒に」
[ありがとう。]
笑顔を崩さずに言った
でも、ふと思った。
見つけたその子がカイト君に幽霊ままでいてと言ったら
戻らないのかな?
もしその子がそう言うのなら
見つけてもカイト君には
言わない。
と私は勝手に決めた
[明日、オレのうちに行こうと思う。いろいろ見てそれから、探しに行く。]
「一緒に行ってもいいかな?明日は日曜だし」
[うん。]
そこであいつに会うなんて考えてなかった。
「言った」っていうので上手く縛ろうとしましたが無理でした