受け止めきれない
今回みんながかわいそうな回ですね。
学校に着き誰にも触らないように.....触れるわけじゃないけど。
通り抜けるのはあまり気持ちのいいもんじゃないから。
次々に来る級友たちを遠目で眺めてた。双子が来て、ミッキーとヨコととぉちゃんが来て、ナツキが来た。
でもどれも少しだけいつもとは違った。
オレがいたときとは。
大きく悲しんでないけど無理してる感じがした
ガラン!!と大きな音を立てて戸が開いた。
ビクッとして扉付近を見るとタクヤが立ってた。
なんかすごく機嫌が悪そうな顔をしていた
ナツキがトタトタと駆け寄り
「なんで昨日来なかったのよ!」
と言った。
来ていなかったのか.....
何となく予想していたことだけにやっぱり...と絞めつけられそうだった
「わるい。気持ちが定まんなかったから。」
「心配したのよ!!」
さっきまで無理して笑ってたナツキは泣きそうになっていた。
「わるい。あんま話しかけないで。イライラしてっから当たっちゃうかもしれないし。」
「そんなこと!心配してるんだから!」
「黙っとけって言ってるだろ!!!!!」
普段あまり怒らないタクヤが大きな声を張り上げみんながビクッとした
「...~~~~~っ!!!!」
そんな姿をオレは瞬きもせず静かな気持ちで見ていた。
こうなることはわかってたから。
タクヤがオレを慕う気持ちも知っていたから。
こうなるくらいなら
オレのことなんかみんなが気にせずに笑ってくれてる方が
どれだけよかったか。
苦しそうな顔をしてるナツキに小さくごめんと言ったタクヤは席に向かった。
一気に空気が悪くなる。
重い。
こういうのは嫌いなのに。
「みんなさあ!そんな暗くならずに!明るくカイトを迎えてやろうぜ!」
「ヨコ。それはホントに言っちゃだめだよ。」
ホントのことを言うとヨコの言うとうり明るく迎えてほしいが今の空気ではミッキーの言うことが正しい。
こんな空気いやだな。
ガラリ。
先生が入ってきて
「こんな暗くちゃ授業もしづらいなぁ....。」
とため息を吐いた
いつもと違う雰囲気。
いつもと違う言葉。
でも戻ろうとは思えない
何でだろうね?
自分の机に座っているとね(物には触れる。生き物には触れない。)
たまに誰かがこっちを見る。
無理に笑っている隣の席のクララ
哀しげな顔のナツキ
苛立ちと苦しさを抱えてるタクヤ
心配顔のヨコ
見ないように懸命に前を向いているけどたまにちらりと見てくるミッキー
不安顔のユヨル
すべて心を締め付け引き裂くようにズタズタにされるような顔。
それをオレはまっすぐに見つめた
幽霊がドライアイとかにならなくてよかったなんて思って気を紛らわせて。
でもそんなのって感じで。
結局意味なくて
放課後になればみんな誰かと話すわけでもなく出て行った。
部活があるというユヨルに別れを言い
オレは何となく空手部に向かった。
道場にはまだ誰も来ていなくてロッカーに向かうと引退したはずの日向寺センパイがオレのロッカーの前に立っていた。
センパイは何か言うでもなくいきなりバアァァァンッ!!!と鉄でできたロッカーがひしゃげるまでに本気で蹴りをした。
ザマァミロという震えた小さな小さな声が聞こえた気がした。
今までのが積もり積もってたのかなあ
泣きそうになったよ。
でも幽霊って
泣けないんだな。
感想とかくれるととてもありがたいです。
舞い上がってハイジャンプします